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話せぬ若手と聞けない上司/山本直人

 世代間でのコミュニケーションについての本だが、私がメモったのは本題ではなく、エピソード。

 著者が「大学3年の時に堀江湛先生の研究会で出会った小林良彰先生」にされたことが興味深い。

 英語文献を必死の思いで読み、レジュメをつくって研究会で報告する。
「本の内容はよくわかりました」
 先生のコメントにホッとすると、もう一言だけ言われる。
「で、だから何なんですか」
 だから何なんだと言われても困るが、まあとりあえず現実の話に置き換える。政治理論のテキストなので、現実への適用を何とか答える。
 頷きもせず、ジーッと聞いていた先生がおもむろに言葉を発する。
「現実の政治に適用できることはわかります」
 今度は何を言われるのだろうと身構えたときにまた一言。
「で、だから何なんですか」
 こう書いてみると、下手なコントの台本のようであるが、実際この一つの質問だけが何度も飛んできて、最後には何が何だかわからなくなる。口には出さないが、最後にはこちらが質問したくなる。
「何でこんなことやってるんですか?」
 だが、この問いこそが学ぶことの基本中の基本だということは後になってやっとわかった。

 昔気質の大学教授というべきか。「こうあって欲しい」と気軽に言えないところが、またよい。

おススメ度:★★★
(触れなかったが本題もそれなりに面白い)
手軽読書度:★★★★★
(1時間強でサクサク読める)

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