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2005年5月17日 (火)

今こそゼーマンにチャンスを

スクデットに向け、首の皮一枚残っていたミランだが、レッチェにとどめを刺された。2−1とリードし、コナンの退場で相手が10人となった後に追いつかれた。目も当てられない引き分け。
これでミラン優勝の条件は、ただ一つ。ユベントスが2連敗し、ミランが2連勝すること。ありえない。

一方のレッチェは、これで勝ち点42の11位。残留に向けて、ここでの1ポイントは大きい。というわけで、今回はレッチェ率いるゼーマン監督について。

今季開幕前、何よりも期待していたのが、ゼーマンの復活だった。攻撃サッカーの信奉者であり、守備的と揶揄されるセリエAで、かたくなに3トップを敷いてきた指揮官である。得意技は、優勝チームより得点してしまうという荒技で、ラツィオでも、ローマでも、こともなげに総ゴール数でチャンピオンを上回る快挙をやってみせた。シニョーリも、ネドベドも、トッティも、いわば彼の教え子である。

ゼーマンが選手に地獄のトレーニングを課すことは有名で、しかしその分、彼らは「楽しいサッカー」をやらせてもらえる。世の中には、選手が全く楽しそうじゃないチームが山ほどあるというのに・・・。そりゃまあ、センターバック以外はみんな上がっていいんだから、楽しいでしょう。

そんな「楽しい」ゼーマンも、今季は久しぶりのセリエA復帰。ここ数年は、都落ちというか、セリエBで指揮を執っていた。なぜか?
攻撃偏重で成績が追いつかず、愛想をつかされた・・・というわけではなく、何というか、口が災いの元になったのである。「デルピエロの筋肉の付き方はおかしい」とユーベのドーピング疑惑を口にし、いわば、表舞台に居られなくなってしまった。

そりゃまあ、ユーベに喧嘩売ったわけだから、割を食うのも仕方ない。何だかんだいっても、ユーベ、ミラン、インテルあたりでセリエAは回ってるんだから。「イタリアの貴婦人」に昂然と楯突いては、
イタリア人でない彼の味方はいなくなる、というわけ。
まあ、実際には「よく知らないクスリを飲まされていた」とジダンが法廷で証言したし、さらにユーベのドクターも有罪判決?を受けたようだから、どちらが正しかったかは言うまでもない。地獄のトレーニングでネドベドを作り上げた男が、クスリで選手を強化してる輩に文句を言いたくなるのは当然でしょ。
まあ、そのネドベドが今、ユーベにいるわけなんだけど。しかし、インタビューでは度々、ゼーマンへの想いを口にしてるしね。

さて、そんなゼーマンのサッカーは、4−3−3の攻撃的布陣である。ラツィオでもローマでもレッチェでも一貫して同じ。両サイドのFWはウイングとして左右に張るのではなく、柔軟にセンターに切り込む。中盤の3人は、ゲームメークとともに、臨機応変にオーバーラップ。さらに両サイドバックはもちろん攻め上がるので、極端な時は本当にセンターバック2枚で守ることになる。
余りにもリスキーだが、それゆえに面白いし点も入る。派手に勝つか、競り負けるか、自滅するか。2−1で安心したミランが引き分けるのも、さにあらん。

しかしまあ、彼のチームはいかんせん、息切れする傾向がある。開幕前から地獄のトレーニングを課すんだから、そりゃしょうがない。今季も同様で、序盤の大活躍から、いつのまにか残留争いをする羽目に・・・。もっとも、若きエース・ボジノフをフィオレンティーナにかっさわれたことも大きかったろうが(そのうえ本人ケガしてるし)。

そんなアグレッシブなゼーマンだからこそ、セリエAの活性化を期待したい。今のリーグには、オフサイドトラップと前線からのプレスに固執していた90年代前半の面影はかけらもない。世界最強リーグなどと(日本で)紹介されていたあの頃は、間違いなくもっとスリリングな試合ばかりだった。

しかし、セリエAのカンフル剤となるには、レッチェではいささか役不足だ。やはり、ゼーマンには優勝の可能性が「少しだけ」あるチームを率いて欲しい。
この少しだけというのがミソで、やはりバリバリの優勝候補は似合わない。そんなところで彼のようなサッカーをしたら、あっという間にクビが飛ぶ。

それなりの戦力を持ち、選手は若く、しかも臨機応変に動ける両サイドのFWが居るチームと言ったら、あそこしかないだろう。そう、ローマである。相手選手に唾を吐く王子と、一流ホテルの部屋の床に唾を吐く不良少年が居る、ローマだ。
念願のダービッツを獲得すれば、くちさがない王子だって恩師ゼーマンのために粉骨砕身、働くだろう。現ローマ監督のコンティは明らかに今季限りのパートタイマーであり、チームは次の人材を探している。センシ会長にとっても、ユーベ(というよりモッジGM?)は仇敵である。現段階では、ゼーマンのレッチェ残留は濃厚との噂だが、サッカーは、何があるのかわからない。来季は是非、ローマで優勝チームを超える得点を挙げてもらいたい。

というような勝手なことを、実はカペッロが去った時から思ってるのだけど。
ローマが奮わないのは、やはり寂しい。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
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