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2005年5月 7日 (土)

ミランの誤算とPSVの行く末

3−1の敗北は、最強を自認するチームにはふさわしくない。
先制点は、ネスタがパク・チソンのスルーパスを許し、
さらにスタムがヘッセリンクを封じきれなかったことによる。
試合の流れからすれば、
ミスによる失点というより、遂にやられたという感じ。
内容は、完敗だったと思う。

ミランの誤算は、アンチェロッティ監督の誤算だ。
リーグ戦で首位に並ぶユベントスとの直接対決を控え、
彼は明らかに「軽くいなす」ことをねらった。
シェフチェンコの1トップで中盤を厚くし、
ボールを支配しながらあわよくば得点するーー。
しかし、その目論見は功を奏すことなく、
結果的に「試合の主導権を握れなければ二流」であることを証明してしまった。
彼らには、単独でサイドを打開できる選手はいないから。
カカの中央突破は魅力的だが、
1トップでパスの選択肢が一つではそれも生きない。
フォローすべきセードルフはあまりに低調で、
両サイドバックも明らかにオーバーラップを自重していた。

対するPSVは、明らかに前回の敗戦を糧にしていた。
自陣でタイトなプレスを展開し、
ミランに攻撃に切り換える時間を与えない。
前線にヘッセリンクを置いてミランの守備を広げ、
中盤でのボール回しを楽にする。
連戦の影響でコンディションの整わないミランは絶えず後手に回り、
PSVが試合のペースを握った。

2得点のアドバンテージがあったとはいえ、
アンチェロッティは余りにも消極的だった。
そもそも、CLの準決勝で楽に流そうとするのは、傲慢といえまいか。
相手はすでにリーグ優勝を決めており、失う物は何もない。
第一戦のPSVをみれば、寄せの甘さこそあったものの、
タフなチームなのは明らかだった。

ミランを救ったのは、アンブロジーニ。
マルディーニ、コスタクルタを除けば、在籍10年になる最古参だ。
ハッキリ言って二流以下のプレーヤーだが、得点力は高い。
いつの間にか前線に進入し、ヘディングシュートを決める。
ここ数年、ガットゥーゾの加入などで出場機会が極端に減っているが、
アンチェロッティにとっては貴重なカードだ。
トータルスコアで2−2に追いつかれた後のゴールは、
まさに彼の持ち味が発揮されたもの。
前回のトマソンといい、控え要員が結果を出すのは、
チームの雰囲気がいいからだろう。
結果的に、それで危ういゲームを凌いだのだから、
やはりミランは強いということになるのか・・・。
苦しい日程は百も承知だが、
それでもファンとしては、消極的な姿勢を見せられるのは嫌なのだが。

来季のPSVについては、少し心配だ。
ファン・ボメルの移籍は既定路線で、
両韓国人だってどうなるか分からない。
監督のヒディンクだって、お呼びがかかることだろう。
(例えば、イルレタが辞めるならデポルとか、面白いかも)
資金力で強豪にかなわないクラブは、
若い選手を見つけて育て、強いチームを作り上げるしかない。
しかし、優秀な成績を収めた結果、選手は買われていってしまう。
それが経済の論理といえばそうだろうが、
金のために良いチームが壊れるのは寂しい。
守備力だけを維持したチームになってしまい、
国内では後ろ指をさされるのではあるまいか。
現有戦力を維持したままのPSVが、
来季のCLでいったどこまでやれるのかは、
ファンならずとも見てみたいところだが。

それにしても、コクーは素晴らしい。
彼がバルサに残っていれば、どうなっていただろう。
パスの技術は今ひとつだが、守備に関しては屈指のユーティリティプレイヤーだ。
あれでまともなクロスが上げられれば、本当に無敵だけど。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
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