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2005年8月 9日 (火)

4人の新戦力と埋まらぬ弱点ーーミランの補強

今季のミランの新戦力だが、すったもんだの挙げ句、実績ある4人を手に入れた。いち早くヤンクロフスキーとフォーゲルをゲットしていたわけだが、ここに来て念願のジラルディーノ、そしてまさかまさかのビエリまで獲得。初めはいかにも無難な補強だったはずが、急転、噂のタネをばらまくことになった。

ヤンクロフスキーは、今や左サイドのスペシャリストである。左であれば、とりあえずディフェンスも中盤もこなせる。そのまま考えれば、左サイドバックのレギュラーとなるだろう。
このポジションは、かつての世界最高の左サイドバックを失って以来、未だ定着していない。本来ボランチであるカラーゼは、ろくなクロスは挙げられず、獲得当初は活躍したパンカロも、ケガに見舞われて以降奮わず、放出とあいなった。昨季は、本職?のマルディーニが努めるケースも多かったが、お世辞にも機能していたとは言えない。そう考えてくれば、即戦力の無難な補強だったといえるだろう。実際には、カラーゼのチェルシー行きがほとんど決まりかけていたこともあったため、クラブも早々と手を打っていたと思われる。

フォーゲルは、PSVからの移籍。昨季のPSVの好調を支えた中盤のプレイヤーだが、どうにも胡散臭い。今、ミランが最も必要とするのはピルロの控えであり、タイプ的にフォーゲルはいかがなものだろう。そもそも、今回放出したドラソーのケースに近い気がしてならない。どこで使うかわからないままに獲得し、結局、大した活躍もできずに手放すーーしかも、「シモーネがフランスリーグで最もうまい選手と言っていた」なんてオーナーの発言もあった。こうしたやり方は、選手にもクラブにもいい結果をもたらさないと思う。ドラソーもフォーゲルも地味なれど素晴らしい選手なわけで、「金満クラブの無駄使い」を言われたら返す言葉もない。

ジラルディーノについては、今さら紹介する必要もあるまい。現在、最も期待されているイタリア人FWである。昨季からミラン移籍の噂は絶えなかったが、例によってユーベの横やり(モッジの嫌がらせ?)などを経て、めでたく獲得となった。しかしまあ、本人が「ミラン以外には行かない」みたいなことを口にするのは、どうも耳障り。仮に本気でそう思っていたとしても、誰かが言わせてるわけでね。

しかし、最も驚いたのはビエリの加入である。さしたる予兆もなく、あっという間に決まったこの話。結局のところ、インテルがビエリの放出を決定し、あっという間にミランがかっさらった。アドリアーノの加入により、完全に影が薄くなっていたわけで、インテルとしては、彼の高すぎるサラリーがパフォーマンスに見合わないと判断したということだろう。ただし、実際にはミラン行きを知っていた上での契約解除と思われる。そうでなければあり得ない話だ。サラリー維持のまま、契約はミランへというのが本当のところだろう。それはまあ、リバウド獲得を思い出す経緯でもある。あの時、恩を売ったはずのバルサからは、未だに何も得ていないし。

しかしまあ、思い起こせば、すでにトマソンの放出が確定的になっており、クレスポの引き留めはできず、もしかしたらジラルディーノも穫れないという状況下で起きたマジックだった。そりゃまあ、ピッポやマルディーニと仲が良いのは事実だろうけど、それで移籍が決まるわけないでしょ。そんなことがあり得るサラリーではないよ、ビエリは。いずれにしても、シェフチェンコ、ピッポ、ジラルディーノ、ビエリというFW陣はあまりに豪華であり、出場機会に恵まれない者のモチベーション低下、それに伴うメディアの大騒ぎが懸念される。

総括すると、やはりピルロの代役が穫れなかったことが厳しい。ここ数年、最大のウィークポイントになっているはずなのだが、彼に見合う人材を穫るという噂すら聞こえない。確かに、あれほど長く正確なパスを供給できるボランチというと、多くの名前は出てこないわけだが、それでもピルロがいるといないでは全く違うチームになってしまうのも事実。いない時は全く違う戦い方を志向するというのもあり得るはずで、この辺は、当然のように続投が決まった監督人事も含め、甚だ疑問である。

さらに、もう一つ言っておきたいのが、年齢の問題。未だにマルディーニがいるのだから、年齢を理由に売り飛ばしにくいのかもしれないが、それにしても平均年齢が高すぎる。若手と言えるのはカカとジラルディーノの2人だけ。そもそも、カカは即戦力ではなく、ルイコスタの控えとして獲得した選手である。チームは、ベテラン層と長期契約を結んで安心させる戦略を採り続けているが、いい加減、見直すべき時期に入っている。将来、多額の移籍金を取って売り払える保障がない選手に、そうまでする必然性はない。もしかすると、UEFAがCLの登録メンバーに在籍年数で縛りを入れようとしている動きと関係あるのかもしれないが、それにしたってどうかと思う。

ビエラを獲得したユーベは、間違いなく強いよ。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
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