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2006年2月19日 (日)

小笠原、小野、村井のトリオはこれっきり?

 フィンランドは、できそこないのイングランドだった。アグレッシブさのかけらもない守備は、日本にとってはやりやすい相手だったといえる。小笠原、小野、村井のバランスはすばらしく、日本は終始、攻撃をリードした。結果も内容も合格点といえるものだったが、この3人が再びピッチに揃うことはあるのだろうか。小笠原が中村に、村井がアレックスに代わって、あのバランスが生まれるとは思えないのだが。

 監督が代わって1カ月という相手は、アメリカとはまったく異なる消極的なチームだった。中盤をフラットにした4-4-2は、見慣れたイングランドスタイルではあるものの、実際には8人で自陣を固める守備的な戦術で、プレスを仕掛けてくるのは日本が自陣に入ってから。リトマネンを初めとした主力選手の来日見送りが響いているのか、攻撃の方もパッとしない。彼らの目標はしょせん4年後で、これからW杯に臨む日本とはあまりにも状況が異なる。メディアに友好的な発言を繰り返したホジソン監督の余裕は、つまりそういうことである。

 そんなわけで、日本は自陣でボールを回すに苦労せず、攻撃の切換えに戸惑うこともなかった。小野は存分にボールをさばくことができ、加地と村井は余裕を持ってオーバーラップを繰り返した。彼我の強弱を問題にする以前に、日本にとってはやりやすい相手だったといえる。

しかし、自陣以外でプレスを仕掛けない戦術は、ヨーロッパではトレンドでもある。フィンランドのように、予選突破がステップではなく至上命題である国にとっては、なおさらだ。アンドラやサンマリノ相手にしっかり勝ち点を稼ぎ、予選突破本命の強豪には負けない戦いを挑む。いくら英雄とはいえ、30歳代半ばのリトマネンを頼みにせざるを得ない台所事情が、それを雄弁に物語る。

それでも2-0の勝利は悪くない。トップ下に入った小笠原と、ボランチに入った小野のバランスは非常に良かった。小笠原がスペースをつくり、そこへ小野が飛び出していく形は、中村と中田のコンビではみられないものである。もっといえば、ボールを失いかけたときの小笠原のがんばりも、見逃せない。脚が届く範囲であれば、ファウルを覚悟で止める。ボランチが攻め上がらねば攻撃にならない以上、こうした点は高く評価すべきだろう。

また、何より、村井の動きはすばらしかったと思う。守備では小野の裏をケアしながら、長い距離を走って攻撃にも貢献した。アレックスではこうはいくまい。ジーコは間違いなく選ばないのだろうが、小笠原、小野、村井のバランスには大きな可能性を感じた。

そしてもう一人、巻の活躍についても触れねばならない。タイプが似ている彼と久保の2トップはミスマッチに思えたが、豊富な動きで前線をかき回したのは想像に難くない。テレビでは必ずしもみえないのだが、前半終了時の憔悴ぶりはそうでなくては説明がつかない。8人で守る相手に対し、あれだけ攻撃が機能したこともそれを裏付けるだろう。ヘディングの技術を自負する男が走り回ってくれるのは、ジーコにとってもありがたいことだ。

そうそう、なぜ長谷部を使わないのかは、まったくわからなかったが。

 気になるのは、今後の日程である。今回、フィンランド相手にうまくいったことで、これから始まるアジア相手の戦いでもアメリカ戦と同じことを続けるのではないかということ。フィンランド戦では、相手が自陣に閉じこもり気味だったこともあり、多少ながらも高い位置でのプレスを試みた。しかし、その大きな理由となるのが、トップ下にそれができる小笠原が入ったことと、左サイドが村井だったこと。この2つのポジションが中村とアレックスに置き換えられたとき、果たして日本は機能するのか。いいかげん、海外組の有無によって選手を出し入れするのも無理がある段階に入ってきた。11人全員とはいわないが、誰の目にも明らかなようにある程度はレギュラーを固めるべきだろう。「いや、だからとっくに決まってんだ」と神様に言われそうな気もするが、それはやめてくれと言ってんだよな、ワタクシは。

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  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
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