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2006年7月13日 (木)

加藤望の夏休みは終わりにしてほしい

 湘南ベルマーレのベテランMF加藤望は、現役生活の危機を迎えているのだろうか。一貫して加藤を重用してきた上田栄治監督の辞任は、加藤のレギュラーポジション剥奪と、期待の若手・中町公祐の起用をもたらした。絵に描いたような新旧交代劇となっているのだ。今のところ。

 柏レイソルから移籍してきた昨シーズンから不動のレギュラーとして遇されてきた加藤だが、2005年に比べて精彩を欠いていたのは確かで、特にクロスの精度が落ちていたのはスタンドからも実感されていた。チームの不振、監督交代という停滞ムードを払拭するために若手選手を起用するのは当然の成り行きだった。

 加藤望に代わって先発起用されるようになった中町公祐はクレバーな印象があるし、そのプレーにはどことなく華がある。うまいボレーシュートや、小器用なプレーだってできる。ベルマーレ期待の若手の1人であることに疑いはなく、サポーター達は、このまま順調に育ってほしいと願っている。
 だがしかし、中町公祐のプレーは先発起用の期待に応えているとは言い難い。
なんといっても、自力で事態を切り開こうという意図が薄いように見える。1対1で相手を抜きにかかることはないし、草津戦では審判に笛を吹いてもらうことばかり考えているように見えた。札幌戦では、ペナルティエリアで味方選手のスルーによって、1人余った状態でボールを受けたのに、FW横山聡を走らせようと足先だけ動かしてパスを出したシーンが観客の溜息を誘った。
 ディフェンス面では存在感が薄く、積極的なチェイシングをしているようには見えない。少なくとも逆サイドのMF坂本紘司に比べて目立っていない。イエローカードをもらう場面も、危ない局面をつぶすアグレッシブさというよりは、コースをふさがない足だけの守備が原因という気がする(これは根拠薄弱な印象批評)。ディフェンスを見る限り、とてもボランチの控えを務めてきた選手とは思えない。佐藤悠介を欠いた草津戦で坂本がボランチに起用されたことを見ると、中町の右SH起用はボランチ失格というベンチの判断を窺わせる。

 そういうわけで私は中町のプレーに苛立っているのだが、それについて「ファンタジスタ気取りかよ」とか、「ここはグラスゴーじゃない(10人の屈強なブルーカラーに囲まれているわけではない)」などと言うつもりはない。言いたいことはただ1つ。

 加藤望に代わって出場している意味をかみしめてほしい。

 キックの精度があろうとなかろうと、加藤望を見ていて感心するのは運動量だ。チーム全体がへばった時間帯に最前線でボールを追い回す最年長選手の姿を見れば、他の選手も奮起せざるをえない。そんな加藤望を差し置いて出場しながら、最年少の中町はへばっている。FW石原直樹が攻守に走り回り、ボランチのニヴァウドが要所要所で相手に身体をぶつけて守っているから、中町のへばり方は目立つ。
 加藤望と同等以上のプレーを見せ、なおかつ、加藤にはない輝きをも見せてほしいと考えるのは、見る者の当然の要求だ。世代交代をする以上、同じクラスの選手の入れ替えではなくスケールアップであってほしいと望む権利を、私は主張する。単に加藤の衰えによる選手交代なのであれば、中町の起用にこだわる理由はなく、たとえば北島義生であってもよいのだから。

 辛辣に言い切るが、現状では中町のパフォーマンスには失望を禁じえない。「期待が大きいだけになおさらだよ」などという一言を加えることにも躊躇する。
 ベルマーレに限らず、「期待の若手」が期待通りに成長することは多くない。今までにも多くのホープに裏切られてきたものだ。だから、多少の衰えが見えても、根性のあるベテランへの信頼を簡単に捨てる気にはならないのだ。
 加藤望には早く調子を戻してほしいと大いに希望する。

【補足】昨日の水戸戦では中町はSB起用だったらしい(守備を捨てるのか?)。にもかかわらず加藤望はベンチスタートだった。加藤望に代わって中町公祐という図式は崩れたが、かえってベンチの信頼を失っていることを示しているのではないか。復活までには時間がかかりそうだ。

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  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
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