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2006年11月 5日 (日)

渋いユタ・ジャズの復権は近いか

 ストックトン&マローンが去ってから低迷が続いていたユタ・ジャズだが、2006-07シーズンには希望が持てそうだ。開幕3連勝という結果以上に、フェニックス・サンズ戦におけるプレーの内容が目を引いた。
(2006年11月3日 フェニックス・サンズ104―108ユタ・ジャズ))

 ジャズは今年もアンドレイ・キリレンコの孤軍奮闘なのかと思っていたが、そうではなかった。このチームの中心にいるのはカルロス・ブーザーだ。インサイドでハードワークをこなした上で得点も稼ぐこの選手は、フィラデルフィア時代のチャールズ・バークレーを髣髴させる(褒めすぎか?)。体格は劣るものの、鋭い眼光が印象的。この日は、ショーン・マリオンやカート・トーマスを圧倒して存在感を見せつけた。
 ブーザーのおかげでセンターのメメット・オカーもキリレンコも負担が軽くなっているし、2年目のガード、デロン・ウィリアムズはすっかり中心選手になっている。ベンチにはレイカーズの栄光を知るデレク・フィッシャーがいるし、この日見た感じではマット・ハープリングやジリッチ(と読むのか? Gordan Giricekというクロアチア人)も戦力になりそうだ。
 選手構成もさることながら、ヘッドコーチであるジェリー・スローンの手腕も見逃せない。スクリーンを使ってフリーの選手をゴール下に飛び込ませるセット・オフェンスの組立ては見事にチームに浸透しており、カール・マローンのようなスペシャルな選手でなくとも得点をあげられるようになっているのは、さすがというほかない。

 この日のサンズ戦では、時折鋭い速攻を見せて切換えの多いトランジション・ゲームに持ち込もうとするサンズに対して、じっくりとセット・オフェンスを作る粘っこい試合運びでペースをつかむ渋いゲーム・プランを実行し、一時は15点離されていたのを追いつき、逆転した。
 前述のようにブーザーが利いていたのだが、サンズのインサイドはひどすぎた。特に、アマレ・スタウドマイヤーの復調が遅れているようで、マリオンとトーマスに過大な負荷がかかっているのかもしれない。アマレの低調ぶりは、ちょっと悲しくなるほどで、ダイナミックさのかけらもなかった。表情もうつむき加減で、似合わない口髭のせいでアラウージョ(2005年、ガンバ大阪)に見えるし、とにかくもう散々だった。このまま故障持ちの平凡な選手になってしまわないよう祈るばかりだ。

 私はサンズのランニング・バスケットを高く買ってはいるが、だからといってそういうチームばかりではつまらない。セット・オフェンスでジリジリと差をつけるチームも好きで、スパーズ以外にもそういうチームが欲しいので、ジャズがこのまま復権を果たすのは歓迎だ。それに、世界選手権で立証されたのは、イケイケドンドンのアメリカン・バスケットボールがそのままで通用するわけではないということなのだから、チーム全体で遅攻を組み立てるヨーロッパっぽい(アルゼンチンでもいいが)チームが存在することは、アメリカにとっても望ましいことだと思うのだ。
 ヨーロッパ型といえば、今のジャズの中心選手は、キリレンコがロシア出身、オカーがトルコ、さらにクロアチア人もいる。ソルトレイク・シティがアメリカ人受けしない(バークレーは確か、夜の8時にはレストランが店を閉めると文句を言っていなかったっけ?)のならば、外国人を上手く活用するのが、ジャズの生き残る方法なのかもしれない。ただの思いつきだが。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
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