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2006年12月17日 (日)

ジャーンと佐藤悠介がベルマーレのセットプレイを立て直す

 2005年の開幕戦、試合開始早々に加藤望が決めた直接フリーキックは、一瞬リアクションに困る予想外の出来事だった。なにしろ、湘南ベルマーレの選手がフリーキックを直接ゴールするのは2002年の第42節以来、リーグ戦では実に90試合ぶりのことだったから。
 その加藤望と佐藤悠介の加入は2005年のベルマーレのセットプレイを著しく改善し、成績の向上に貢献した。今年もすっかり安心しきっていたのだが、終わってみれば、2006年終盤にはベルマーレのセットプレイはガタガタになっていたのだった。

 2000年以降のベルマーレについて、FKを直接決めたゴールとキッカーをまとめると、
  2000年 なし
  2001年 パラシオス2本、栗原圭介1本
  2002年 パラシオス2本
  2003年 なし
  2004年 なし
  2005年 加藤望2本、佐藤悠介4本
  2006年 加藤望1本、佐藤悠介2本
となっている。こうして見ると、加藤望と佐藤悠介という左右両刀の威力が歴然とする。

 ところが、直接ゴールに限らず、セットプレイを起点にした得点についてまとめると、
  2000年 FK5 CK7 合計12(90分当たり0.29点)
  2001年 FK7 CK4 合計11(90分当たり0.24点)
  2002年 FK4 CK5 合計9(90分当たり0.20点)
  2003年 FK3 CK4 合計7(90分当たり0.16点)
  2004年 FK7 CK3 合計10(90分当たり0.23点)
  2005年 FK9 CK3 合計12(90分当たり0.27点)
  2006年 FK6 CK6 合計12(90分当たり0.25点)
という数字で、どん底(確かに2003年はセットプレイで得点の匂いがなかったなあ)は脱したものの、突出して優れた数字というわけではない。

 そこで次に、セットプレイを得点に結びつける確率を見ることにする。手元にある資料でその近似値を得るために、次のような計算をした。
「セットプレイを起点にした得点÷(CK+直接FK+間接FK-オフサイド奪取数)」
 仮に「純粋セットプレイからの得点率」とでも名付ける。オフサイドで得た間接フリーキック以外のセットプレイのうち、ゴールにつながった率を出すという意図だ。
  2000年 1.43%
  2001年 1.18%
  2002年 0.90%
  2003年 0.70%
  2004年 1.05%
  2005年 1.28%
  2006年 1.07%
 ちょっと意外なほど2006年の数字が低い。セットプレイの数が増えた(これは評価できる)のにゴールが2005年並にとどまったのだから当然の帰結なのだが、詳しく見ると、事態はもっと深刻だ。
 2006年には、33節の東京ヴェルディ戦までは好調だったのだ。その試合までの「純粋セットプレイからの得点率」を見ると、1.79%と高率であるし、セットプレイからの得点は90分当たり0.40点である。
 ところが、34節以降の18試合では大ブレーキがかかった。この18試合、セットプレイからの得点はなんと0点だ。

 FKから直接ゴールに叩き込めるキッカーを擁しながらこの結果とは、どうしたことだろう?
 ターゲットの不在が原因ではないかと疑われる。26節に梅田直哉が負傷して戦列を離れているし、シーズン序盤にセットプレイから3点をあげたアジエルに対するマークも厳しくなったのだろう。ターゲットマンとしての役割が期待されたフラビオが不発で、松本昂聡も印象に反して(私はセットプレイ時のファーストオプションは松本なのだと認識していた)1点しかあげていない。
 そう考えると、FKからの直接ゴールが2005年に比べて減ったことにも説明がつく。2005年にはバリシッチや柿本倫明、梅田直哉の存在が相手にプレッシャーをかけていたということなのだろう。

 このような状況の下で、ベルマーレはFC東京からDFジャーンを獲得した。2006年のJ1でセットプレイから3点をあげたジャーンは、ベルマーレのセットプレイを再び活性化するキーマンであろう。
 あとは佐藤悠介が残留すれば、かなり計算が立つのだが…(佐藤悠介の価値はセットプレイのキッカーというだけではない。これについては別途述べたい)。

注:
本稿のデータは湘南ベルマーレ公式サイトをもとにしているが、やや怪しい。たとえば2006年第14節のアウェイ仙台戦、後半ロスタイムに佐藤悠介のFKから加藤望が決めた得点は、「試合日程・結果」ではFK起点とされていない。まあ、この1点を加えた場合の数値の違いは、
・セットプレイ起点の90分当たり得点0.25点→0.27点
・「純粋セットプレイからの得点率」1.07%→1.16%
・33節までのセットプレイ起点の90分当たり得点0.40点→0.43点
・33節までの「純粋セットプレイからの得点率」1.79%→1.93%
と、文脈には影響がない程度のものではあるけれど。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
    高スポの陰の支配者。湘南ベルマーレを愛する先天性ジャパニーズ。

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