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2007年1月28日 (日)

トヨタはバスケでも中位力炸裂?

 これだけのメンバーを揃えながら、この程度のバスケしかできないのか。今日の1試合だけで判断するのなら、そう言わざるを得ない。トヨタ自動車アルバルクといえば折茂武彦に棟方公寿、さらに若手の渡邉拓馬、桜井良太がいて…というのが私の持つ古臭いイメージなのだが、現在のチームには山田大治がいるほか、古田悟、高橋マイケル、佐久本智を他チームからも集めた、新旧の日本代表選手が集結したオールスター・チームなのである。それなのに…。
(2007年1月27日 東芝ブレイブサンダース79―77トヨタ自動車アルバルク 秦野市総合体育館)

Pickoff_1  東芝は、丹念にスクリーンを使って相手マークマンを外したり、ミスマッチを作ったりしていくチーム・プレーが健在で、私にとっては「いつもの東芝バスケ」であった。
 前半には私が支持する伊藤俊亮(#34)がローポストで1対1を攻め切る場面が2回ほど見られたし、節政貴弘(#8)の味のあるドライブあり(こういうプレーは若い頃にもしていたっけ? と感じた)、北卓也(#51)のとんでもない体勢からの3ポイントもあった。さらにジャメイン・ウォーカー(#2)がやりたい放題の大暴れで、シーズン中の通算成績を見る限り、「出来すぎ」だったのだろう。
 そういった個人の輝きを見せる場面もあるが、全体の基調としてはチーム・プレーを前面に押し出したゲームメークで、評価されるべきチーム作りではあるけれど、プロ化をめざす日本バスケ界のトップ・チームとしては物足りないと私は考えている。こういうチームがあってもよいが、トップとしてはリーグ全体の起爆剤になる派手なチームが欲しいからだ。
 
 トヨタは、選手の集め方を見れば「トップ・チーム」を志向していることは明らかだ。そういう志の高いチームには厳しい目で判断するのが礼儀なのだと考えている。そしてその結果が「この程度のバスケしかできないのか」である。
 特にこの日の前半はひどかった。相手のスクリーン・プレーに振り回され、ゴール下の1対1では押し込まれた。オフェンスでも、個々のシュート力の高さで「繋いで」いただけで、チームとしての崩しはほとんど見られなかった。そして、どんなにひどい流れでもベンチはタイム・アウトをとろうとしなかった。無能なのか、「自分達で流れを引き戻せ」という暗黙のメッセージなのか(フィル・ジャクソン気取りかよ)、はたまた東芝がタイム・アウトをとってくれたからその必要がなくなったのかもしれないが。ともかく、無為無策のまま前半を終えた。
 122zone_1後半になると、トヨタ・ベンチのこの日唯一の策が的中する。1―2―2のゾーン・ディフェンス(写真参照。黒ユニフォームがトヨタ、白が東芝)で、トップの「1」がフロント・コートから相手のボール運びにプレッシャーをかけて、ペースをつかんだ。一時は逆転したものの、東芝も徐々にこのディフェンスに慣れ、2列目の「2」の間、サッカーでいう「バイタルエリア」に選手を飛び込ませることで活路を開いた。ランディー・ホーカム(#23)がポストでの強さを発揮し、カットインしてくる味方選手も有効に使った。
 終盤にはゾーン・ディフェンスを諦め、通常のマンツーマンで対処しようとしたが、東芝の両外国人選手を押さえきれずジリ貧状態。残り14秒で2点差を追いかけるというシビれる局面になったものの、素人目にも折茂の3ポイントを警戒すれば…という感じで(ボックススコアを見ると、この日のトヨタは折茂(#9)が2本中2本を決めただけで、他の選手は11本の3ポイントを打って1つも決めていなかった)、ボールは節政の手に渡り、その節政は時間稼ぎのために逃げ、ファウルされそうになったところで中途半端なパスを放り(ファウルされたほうがマシ)、こともあろうにトヨタのルイス・キャンベル(#1)の手元にボールが行った。残り1秒を切った状態でキャンベルは3ポイントを放るが外れ、なんだかグダグダに試合終了。

 昨シーズンのトヨタはドロン・パーキンズというポイント・ガードの選手を軸に優勝した。外国人選手枠はゴール下のリバウンダーとポイントゲッターに当てるのが常道となっている中で、ポイント・ガードに外国人選手を連れてきたのは、古田や高橋マイケルの存在があったとしても野心的であった。今シーズンもそれを踏襲してキャンベルがポイント・ガードを努めている。
 そこに期待を込めていたのだが、この日は期待外れ。マッチアップする日本人ポイントガードが小さいからといって、ポスト・アップしてばかりでは、本来の魅力を発揮できないだろうに。なんだか志が低くて、セコいなあと感じてしまった。

 トヨタに対する文句ばかりを言っているようだが繰り返す。「トップ・チーム」の責任を、ヘッド・コーチも、個々の選手も自覚してもらわないと困るのだ。有名選手を集めて、「バスケ界の浦和レッズ」に近い存在になっているのだから、それなりの試合を常に見せるべきなのだ(チケット料金もベルマーレ戦より高いし)。
 今日のような試合をしているようでは、「やっぱりトヨタお大尽。バスケ界のグランパスエイトとして、中位力を発揮しているねえ」などと言われるよ。

 佐久本も折腹も出番がなくて時代の流れを感じたけれど、試合自体はつかず離れず、何度かの逆転ありで、面白かった。
 ゲーム運営については、旧態依然とした応援合戦とか、名ばかりのホームタウンとか、スローモーな○○とか、思うところはあるのだけど、それらは新リーグに向けて別途まとめたい。

 ボックススコアはこちら(JBLは古い記録に価値を置いていないようなので、秋には見られなくなっていることでしょうけど)。

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  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
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