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2007年4月29日 (日)

湘南サポが見せた大人なブーイング

 モンテディオ山形には感心させられる。予算規模もそれほどでなく、主力選手の入れ替えが頻発し、それどころか監督までもが引き抜かれていくというのに、新しい選手と経験の浅い監督でありながら、毎年それなりの成績を残しているのだから。今年も、私の予想を尻目に好調な試合を続けている。
 言い訳するわけではないが、私だって本気で山形が最下位になると思っていたわけではない。そこまで悲観的に見ていたわけでも、侮っていたわけでもない。けれど、J2経験が長くなった者として、「水戸ちゃん」を最下位に予想するような、下品で浅ましく、はしたない行為はできなかったのだ。
(2007年4月29日 湘南ベルマーレ0―4モンテディオ山形 平塚競技場)

 勝ち点18で並んだ両チームの対戦であったが、点差は関係なく、山形の完勝であった。
 組織的なディフェンスは固く、湘南は両サイドともに攻撃の目を封じられ、中央でアジエルが個人技を使おうにも、きっちり2人がかりでマークして、ほとんどクリーンにボールを奪っていた。
 攻撃では、山形の長身FW豊田陽平がセットプレイで存在感を示すだけでなく、湘南DF陣の間を左右に動いてギャップを作ろうとしていたのが目を引いた。湘南左SB鈴木伸貴の裏をねらうシーンもたびたびあり、斉藤俊秀でもすべてをカバーすることはできなかった。
 先制点はまさにその形で、豊田が湘南DF松本昴聡と村山祐介の間で嫌らしいポジションを探っているその背後で、湘南の左サイドを抜け出してGKとの1対1を決めたものだった。松本は豊田を気にしてカバーに入れなかったのではないのかな。
 リードした後も山形は手堅い試合運びで、2点目を奪った後は前がかりになった湘南から追加点を奪って試合を終えた。いやもう、付け入る隙がなかった。

 最近の4連勝で薄らいでいたのだが、今日は課題を挙げておく。
 まず、ミドルシュートがない。坂本紘司が意表を突いたロングシュートを放ったほかは、ミドルレンジのシュートはなかったように思う。すべて細かなパス交換にしてしまい、アジエルが絡むのでそれなりに脅威ではあるが、それにしたって誰かシュートを撃てばよいのに(とサポーターの嘆息を誘った)。
 次に、2トップが機能していない。外池大亮がポストでボールを受けて、という形が効いたのは、後半に1回あっただけではないか(外池がポストから出したパスに石原直樹が抜け出してファールを受けたシーン)。それより何より、レオナルド不在、木村誠の負傷、という状況でDFラインに不安があったであろう山形であるが、そこへの揺さぶりがなかった。山形の2トップと比べると運動量が少ないのは一目瞭然だった。外池は中央でポストプレイの機会をうかがい、石原直樹は終始一発狙っていた(ように見えた)。DFラインにプレッシャーをかけたり、マークのずれを誘発するような動きは少なかったのではないか。
 アジエルや加藤望がパス交換からゴール前に抜け出すプレーを好んで企図するのであれば、外池は生きない。石原をエースとして遇し、汚れ仕事を軽くするというのなら、石原の相棒はディフェンスに駆け回る選手にすべきだろう(これは遠まわしな石原への不満表明です)。

 湘南のDFでは、ジャーンの不在が大きいのは当たり前で、そう簡単にカバーできるとは思っていない。わかっていたこととはいえ、前途多難だ。松本は途中から、持ち味である前へ出てのインターセプトを見せたのは評価したいが、斉藤との役割分担を考えると、相手FWとの競り合いできっちり勝ってもらいたい。村山祐介は、ボールの奪われ方が良くないというのは一目で分かるが、それよりも気になったのは、前半のプレー。相手のクロスがゴールラインを割ると見て一瞬気を抜き、相手選手にボールを奪われたシーン。あれは「気の抜けたプレー」と言うほかない。ムラ様ファンの私といえども、あれはフォローできない。
 GKの金永基は、スーパーセーブもあるが、開幕戦から課題は一貫している。飛び出すか、残るかの判断が危なっかしいということだ。オーストラリア戦の川口能活を髣髴させる飛び出し(そしてボールに触れない)が多い。今日の1点目についても、失点は致し方ないが、あそこは飛び出すべきだったろうと思う(相手選手がボールを保持して落ち着いた時点で勝負ありなので、慌てさせるべきだったのではないか)。

 実は今日一番印象に残ったのは、試合終了後の湘南サポーター(7ゲートの人々)。試合終了にもかまわずチャントを歌い続け、選手が挨拶に来ても構わず続け、選手がピッチの反対に去ると「ベルマーレ」コールを繰り返し、その後で沈黙した。
 選手達には通じているだろうが、あれは穏当な形をとったブーイングだ。バス囲みや生卵投げのような過激な行動よりもよっぽど、サポーターの心情が伝わったと思うのは私だけだろうか。繰り返すが、選手達は分かっているだろうね?

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
    高スポの陰の支配者。湘南ベルマーレを愛する先天性ジャパニーズ。

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