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2007年6月19日 (火)

ベルマーレを赤子のように褒めるのはもうやめだ

 鳥栖イレブンはキックオフから飛ばしていた。13:00キックオフの炎天下でのゲーム、鳥栖が中3日なのに対して湘南は1週間ぶりの試合、といった条件を考えると、やけっぱちなのかと思われた。しかし、後先考えないような「ひたむき」なプレーこそが鳥栖の復調を支えているのだろうし、昨年の好調時もこんな感じだったような気がする。
 対する湘南は、大人の対応だった。ちょっと憎らしいほどに。
(2007年6月17日 湘南ベルマーレ4―1サガン鳥栖 平塚競技場)

 鳥栖の中でもFW藤田祥史の運動量は際立っていた。裏を狙って斜めに走りこみ、楔のボールに競り合い、ボールを奪われても激しくチェイスした。「行けるところまで飛ばす」覚悟の動きに見えた。その藤田の先制ゴールは、運を感じさせなくもなかったが、鳥栖イレブンの積極的な動きが引き寄せたゴールだったといえるだろう。湘南の選手もボールに足を出していたが、ルーズになりかけたボールがことごとく鳥栖有利に転がったのだ。

 先制を許しても湘南に慌てる気配はなかった。後半勝負とみてセーブしているかのように、急激なペースアップはせず、それでいて徐々にペースをつかんでチャンスを作った。前半終了間際には鳥栖は疲労感が漂い始めたものの無失点で凌ぎ、ハーフタイムで息を吹き返すかと思われた。
 ところが後半開始直後に湘南は3連続得点をあげる。後半2分にアジエルの突破から原竜太の同点弾、3分後に石原直樹の逆転弾、さらにその3分後にCKから斉藤俊秀による突き放し弾。鳥栖のゲームプランを一挙に崩壊させた見事な集中攻撃だった。鳥栖は交代枠を使い切って反撃を試みるが、交代出場の尹晶煥が負傷退場して10人になるアクシデントにも見舞われ、不発。湘南DFの安定ぶりが目立ち、ジャーンと斉藤に交互に身体を寄せられた藤田祥史も疲労困憊の様子。
 湘南は相手中盤が前がかりになったところを突いて次々とシュートを放つ。シュートするだけでなく永里源気がきっちりと4点目を決めてゲームを締めた。

 最近の湘南で課題となっている両SBについても合格点。右の田村雄三は、オーバーラップの距離こそ依然として物足りないが、弧を描くアーリークロスを何本か蹴ってチャンスを演出した。左の大卒ルーキー山口貴弘は、デビュー戦とは思えぬ素晴らしい出来。DFで不安を感じさせないばかりか、前後半ともに盛んにオーバーラップを見せて攻撃にアクセントを加えたし、クロスもまあまあ(左足から蹴ってほしいと感じた場面もあったが)。「どこにこんな秘密兵器を隠していたんだ」と、今まで起用してこなかったベンチに文句を言いたくなるほど、よかった。あとはFW梅田直哉の弾丸シュートが入っていれば湘南サポにとっては満足度90%になっただろう。
 100%にならないのは坂本紘司の負傷退場があったから。現時点では症状は不明だが、両脇を抱きかかえられて下がっていく姿は、さいたまスーパーアリーナで同じような体勢で去っていったパウ・ガソルを思い起こさせ、嫌な汗が出る(ガソルの負傷は…言わないでおく)。

 という次第で湘南の完勝だったのだが、手放しに褒めるのはやめておく。なんだかんだ言っても、日程に助けられたことは否めないのだ。
 もちろん、そうした追い風を生かせずにいたのが昨シーズンまでの湘南だったので、その意味での成長を褒めてもよいのだが、そろそろ、そのレベルで褒めるのはこのチームに対しては失礼なのかなと思い始めている。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
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