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2007年7月22日 (日)

湘南にとって痛恨の、愛媛にとって注文どおりのドロー、なのか?

 試合間隔の不利、アウェー、上位相手、前回対戦では大敗。そんな条件で平塚に乗り込んだ愛媛FCにとって、ドローという結果は注文どおりに見えなくもない。一方の湘南ベルマーレは、昇格争いの現状を考えれば勝ち点3が必須であっただけに、ドローという結果は痛恨のものと言えなくもない。果たしてそうだろうか?
(2007年7月21日 湘南ベルマーレ1―1愛媛FC 平塚競技場)

 台風の影響で、土曜日に予定されていた前節の試合が水曜日に延期された愛媛FCにとっては中2日の試合。予定通りに前節を消化した湘南ベルマーレにとっては中6日の試合。これだけでも湘南にとって大きなアドバンテージといえる。上位をうかがう湘南にとっては、この優位を生かして絶対に勝ちたい試合であった。
 長引けばジリ貧と考えたからかどうかは知らないが、愛媛は開始直後に積極的だった。前線から激しいプレスをかける。開始2分にボランチの北島義生を2人で囲みボールを奪うと、速攻から内村圭宏が見事にゴールを決めた。愛媛の出足は時間を追って鋭さを失っていっただけに、湘南としては凌ぎたかったところだ。
 6分後にその北島義生が同点ゴールを決めると、愛媛は開始直後の出足を取り戻すことはできず、試合は湘南ペースに。両サイドからクロスを入れてチャンスを多く得たものの得点できず。愛媛は前線に3枚(2トップに加えて中盤左サイドの江後賢一がウイングの位置取り)残しつつ、カウンターを狙う戦い方に切り替えたように見えた。実際、湘南CKのこぼれ球から逆襲して坂本紘司1人に対応させるシーンなどを作ったがチャンスは少なかった。
 この時間帯にゴールできなかったのが湘南には痛かった。愛媛の望月監督は残り10分頃から時間をしきりに気にしていたのだが、その姿が試合の流れを象徴していた。

 後半になると湘南はFW梅田直哉に代えて原竜太を投入。足元が滑るので故障上がりの梅田にリスクを負わせたくなかったのだろうか。いずれにせよ、足の止まりかけた愛媛に対して走り回ってかき回そうという意図だったろう。
 が、後半7分に湘南左SB尾亦弘友希が2枚目のイエローカードを受けて退場してしまう。抜かれた相手を引っ掛けたプレーで、文句のつけにくい判定だった(カードは厳しい、とは言えるかもしれないが)。どちらかというと前半14分の1枚目のイエローカードの方が不可解で、記録上は遅延行為とのことだが、オーバーラップのドリブルがラインを割ったシーンで、判定後に蹴り出したということなのだろうか? 1個だけのボールで試合をしている小学生でもないのにそれが遅延行為? 遠いメインスタンドからではまったく意味不明で、「審判に文句でも言ったのか」と理解していたのだが。

 数的優位を得た愛媛だが、ボールキープを最優先し、守備に重心をかけた戦い方は変えなかった。攻め込んだ局面、CKを得た局面でも後方に3~4人の選手を残して、アジエルをはじめとする湘南アタッカー陣への警戒を緩めなかった。1人減った湘南が北島義生を中里宏司に代えて「4バック復旧・1ボランチ」へとシフトしても、愛媛が「攻撃はサイドから」という姿勢を崩さずにいたので、斉藤俊秀のギリギリなカバーリングなどのヒヤヒヤする場面がありながらも、失点の匂いはしなかった。
 となると湘南は少ないチャンスから得点したいところだったが、無得点。石原直樹の走りこんでのやや強引っぽいシュート、永里源気の浮き球からアジエルのボレーシュートなど、見所はあったが実らず。

 愛媛にとっては開始前の目標だったろう「勝ち点獲得」を達成したことで及第点なのだろうか。数的優位を得ながらドローで満足とはいかがなものか、という気もする。下部リーグへの降格がない以上、ドローではなく勝利と目標を上方修正すべきだと思うが、試合内容を見る限り「あわよくば勝ち点3」という戦い方に見えた。まあアウェーだし、支援するスポンサー、自治体への体面上、とにかく負けないことにウエートを置く必要があるのかもしれない。これがJ2下位チームの戦い方といえば沈黙するしかないが、遠く平塚までやって来たサポーターの皆さんは納得しているのだろうか?
 湘南にとってはどうだろう。加藤望が言うように「どんな形であれ内容がどうあれ、勝ちたかった」というのは確かだが、後半の奮戦を見た後で外から選手に向かって「勝つべきだった」とは言いにくい。とはいえ私は、このチームを大人扱いすることにしたばかりなので「よくドローに持ち込んだ」とも言いたくない。ということで煮え切らない気分だ。この日は京都以外の上位チームが揃ってドローだったので、外的な要因で「最悪のドロー」とは言わずに済んだ。
 この日の結果で湘南にとって最も嫌なものは、次節の京都戦に尾亦が出場停止になることだろう。数度のオーバーラップはチーム全体を活性化していたし、特に前半30分頃の長躯前進にアジエルからのロングパスは、オフサイドになったものの、ここしばらくのCBを4人並べたディフェンスラインではなしえなかったダイナミックな攻撃で、非常に満足度が高かったのだ。この武器を失い、4バック引きこもりサッカーに戻るのであれば、まったく残念なことだ。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
    高スポの陰の支配者。湘南ベルマーレを愛する先天性ジャパニーズ。

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