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2007年8月17日 (金)

セレッソの有望若手達と拒点力

 早々に都並監督を更迭したセレッソ大阪は、クルピ新監督の下で着実に成績を残している。その象徴ともいえるのがFWの小松塁だろう。その長身だけでなく、ドリブルにも非凡なものを見せる小松はこの日、1トップとして起用されたが、湘南のCBジャーンと斉藤俊秀を相手にどこまでやれるのかが注目された。
(2007年8月16日 湘南ベルマーレ1—0セレッソ大阪 平塚競技場)

 セレッソの布陣は4—3—2—1に見えた。都並も用いたフォーメーションだが、起用される選手が入れ替わっているのがミソか。1トップに小松塁を起用し、その下に左が古橋達弥、右に濱田武。古橋がやや下がり目に見えたのだが、あるいは縦に並んだ2トップなのかもしれない。とにかく小松と古橋のコンビは脅威だった。小松は高さだけの電柱ではなく、足元の技術もあり、集められたボールを巧みにキープした。その周囲を古橋が嫌らしく走り回り、湘南DF陣を悩ませた。一方の濱田はあまり脅威ではなかった。湘南の左SB尾亦弘友希や加藤望が丹念に相対したせいかもしれない。
 セレッソの3列目は左から香川真司、アレー、宮本卓也だったか。とりわけ効いていたのが香川で、あるときは古橋と組んで、あるときは単独突破で、湘南右SB山口貴弘を翻弄した。
 全般的にセレッソの攻めは左サイドが効果的で、右サイドは低調であった。サイドバックの攻撃参加が少なかったので、前寄りの選手達の出来がそうだったということだ。

 前半は湘南が攻め込みながら、決定的に崩すことはなく、逆にセレッソのカウンターが脅威であった。小松が簡単にはボールを失わないため古橋が生きていたのだが、セレッソは全体的に、要所要所でミスが出ていた。前半の間は雨が降り続く蒸し暑いコンディションで、残り10分ほどは湘南の切り替えが極端に鈍くなり、私は早くハーフタイムに逃げ込みたいと願った。幸い、セレッソも同じ気分だったらしく、失点を免れた。
 雨がやんで気温の下がった後半には湘南の選手は生気を取り戻し、55分に加藤望の直接FKで先制する。
 しかし試合はすっかりセレッソペース。中盤の宮本卓也に代えてFW森島康仁を投入して2トップにすると、中央のポスト役を森島に譲った小松が左サイドに流れ、古橋や香川とともに湘南右SB山口を狙い撃ちの格好。こうなると右サイドも活性化し、途中投入された苔口卓也のドリブルも威力を発揮し、セレッソのシュートが雨あられと湘南ゴールを襲うが、決まらない。
 GK金永基のファインセーブや斉藤俊秀の鋭い読み、ジャーンの強さ、坂本紘司と北島義生の献身があった。さらにはベンチの采配で加藤望に代えて中里宏司を投入し、中里を右に配した3ボランチにして右サイドの守備をテコ入れしたことも挙げられる。しかし、それだけでは説明がつかない。湘南が無失点で切り抜けたというよりも、セレッソに拒点力があったと言う方がしっくりくる。古橋のCKからの(前田和哉の?)ヘディングシュートが枠に入らなかったときに確信したのだ。今日のセレッソには拒点力があると。

 まあ勝ったから笑っていられるが、セレッソの有望若手選手達は十分に脅威だった。そのキャパシティは見せつけられたと思う。試合前は小松塁についても「ジャーンと斉藤先生を相手に勉強して帰りたまえ」とか思っていたが、試合後にはそんな余裕はなくなった。ただ、それでも今日のような拒点力を発揮してしまうのは、若手偏重のチーム構成が原因という気がする。森島寛晃の不在というだけでなく、京都に貸し出してしまった徳重隆明あたりの重しがあれば違ったのではないか。

【今日のエドワルド・マルケス】
 なんだかブラジル人FWの本領発揮という感じのゲームだった。私は見ていて楽しんでいるのだが、どう評価すべきかは難しい。前半はボールを受けに下がってきて後半は前線に張っている、というのは徳島戦と同じだが、これでいいのかね。相変わらず疑問を感じる。
 今日は後半途中にバテバテな様子だった。が、ここからがブラジリアン・マインドなのだろうか。前線での守備はサボっていて、「もう代えるべきか」と思わせるのだが、カウンターのチャンスになると疲労感を感じさせつつも老獪なプレーを見せる。ゴール前の混戦でのシュートは「オマエ、本当は疲れてないやろ」と思わせる狙いすました一撃だし。
 とりわけツボだったのは右サイドに張って気配を消した場面。バックスタンド中央の緑と青の縞模様の前でカメレオンのように同化していた(メインスタンドから見たら消えていた! 間違いない!)。心得たアジエルがパスを出すまで気づかなかったよ。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
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