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2007年9月11日 (火)

今日こそ坂本紘司を褒めるとしよう

 今季の湘南の好調を支える坂本紘司を、ハッキリと褒めまくる機会が今までなかったのだが、遂にその時が来た。それどころか、今日の坂本のプレイは、チームのさらなる飛躍を予感させるものでもあったのだ。
(2007年9月10日 湘南ベルマーレ1―1東京ヴェルディ1969 平塚競技場)

 前半14分のフッキの先制ゴールは、まったく見事だった。ベルマーレが得た敵陣でのセットプレーからのカウンターでフッキが左サイドに飛び出し、ペナルティエリアで北島義生との1対1に持ち込む。中央に走りこんだ味方を使う選択肢もあった中で、フッキはシュートを選択。ほとんど1本しかなかったようなコースで見事にゴールを決めた。
 その後もフッキは再三にわたってドリブルでペナルティエリアに侵入し、それを2度倒したことにより、湘南DF田村雄三が前半44分に退場に追い込まれた。

 こうしてヴェルディが数的優位を持った状態で後半に入ったが、湘南視点でいうと、「いつかゴールできる」という感覚があった。前節からヴェルディは、ラモスお気に入りの4バックに戻したらしいが、CBコンビ(土屋征夫と戸川健太)がスピード不足に見えた。アジエルとエドワルド・マルケスの足技に翻弄される場面も多かったし、それ以上に湘南FW石原直樹とのスピード差は歴然としていた。さらに、2ボランチのうち菅原智はまだしも、大野敏隆のディフェンスにはつけいる隙があると思えた。大野のボランチ起用は私にとっては意外で、またしても名波が見られなかったわけだが、もしかすると何かアクシデントなのだろうか?
 ベルマーレ側のこうした感覚はヴェルディ側にも伝わったのだろうか。後半の早い時間帯からヴェルディの選手の中には「時間を稼ごう」という雰囲気が流れていた。特に飯尾一慶が担架で担ぎ出されたシーンは象徴的に思えた。いや、私はそのことで彼を「どこも痛んでないだろうが、ボケ! オネンネするなら家に帰れ!」といって罵倒しようとは思わなかった。むしろ、「さすが、空気読んでるな。このままじゃ失点するってわかってんじゃん」と感心したのだよ。
 そうはいっても、「ヴェルディだっていつか得点できそう」という匂いも濃厚に漂っていた。フッキ、ディエゴの2トップだから「気を抜いたらやられる」というのはもちろんのこと、飯尾の左SH起用は湘南右SB山口にプレッシャーをかけるという意味でクリティカル・ヒットで、その大外から上がってきた服部年宏のクロスも脅威だった。また、後半には湘南のダブルボランチがフッキやディエゴにひきずられてポジションを下げてしまうので、大野敏隆がフリーでボールを持つシーンが目立ち、これも不安材料だった。

 1人少なくなった湘南は、ハーフタイムで加藤望を下げ、DFラインの穴に松本昴聡を入れた。4バック―2ボランチ―3人の前線、という格好で、前線ではエドワルドが中央にいてアジエルと近い距離を保ち、石原直樹が反対サイドに位置した。金永基のビッグセーブなどでヴェルディの攻撃をしのぎつつ、アジ・エドのコンビを中心に攻める湘南という図式になった。
 エドワルドのポスト直撃弾などの惜しい場面を作り出して攻勢を強めた湘南の得点は後半ロスタイム、左サイドへ飛び出した坂本からのクロスをエドワルドがゴール前で合わせたゴール。再三の坂本のランニングが報われた。
 そう、この後半で特筆すべきは坂本紘司の八面六臂の活躍なのだ。ディフェンスではフッキ、ディエゴに目配りしながら相手選手にプレッシャーをかけ、攻撃時には最前線まで飛び出す動きを連発した。シーズン前半の好調時にも見られた「ダイナモ」な動きで、ベルマーレが大量得点したゲームではいつもこの坂本の飛び出しが効果的に決まっていたものである。そのダイナミックな活動量が蘇ったのだ。
 エドワルド・マルケス加入後の坂本は前線への飛び出しが激減した。エドワルドにキープ力があるので飛び出す必要がないのか、アジ・エドのためのスペースを空けるというチームの約束事なのか、エドワルドとプレーのタイミングが合わなかったからなのか、あるいは自身のケガの影響なのか。
 今日になって前線へ飛び出せたのはなぜだろう。ディフェンス面でリスクを負うゲーム展開だったからかもしれないし、前線にスペースが開いたからかもしれないが、一番望ましい理由を挙げておく。エドワルドのリズムを会得したからだ。

 湘南がエドワルド・マルケスを獲得した理由は、原・石原の2トップが頭打ちになっていたので、攻撃陣の再構成を図ろうとしたのだと、私は認識している。その再構成という観点では、坂本とエドワルドがフィットするというのは、本当に大きな一歩になるはずだ。エドワルド加入以後の湘南は、攻撃に関しては前の4人(プラス左SBの尾亦)で遂行するという感じになっていて、加入前に攻撃面で貢献の大きかった坂本が守備専任のようになっていた。坂本がシーズン前半のように攻守に活躍できるようになれば「再構成」によるアップグレードの成功といえるかもしれない。
 
【今日のジョージ柏原シアター】
 危うく審判が主役になりそうなゲームでした。
 J2のウブな選手とウブな観客にとって、普段は目にすることのないジョージ柏原シアターは刺激が強すぎます。まあ、来年J1に昇格するので、いずれ経験しなければならないのですから、前向きにとらえようとは思います。思いますが、とはいえ、次節の出場停止選手の多さを見ると笑えない。。。。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
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