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2007年9月23日 (日)

傷だらけのコンサ

 三浦俊也の魔法は解けた、と思いたいところだ。他サポとしては。J2の首位を独走してきたコンサドーレが3試合続けて完封負けをしたため、次節にも首位の座から転落する可能性が出てきたのだ。
(2007年9月22日 湘南ベルマーレ3―0コンサドーレ札幌 平塚競技場)

 8月19日に湘南に対してホーム初黒星を喫して以降、コンサドーレ札幌は調子を崩している。翌週は山形に1―0で勝利したものの、その後は、
 対水戸 1―2で負け
 対愛媛 1―1でドロー
 対徳島 0―3で負け
 対仙台 0―1で負け
 対湘南 0―3で負け
であり、最近7試合で「1勝5敗1分・勝点4・得失点差-8」と、完全に失速している。
 この7試合で2得点した試合はなく、3試合連続の完封負けであるが、今日のゲームを見ると攻撃よりも守備の破綻という印象が強い。札幌のこれまでの成績は堅守に支えられていたのだから。試合後の三浦監督のコメント「今シーズンで一番ひどいゲームだった」も、得点できないことよりも堅守が崩れていることを気にしてのものだろう。
 曽田雄志、ブルーノ・クアドロスの両CBを筆頭に、札幌の選手達は集中力が欠如していたと言われても仕方ないだろう。1点目はDF陣の明らかなミスによるものだったし、その後も、湘南の左サイド(尾亦弘友希や永里源気)からのクロスに対して原竜太や石原直樹がフリーでヘディングするシーンや、湘南のゴールキック1本で石原直樹が中央突破をしたりと、どうにも注意散漫に見えた。

 湘南はアジエル、加藤望、坂本紘司と中盤の主力3人を欠いて変則的な布陣であったが、結果的にはこれがうまくはまった。いつもとは異なり3ボランチ気味にして右から北島義生、田村雄三、永里源気を並べた。北島が右SB山口貴弘と連携して札幌のキーマン、左SH西谷正也に目を配る。田村が中央でフィルター役に徹し、永里は攻撃時には前線へと飛び出す。エドワルド・マルケスが「4―3―1―2」の「1」に当たるが、右サイドに張り出した格好で、適宜2トップとポジションチェンジをする。2トップは石原と原で、積極的に裏を狙ってかき回す。
 第一印象としては、2トップの組合せがヒットだった。動き回る2人に対して、札幌のDF陣は手こずっていた。単に前線にボールを当てるのであれば曽田の威力が発揮されたであろうが、今日の湘南は2トップの片方の動きで中央にスペースを作り、そこにもう一方のFWが走りこむようなプレーが多かった。これで曽田の威力は半減。エドワルド・マルケスが2トップの一角を占めていたらこうはいかなかったのではないか。
 アジエルの不在で中盤に下がったエドワルドは、今日は効いていた。ボール扱いの上手さで抜け出し、ミドルシュートやスルーパスを狙った。結果的に相手左SHの西谷を牽制し、低い位置に引っ張ることに成功していたように思う。アジエルとのコンビでなくとも単独でこのぐらいのプレーが出来るのであれば、アジエルとの絡みに固執するのはむしろ弊害と思えるほどの出来だった。
 左サイドでは永里のドリブルが光った。面白いようにドリブルが成功し、札幌守備陣を慌てさせた。頭を下げて前進しようと力を込めた瞬間に膝下で出すパスは絶妙なタイミングすぎて味方も上手く対応できていなかったが、なかなか興味深い。

 こうして列挙するとそうは見えないが、試合中の私はかなりの長時間にわたって不機嫌だった。ラッキーな先制点の後にペースをつかみ、幾多のチャンスを得ながらゴールが決められない展開にイライラした。GKとの1対1を含め、チャンスに外しすぎだ。試合が終わり勝った後でも笑い話にはならない。
 終わってみれば札幌のシュートを4本に抑えたディフェンスだが、CKのこぼれ球から2対2の場面を作られたシーン(しかも、なぜか北島がボールホルダーへのチェックに行かず、そのままフリーで藤田征也にシュートを撃たれた)やダヴィの鮮やかなシュート(金永基のナイスセーブ)が決まっていれば、その後の展開は違ったものになっただろう。
 そんなイライラが最高潮に達したところで、CKから斉藤俊秀のヘディングで2点目。値千金のゴール。さすがに頼りになるお方だ。その後は、よりグダグダ感の増した札幌に対して湘南はお祭状態になり、鈴木将太がセルフスルーパスを通したり、梅田ゴーで盛り上がったりしたうえで、ケガから復帰した鈴木伸貴のクロスから梅田がつぶれてファーの鈴木将太が足で合わせて3点目(その前のGKとの1対1を外していたので、帳消しな)。

 お祭状態とはいえ、湘南の出来が良かったのかは疑問。得点に現れていないミスやほころびは数多くあったと思う。しかし今日は、なにしろ札幌がひどすぎた。ハッキリ言えば、良い所が見当たらないくらいだ。
 いかに首位を独走したチームでも足踏みをする時期は必ずある。2004年の川崎フロンターレにせよ、2005年の京都パープルサンガにせよ、シーズン中、常に勝ち続けていたわけではない。ただ、今日の札幌を見ると、どうも「足踏み」「停滞」というよりは「失速」とか「リタイヤ」とか「力尽きた」とか、そういう語がしっくりくる。それほど状態が悪そうだ。
 私は札幌の試合を追いかけているわけではないから憶測でしかないが、三浦監督が「精神的にネガティブになっている」「プロのメンタリティとしてはちょと弱いんじゃないか」「終わったこととか、前の試合が悪かったということをまた次の試合に引きずる」などと、メンタル面を気にしているのがヒントなのではないかという気がする。
 大口スポンサーの不祥事は、たぶん札幌の選手に大きな影響を与えているのだと思う。謝罪をしたのが8月14日頃、湘南に敗れて低迷が始まったのが19日。タイミングもピタリと符合する。練習グラウンドを提供し、多額のスポンサードをしている企業の来年の動向が不透明になったことが、影響を与えないわけがない。もちろん選手は「ピッチで出来ることをするだけ」と言うさ。そうは言うけど影響はある。思えば去年の湘南もそうだった。シーズン中での練習グラウンド返上が明らかになり、その後の方策が不透明な時期に失速をした。ピッチで結果を出すことに入れ込みすぎるのか、モヤモヤした不安感に襲われるのか、いずれにしても精神状態の不安定は結果に反映するのだと思う。
 そんな「傷だらけのコンサ」に、札幌サポーター達は「祈りも誓いもこの愛も捧げる」心境なのだろうが、本当に原因がスポンサー問題なのだとしたら、病巣は深く、そう簡単には治癒しないだろう。同情してしまう。昇格を争う湘南サポ(今日の勝利で踏みとどまったぞ)であるところの私としては、喜ばしい反面、他人事として無節操に喜べないところもあるのだ。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
    高スポの陰の支配者。湘南ベルマーレを愛する先天性ジャパニーズ。

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