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2007年9月25日 (火)

Fリーグの生真面目さは美点か欠点か

 一バスケファンとしては、Fリーグが日本バスケに引導を渡すのではないかと恐れおののいていたのだが、まだそこまでの威力はなかった。湘南ベルマーレを応援する立場では残念というべきなのかもしれないが。
(2007年9月24日 湘南ベルマーレ4―2ステラミーゴいわて花巻 代々木第一体育館)

 日本バスケットボール界(特に男子)は、ナショナルチームがアジアを勝ち抜けず、国内リーグは分裂し、自慢の競技人口もフットサルに迫られている。それゆえFリーグの開幕はバスケ界にとって脅威だ。秋―春開催であること、室内競技であること、オンザコート5人の競技であること、そういった共通点の多さも両者の棲み分けを難しくしそうだ。
 そういう問題意識のもと、今日1試合見ただけの印象批評な結論。Fリーグによってバスケ客が根こそぎ奪われることはないだろう。少なくとも当面は。

 Fリーグが超絶技巧を至上主義とするエンターテイメント(たとえばストリートバスケの「AND1」のような)であれば、私のバスケ派としての危機感は最高潮に達したであろう。フットサルは脚でボールを扱う競技なので技術の凄さが伝わりやすく、一見さんへのアピール度も満点だ。バスケの場合、日本人選手でもそれなりに高度なプレーをしているのだが、その凄さは一目瞭然とまではいかず、少なくともフットサルよりはアピール力が足りないからだ(ここでは「通」相手ではなく、一見さんへのアピール度)。
 実際に見たFリーグの試合は、丹念にディフェンスをする、高い位置でボールを奪ってのカウンターを狙う、シュートコースが空けば強烈シュートをお見舞いする、そういったフィジカルで、我慢比べで、真面目なスポーツだった。ブラジル人ドリブラーのような、自己目的的なプレー、人を食ったようなプレーはほとんどなかった。
 たぶんこれは、当事者達にとっては不本意なのだろう。だって、上で述べたプレースタイルは、彼らが嫌う「ミニサッカー」ということだから。「真面目なフットサル」というのは、たぶん褒め言葉じゃないのだ。「遊びがないフットサル」と言い換えてみれば、言われる側の嫌な気分も少しはわかる。
 ただし、言い添えておくと私は「真面目なフットサル」に好感を持った。この競技は一瞬の気の緩みが即失点につながるのだ。サッカーでも似たような言い回しをするが、サッカーではスローガンのように聞こえるが、フットサルでは文字通りだ。どんな遠距離からでもゴールは決まり得る。だから、常に気を緩めず緊張感を持ち続ける姿勢は必要であるし、緊張感の中での爆発的な威力を発揮する技巧は瞬時に歓喜につながる。こういうリズムは私は好きだ。一般受けするかどうかはわからんが。

 とかなんとかいっても、所詮は1試合観ただけの感想だからなあ。でまあ、その1試合について。
 ステラミーゴいわて花巻のゾーンディフェンスが生真面目さを端的に示していたのだ。GKの前でFPの4人がボックスを作って守る。そのボックスの位置はかなり低く、センターライン(って言うの?)付近では湘南の選手に自由にボールを持たせるが、湘南が前進してくるとインターセプトからのカウンターを狙っていた。湘南がほぼフルコートのマンツーマンディフェンスをしていたのとは対照的で、はっきりと弱者の戦術だった。弱者の戦術を非難しようとは思わないが、正直なところ、前半は退屈だった。これは湘南の責任なのだろう。
 湘南の攻めは単調だった。パス交換でボールを左右に回しながら花巻のボックスを動かし、シュートコースを開けると、ミドルシュートを狙う。このパターンを延々と繰り返した。スーパービューティフルシュートが飛び出せばよかったのかもしれないが、なんだか確率の低そうな話しだ。
 後半になると、さすがに湘南は工夫してきた。相手ゾーンのボックス内に選手を置き、そこにどんどんパスを入れた。そこからシュートを狙うのは難しいものの、コーナー付近の味方にさばいたり、リターンパスを戻して組み立てなおしたりした。選手のコメントによれば、シュートを撃つときにブラインドを作ることを狙っていたらしい。なるほど。それと、浮き球も後半に増えたと思う。
 そうこなくちゃね。「観て面白いフットサルで優勝を狙う」と公言している湘南が、力任せのミドルシュート連発では興醒めだ。アイデアを見せてもらわないと。その意味で、後半は先制点を奪われたし2失点を喫したけれど、湘南がめざすスタイルの一端は見れたということなのだろうか。
 湘南の選手で私の目を引いたのは#4伊久間洋輔か。鮮やかなゴールもあったが、それよりもディフェンス。相手が長身選手めがけて蹴ってきた浮き球をヘディングでカットするシーンが多く、好感度が高かった。それほど身長が高いわけではないが、距離感とタイミング取りが上手なのか。

 以下は雑感。
・代々木第一の2階席を開放するという時点で、バスケファンとしては焦った。バスケだと開放しないことが多い…。その代わりアリーナ席が設けられていないから、プラマイゼロってことで(席数は2階席の方が多いが)。
・アリーナがスカスカに見えるし、客席との距離が遠いのもいかがなものか。安全性への配慮だろうからゴール裏はともかく、両サイドには客席を設けてもよいのではないかなあ。
・DJがさらりとルール説明をするのは良いと思う。小田原でも是非。
・モップがけについて思うところもあるが、小田原を見てから言う。
・試合時間はバスケと同じはずだが、短い。これは体感的なものだけでなく、実所要時間も短い。このことは良し悪しという気がする。遠隔地に行って観るにしてはあっさり終わってしまう感じがするかもしれない。
・試合後に両チームが相手サポーターに挨拶に行くのは驚いた。身体接触のない競技だからこそなのかな。湘南サポの花巻コールはよかった。

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コメント

 私の周りの元選手たちには、Jリーグはつまらないという奴がほとんどです。
 金とって見せるフットサルがそれと同じ内容じゃ意味ないっす。
 でもまあ、続けて行けば変わりますかね。

コメントありがとうございます。
YamaMoriさんのエントリーを拝見しましたが、私がオブラートにくるんだ部分をストレートに指摘していらっしゃるようで。。。。
選手には開幕戦の緊張感もあったようなので、2戦目以降は、もう少し肩の力が抜けるかもしれないですね。彼ら(特に湘南の選手達)自身もそうしたいと思っているようですし。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
    高スポの陰の支配者。湘南ベルマーレを愛する先天性ジャパニーズ。

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