« 大山俊輔の試練と保険としての加藤望 | トップページ | バスケ界にはツキもそっぽを向く »

2008年3月20日 (木)

菅野将晃のタヌキぶりに騙されていると信じたい

 久保竜彦の先発起用は回避され、故障明けの臼井幸平はスタメンに名を連ねた。両ベンチの対照的なスタンスが鮮明になり、それが結果に反映した。湘南ベンチの選手起用からはチグハグな印象を受けた。
(2008年3月20日 湘南ベルマーレ0―2サンフレッチェ広島 平塚競技場)

 雨、強風、気温8.5℃という気象条件下で16時キックオフのゲーム。ついでに芝はたっぷりと水を含み、しばしばパスが止まるような状況。事前に予想されていた久保竜彦の先発起用は実現しなかったが、それも当然だろうと思われた。故障を再発させるリスクを回避したのだろう。
 対する湘南は、シーズン前に怪我をしていた臼井幸平を右SBに先発起用し、今季初出場させた。故障明けの選手を起用するようなコンディションではなかったと思うが、その懸念が的中したようで、臼井は前半21分で退き、山口貴弘と交代した。ちょっと珍しいほどあからさまなメディカルスタッフのミスなのではないか?
 別に湘南ベンチは気象条件を考慮していなかったわけではない。前節と大きく変えた選手起用は「荒天用フォーメーション」を思わせるものだった。だからこそ、臼井を起用したことの不自然さ、違和感が際立つのだ。

 その「荒天用フォーメーション」は奏功しなかった。
 4バックは左から三田光、斉藤俊秀、ジャーン、臼井(→山口)。ダブルボランチに田村雄三と坂本紘司。ここまでは前節と大きくは変わっていない。手を入れたのはそれより前だ。左SHに永里源気、右SHに鈴木将太という前への力、スピードのある2人を起用し、FW登録はアジエルと石原直樹。ただしアジエルは前線よりも下がった位置で味方のパスを受け、ドリブルを試みるので実質的には石原の1トップと見たほうが妥当だろう。
 長いボールで両サイドの裏を狙うという意図だったのだろう。強風やピッチコンディションの影響もあってパスの難易度が上がったため、ロングパス1本で裏へ抜け出すシーンはほとんど作れなかったものの、アジエルや坂本を交えたコンビネーションで打開を図ることはできていた場面もあった。しかし、中央の人数が少なく、またサイズも足りないためなかなかシュートまで行けない。控えメンバーにリンコンも梅田直哉もいないため、仮にサイドで突破してもターゲットが見当たらないというふうに見えた。
 前夜から降り続く雨でピッチは水に浸り、グラウンダーのパスは意図せず止まり、あるいはいつまでも転がる状況で、ショートパスをつなぐ戦術には不向きだったわけだが、長身FWが1人もいないというのは、その面でも不可解であった。
 また、ボールを動かすことの難しい状況であれば、止まったボールを扱う機会の重要性が高まるわけだが、大山俊輔をスタメンから外し、確固としたプレスキッカーがいなかったのも疑問。加藤望が登場するまでは永里や鈴木将太が蹴っていたわけだが。

 試合は、風上のチームが押し気味で、前半は湘南、後半は広島が相手陣内に押し込んだまま推移した。
 前半の湘南は、押していてもシュート機会は少なく、逆にFKを直接入れられて先制を許す。後半になると、セカンドボールを拾えるようになった広島が満を持して久保投入。久保は広大なスペースを前にして無理な動作はせず、シュートが狙えるときだけ自分のイメージに従ってプレーした。
 なにしろコンディションが悪く、戦術を云々するようなゲームではなかったが、ピッチ状態への対応力において広島が優っていた。それは個々の選手に技術的な裏づけがあってこそだろうと思う。

 ということで連敗を喫した湘南は早くも危機的な状況を迎えた。3日後の熊本戦には勝利が必要だ。「自分たちは何も残していないし、下馬評など関係ない。ハードワークで道を切り拓いていかなければ」という斉藤俊秀のコメントにその危機感が表れている。
 一方で菅野将晃監督は先発起用について「自分で言うのもなんですが、意図はよかったのではないでしょうか」と答えている。「あれでコンディションがよければ…」って、今日のメンバーは「荒天用フォーメーション」じゃなかったの?
 いや、別に馬鹿正直に本心を吐露する必要はないし、孫子に倣うのであれば、反省材料が多いときほど自画自賛すればよいのだけど。それ、演技で言ってるよね? 大丈夫かな。

« 大山俊輔の試練と保険としての加藤望 | トップページ | バスケ界にはツキもそっぽを向く »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 菅野将晃のタヌキぶりに騙されていると信じたい:

« 大山俊輔の試練と保険としての加藤望 | トップページ | バスケ界にはツキもそっぽを向く »

高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
    高スポの陰の支配者。湘南ベルマーレを愛する先天性ジャパニーズ。

姉妹ブログ


三鷹牛蔵twitter

無料ブログはココログ