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2008年3月16日 (日)

大山俊輔の試練と保険としての加藤望

 開幕から2試合続けて先発起用された大山俊輔は、案の定、壁にぶつかった。求められる水準が高いので起用した監督としても予想していたことだろうが、ダメなら加藤望もいるし、という起用が予想されるもので、ある意味では冷酷な起用なのかもしれない。
(2008年3月16日 横浜FC 3―2 湘南ベルマーレ ニッパツ三ツ沢球技場)

 湘南ベルマーレの攻撃は右SHアジエルが中心となっている。左SHの選手は自由に動くアジエルとポジションチェンジをし、右サイドでチャンスが作られたらゴール前に飛び込み、あるいはボランチの坂本紘司や左SBの選手と絡んでチャンスを作る役割が求められる。さらにディフェンス面ではアジエルよりも高い貢献が求められるし、そのうえ、現在のチーム構成ではセットプレーのキッカーを務められればなおよい。
 こうした膨大な役割が1人の選手に求められるようになったのは、加藤望がそれをこなしていたからだ。ならば加藤望を起用すればよいともいえるが、それではチームが停滞するし、38歳の加藤望への依存度が高くなりすぎることが懸念されるからか、菅野監督は若手選手を試すことを好む。
 大山俊輔の起用は、もちろん彼の好調さもあるだろうが、そうしたトライアルの意味合いもあるはずだ。

 愛媛FCで中心選手としての役割を担っていた大山には、もちろん先発起用にふさわしい能力がある。開幕戦の印象でも、ワンタッチで次の展開を作り出すプレーには特徴があるし、キックの精度もそれなりにありそうだ。
 ただし、上記のような役割をすべてこなしているかといえば、まだ勉強中という感じだ。今日の試合でも、前半は左サイドのライン際に位置することが多く、中央のアジエルとの絡みは少なかった。外で待っている大山にパスが回る機会は少なかったが、その少ない機会にもドリブル突破をするわけでもなくパスの受け手を必要とするので、孤立して待っている意味があまりないように見えた。
 ディフェンス面での要求は今までされてこなかったのかもしれないが、守備はそれなりのアジエル(サボっているわけではない)の相方である以上、一定以上にやってもらわないとゲームに出せない。攻撃面でアジエル以上の力があるならともかく。現状では大山の守備は軽い印象だが、DFをこなせるようになれとまでは言わない。必要なときに必要なプレッシャーをかけられればよいので、精進して欲しいところだ。

 1点リードされたハーフタイムに湘南は各所に修正を加えてきた。大山のポジショニングもそのうちの一つで、前半に比べて中央寄りに位置し、ボールに絡む回数が増えたように思われたが、2点目を失ったことでベンチが動き、加藤望と交代した。
 大山にとって苦しいことに、その加藤望が直接FKを決めて追い上げの狼煙を上げた。チームの公式携帯サイトで「さすがの一撃」と評されてしまうように、加藤望はやはり頼りになる。逆にいえば、大山を起用しているものの「困れば加藤望がいる」ということが、チームの内外で共通見解になっているということだ。若手選手を「試しに」起用できるのも、加藤望という保険があるからだ。起用が失敗だったと判断すれば加藤に戻せばよいし、チームが苦境に立てば躊躇なく加藤を投入する。それだけの信頼を受け、しかもそれに応える加藤望がライバルなのだから、若手選手にとっては厳しい話であるが、その厳しさこそがチームを成長させるはずだ。

 今日のゲームでのその他の注目ポイントは、後半開始直後のシュート。左SB三田光のクロスに右SB山口貴弘が飛び込んだもの。前半は狭いスペースでのパス交換が多かったため、ハーフタイムで修正されたのであろうか。一転した大きな展開で、両SBどうしでパスをつなぐなんて昨年までには見られなかったプレーで、私はこれを高く評価したい。
 あと、怪しげなPK2つで横浜が2点リードする試合展開をどう評価するかは、マッチコミッショナーなり、興行主なり、リーグなりが考えるべき事柄だ。私の立場(湘南を応援)では、誤審も乗り越えるべき障害、サッカーの神が与え給うた試練の一つで、「トータルではプラマイゼロ」とか、そうやって合理化を図るから。とはいえ、降格チーム相手の試合でこちらが「J2の洗礼」を浴びせられるとは思わなかったな。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
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