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2008年3月28日 (金)

バスケ界にはツキもそっぽを向く

 JBLの初代王者が決まった夜。桑田真澄は引退を表明し、松井秀喜の結婚がスクープされた。フッキが川崎フロンターレを電撃退団するニュースが駆け巡り、未明には日本代表がバーレーンに敗れた。バスケのニュースが入り込む余地はなかった。水曜日だというのにツキがない。

 常日頃から注目度の低いJBL。どういうわけかbjリーグよりも注目度が低いのであるが、プロ化を視野に入れた新生JBLの初代王者が決定したのである。この日ばかりは多少なりとも注目されてもよいだろう。
 ファイナルは第5戦までもつれ、水曜日になった。週末であれば競合するスポーツネタも数多いが、平日ならば付け入る隙があるかもしれない……というバスケ関係者の願いは空しく散った。なにしろJBLの放映権を持っているTBSからして桑田独占インタビューなのだ。他は推して知るべし。
 翌朝のHNKニュースに至っては、出かける前にサッカーの結果を見ようと思った私の出鼻をくじいて、桑田引退のニュースの後は野村克也の即興俳句で時間を潰す始末。とてもバスケどころの騒ぎではない(関係ないけど、最近の朝7時のニュースは変だ。7時10分頃から中継を交えた特集みたいなことをやっていて、コンパクトに必要なニュースを見ることができない。ま、これは余談)。

 来季からのルール変更で外国人選手の出場枠が減るので、あのレベルのバスケを国内で見ることは、当分出来ないかもしれないのだ。そうした惜別の感情を持って見ていた人は多くないのかもしれないが、世間一般に見せられるバスケはあれが最後だったかもしれない。だから残念なのだ。
 今回王者になったアイシンシーホースも、ファイナルを争ったトヨタ自動車アルバルクも、ともに帰化選手を主力とすることで3人の外国出身選手を並べることが出来ていた(高橋マイケルは日系だから帰化じゃないんだっけ?)。外国出身者がいるから即レベルが高いとはいえないが、この2チームは彼らの個人技をチームに組み込んでいて、依存度を高くしすぎていない。
 その2チームが対戦したファイナルは5試合中3勝した方が勝者となるルールで、2勝2敗のタイで始まった第5戦こそ、故障者の影響もあってアイシン優位だったものの、どちらが勝者になってもおかしくない、充実した5連戦だった。
 トヨタは敗れたとはいえ、PGルイス・キャンベルが真価を見せつけ、彼の故障がなければ第5戦だって対等に戦えたはずだ。チャールズ・オバノンはエースらしい安定した力を見せ、岡田優介が鮮烈に輝きを見せ、古田悟は相変わらず地味に奮闘していた。
 アイシンでは、MVPを受賞した柏木真介が確かな成長を印象づけ、佐古賢一を完全に脇役に追いやったし、竹内公輔は(期待の大きさに比べれば不十分とはいえ)ルーキーとしては上出来の活躍。桜木ジェイアールは風格の漂うプレーをし、引退する(っぽい)納谷幸二はラストショットを見事に沈めて有終を飾った。

 ゴタゴタ続きのバスケ界とはいえ、コートの中はそれなりに充実していた。が、それを生かせないまま今季は終わり、来季にはレベルが下がるかもしれない。
 日本バスケ界に足りないのは優秀な選手でも優秀なコーチでもなく、優秀なコミッショナーだ。という指摘は本当にその通りなのだ。せめて分相応な注目を集められるようにならなければ競技の未来にかかわる。bjリーグを見るだけで、そこの力不足は明らかだろう。bjが分不相応に注目されているというのではなく、JBLは対等あるいはそれ以上に注目されてしかるべきだと思えるのに、それが出来ていないのは力不足なのではないか。
 おっと、JBLとbjの比較は議論になるので控えておく。両者は目指す方向が微妙に異なるので比較するのが難しいと思っているので。

 まあ、さしあたり、五十嵐圭さまの素敵なプライベートDVDで人気をつなぐしかないのか?

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  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
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