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2008年3月30日 (日)

ドゥンビアに切り裂かれた湘南

 湘南DFにとって徳島FWドゥンビアの突破力は初めから脅威だった。そのことは戦前から分かっていたのに、対処法を誤ったのだと思う。
(2008年3月29日 湘南ベルマーレ2―3徳島ヴォルティス 平塚競技場)

 爆裂スピードのドゥンビアと1対1になっては分が悪いので、湘南は2人で対応することを心掛けていた。1人がアプローチし、もう1人が後方でカバーする形だ。そのこと自体は悪くないし、当然の策でもあるのだが、問題は、ラインコントロールで封じることを一切放棄していたことだろう。2人の位置関係がしっかりしていれば問題はないが、少し形が崩れれば即座にピンチになっていた。オフサイドを取りにいけば楽勝だと思われた場面でも律儀に応対していたから、スピード勝負に持ち込まれていた。
 オフサイドトラップを仕掛けるのであればボールの出所にプレッシャーをかけるべきだが、そこが甘かったという要素もある。最前線でのプレスからボールを奪って速攻に持ち込む意図はうかがえたが、そのプレスをかわされたとき、ラインを上げることはできなかった。
 最終ラインは引き気味なのに最前線でのプレスをかけ、中央のスペースは割合に緩くなっていた。坂本紘司が最前線へ、左サイドへとプレスをかけに行く奮闘ぶりは見事であったのだが、チームバランスという面では疑問もある。
 試合開始当初から徳島はFW阿部祐大朗にボールを入れようとしたが、ことごとく斉藤・ジャーンにはじき返されていた。その後のボールを徳島に拾われる場面が気になっていたのだが、つまり、最前線と最終ラインの間が広がっていたということなのだろう。ラインコントロールでドゥンビアを封じるにはコンパクトさがなかった。
 徳島の攻撃で最も脅威になるのはドゥンビアのスピードであることはわかっていたというのに、この守り方をするというのは一体どういうことなのだ?

 前線からのプレスは、それはそれで効いていた。ボールを奪って速攻からシュートチャンスに持ち込む場面もあった。
 また、サイドチェンジで大山俊輔が抜け出すシーンもあったし、梅田直哉のポストプレーも安定していてチャンスを演出していた(現に先制点は梅田のポストプレーが絡んだものだった)。
 要するに、先制した時点では、何もかもが上手くいっていたわけだ。しかし、そこに落とし穴があった。この時点でドゥンビアの潜在的な脅威は明らかになっており、前線からのプレスは中央での坂本の不在を招いていたのに、あまりにも攻撃が上手くいくことで、矛盾を解消する誘因が見えなくなっていたのだ(あるいは、先制してバランスを意識しようとしたために前線でのプレッシャーが減じたことが、徳島に建て直しのきっかけを与えたのかもしれない)。
 より直接的にいえば、傲慢になっていたのだと思う。選手にはそういう意識はなかっただろうけど。
 
 試合終了後、久々に湘南サポがチームにブーイングをした。昨年は山形相手に0―4で惨敗してもチャントを歌い続けたのに。問題は、リンコンが走らないとか裏を狙わないとか、リーグ戦未勝利の下位チームを相手に敗れた結果とかではないはずだ。どこか驕りを感じられる内容こそがブーイングの対象だろう。
 私自身は、前半の途中、CK後に徳島が逆襲速攻を仕掛けてきたときの戻りの遅さに絶望した。4対3ぐらいの状況を作られ、その後ろから徳島の選手達が続々と攻め上がってきていた。なんとか凌いだ後に鈴木伸貴が「早く戻って来いや」というゼスチャーをした場面だ。あの場面は真にブーイングに値するところだった。
 そう思いつつも、単純に選手の頑張りが足りないといえるのか迷ってもいる。選手のメンタルとかやる気に原因を求めることには慎重であるべきだというのが、私の基本的な姿勢だから。あれだけ間延びしていれば、そりゃ戻りも遅れるし、切り替えが遅く見えもするだろう。そうした戦術的な修正を並行して行う必要があるのだと思う。そして、それこそが私の不安材料であるわけで…。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
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