« J1帰りのヴァンフォーレ甲府に不吉な既視感 | トップページ | FC岐阜はなかなかやる(上から目線) »

2008年4月19日 (土)

NBAプレーオフがドカベン化している

 2連覇を目指すサンアントニオ・スパーズは、連覇を阻みうると目される4チームをすべて自力で倒さなければならない。1回戦ぐらいはウォーミングアップ的な戦いをしたいのに、許されない。優勝までに必要な16勝は、すべて全力で奪わなければならない。ベテランぞろいのチームにとっては不安材料だ。

 レギュラーシーズンで3位となったスパーズは、順当にいけばフェニックス・サンズ、ニューオリンズ・ホーネッツ、LAレイカーズ、ボストン・セルティックスという4チームと対戦する(私の予想)。1つとして楽なチームがない。「スパーズを倒し得るチーム」を考えたときに挙げられるのは4チームぐらいしかないのだが、その4チームをすべて自力で打ち破らなければならない。
 まるで、緒戦から東海高校、次に白新高校と対戦する『ドカベン』みたいな展開だ。

 せめて1回戦ぐらいは楽をしたいのに、サンズが6位になったため、いきなり因縁の対決だ。スパーズからすれば、4位ロケッツ、5位ジャズのほうがくみし易い相手で、サンズが6位になったことは恨めしいところだ(スパーズ自身がより上位になっていればよかったのだが)。
 ただ、サンズが6位に終わったことには正当な理由がある。シャキール・オニールの加入は、プレイオフ対策、というかスパーズ対策に重きを置いたもので、レギュラーシーズンの勝率を捨てた結果だ。自らの長所を生かすだけでは勝てなかったというのが昨シーズンの教訓で、だからこそランニング・バスケを一部捨ててでもスパーズ対策に乗り出したわけだ(ショーン・マリオンとアマレ・スタウドマイヤーの不仲というのは付随的な理由にすぎないはずだ)。
 今シーズンのサンズは、チャンピオンになる可能性は昨シーズンよりも低いと思う。しかし、スパーズに勝つ可能性は昨シーズンよりも高い。シャックはリバウンドとディフェンスに集中し、PFのポジションで水を得たアマレがオフェンスの中心として気分よくプレーしている。シャック加入時に懸念された2人の棲み分けは、まったく問題ないように見える。
 スパーズからすると、ティム・ダンカンにかかる重圧が相当大きい。オフェンス時にはシャックに身体をぶつけられ、ディフェンス時には走り回るアマレを追いかけるとなると、かなり大変だ。そのうえファブリシオ・オベルトやカート・トーマスがシャックに振り回されるようだと、インサイドを制圧されてしまう。スパーズの力の源泉は、なんだかんだ言ってもインサイドの安定感なのだから、そうなってしまっては勝算は薄い。
 ただ、サンズの立場からいえばダンカンに対する警戒は捨てられないだろう。ダンカンは、苦境で戦える男の中の男だから。それともう一つ、この期に及んでアマレがブルース・ボウエンに対するネガティブ・キャンペーンをしているというのも気になる要素だ。アマレが昨年と同様の未熟な精神状態にあるのなら、不安材料だろう。

 仮にサンズを破ったとして、スパーズが次に対戦するのはホーネッツだ。
 スパーズを倒す最も効果的な方法は、PGのトニー・パーカーを止めることなのではないかと、私は考えている。もちろんダンカンを抑えられれば終わってしまうのだが、それはあまり現実的ではない。かつてのブルズに対して「ジョーダンを止めれば勝てる」と言うに等しいからだ。パーカーであれば止められる可能性がある。
 実際、一昨年のスパーズを破ったダラス・マーヴェリックスは、それに成功していた(その時の殊勲者デバン・ハリスを放出したダラスの判断には首をひねる。たとえジェイソン・キッドを獲得するためとはいえ)。スパーズのチーム編成上もPGのバックアップは課題となっていて、パーカーの負傷欠場時には苦しいゲームが続いた。それゆえシーズン途中にデーモン・スタウドマイヤーを獲得したのだが、パーカーの穴を埋めるとなると厳しい。
 ホーネッツには、現役最高PGとの呼び声高いクリス・ポールがいる。このマッチアップは注目だ。クリス・ポールがアシスト、得点をバシバシ決めるようだとスパーズには流れを変える策がない。エースキラー・ボウエンをポールにつけることになるだろうが、抑え切れるとは思えない。パーカーが他の選手につくことで生じるミスマッチを使われる可能性も高い。
 レギュラーシーズンの戦いぶりだけで考えるとスパーズ不利と言わざるを得ない。しかし、ホーネッツには経験が少ない。そこが泣き所だろう。プレーオフは同じ相手との連戦であるため、スカウティング、相手の弱点を着実に突く能力、同じことを繰り返すことのできる精神力といったものが求められる。神経戦に持ち込めば、百戦錬磨のスパーズにとってそこは「自分の土俵」となるだろう。
 また、サンズと違ってホーネッツは、ディビジョン優勝を果たした時点で、すでに大きな進歩を実証したわけで、達成感、満腹感を得ているのではないか。これも心配される材料だろう。

 レイカーズとセルティックスについては後日。

« J1帰りのヴァンフォーレ甲府に不吉な既視感 | トップページ | FC岐阜はなかなかやる(上から目線) »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: NBAプレーオフがドカベン化している:

« J1帰りのヴァンフォーレ甲府に不吉な既視感 | トップページ | FC岐阜はなかなかやる(上から目線) »

高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
    高スポの陰の支配者。湘南ベルマーレを愛する先天性ジャパニーズ。

姉妹ブログ


三鷹牛蔵twitter

無料ブログはココログ