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2008年4月27日 (日)

FC岐阜はなかなかやる(上から目線)

 「毎年昇格」という冗談を真に受けなければ、FC岐阜の戦いぶりには及第点が与えられるだろう。リーグ最多得点も、5分で4ゴールを挙げたアビスパ戦もフロックではなく、爆発力を秘めた戦い方をしている。昇格チームとしては満足できる内容で、これ以上を求めるのは欲張りすぎなのではないかな。なんか「上から目線」の語り口になってしまうのだが。
(2008年4月26日 湘南ベルマーレ4―2FC岐阜 平塚競技場)

 FC岐阜の攻撃は意図がハッキリしていた。FW片山真人が常に中央にいて、もう1人のFW片桐淳至は中央だけでなくサイドに流れもしていた。片山は、良い形でボールを収めればドリブルでの突破も狙う。苦しい体勢であっても、片桐や中盤から湧き上がってくる選手に落とす形を作ろうとしていた。片桐がサイドに流れたときは、SHの選手とともにクロスを片山に合わせようとしていた。
 片山という軸が明確であるため、攻撃時に各選手が何をすべきかが浸透しやすいのかもしれない。片山の存在感の大きさもさることながら、そうした戦術の整理・徹底を図っているという点で、監督の手腕が表れているのだろう。
 岐阜のこの日の2得点はいずれもオウンゴールによるものではあったが、湘南のミスを引き出したのは、岐阜の攻撃がシンプルで力強かったからだ。相手のミスがなくても得点できそうな精度があるからこそ、ミスを誘発することができる。この攻撃面での「自分達の形」を持っていることが、快進撃の要因だし、チームの拠り所となりつつあるのだろう。

 岐阜の守備は、DFラインの高さが目についた。広大なスペースに石原直樹や原竜太が走り込む場面が多く見られたが、これは別に湘南だけが狙っている攻撃ではないはずだ。
 中盤では、アジエルに対するマークだけはそれなりに意識していたようだが、それ以外の箇所ではパス回しに対するプレッシャーがあまりかけられなかった。それゆえ、湘南の中盤ではあまりにもパスがつながりすぎた。前線へのスルーパスを出されるよりは中盤でパスを回されるほうがマシ、という罠ではないかと勘繰りたくなるほどであった。
 総じて、リーグ最多失点は妥当なのだろうと思われた。しかし、ラインが高いのも、中盤が前がかりなのも、失点を覚悟してでも得点を取りにいく姿勢の表れなのだろうと推測する。

 経営状態の悪さが周知のこととなっている岐阜にとって、失点が多くても得点が多ければよい、という方向性は悪くない。ベタ引きで守ったうえで耐え切れずに失点するよりは、はるかに集客への好影響が期待できる。そのうえ、下位リーグへの降格がないわけだから、デメリットはほとんど皆無と言ってもよい。
 昇格の喜びから時間が経っていない初年度だからこそ許される戦略ともいえる。とはいえ、失点の多さに目をつむって、得点シーンを数多く作り出す戦い方は、意図したからといって簡単に実現できるものではないのだから、ここまでの岐阜の戦いは満足度の高いものといえるし、賞賛されてもよい。
 2005年に東海2部リーグ、2006年に東海1部リーグ、2007年にJFLを通過してきたFC岐阜が、2008年もJ2リーグを1年で通過して「毎年昇格」を続けようというのであれば、今の戦い方では不十分だろう。そんな、1年でJ2を通過なんていう戯言を真に受けず、昇格初年度としては理想的な戦い方ができている現状が認められて、集客力のアップに結びつけば今年はそれで上出来なのではないか。

 すっかり上から目線で岐阜の頭をナデナデしたので、湘南についてはそれにふさわしい論評をしておく。
 いずれも見事な4ゴールは絶賛したいし、つい頬が緩むのだが、昇格を狙うチームとしては戦い方が甘いのが不快だった。2つのオウンゴールよりも問題なのは、早々に先制した後の時間帯。押しに押してパスが面白いように繋がった時間帯に追加点を取れなかったことだ。あの内容であれば、もっと早くゲームを決めてしまうべきだ。余裕をもったゲーム展開にすることで、今季初出場の選手からプレッシャーを取り除くことができるし、今後の連戦を視野に入れたベンチメンバーの起用も可能になる。相手に合わせず格の違いを見せるのも上位チームの戦い方だ。
 ちょっと高望みが過ぎるのかな。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
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