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2008年6月28日 (土)

岐路に立つ永田亮太

 すっかりレギュラーに定着したルーキー・永田亮太は、想像以上にベンチの信頼を勝ち得ている。この日の起用法がそれを如実に物語っているのだが、同時に、突出した武器のなさを表しているのかもしれない。
(2008年6日25日 湘南ベルマーレ1―1モンテディオ山形 平塚競技場)

 ボランチの一角を占めることの多い永田だが、この日は右SHでの先発だった。監督が語っていたような、加藤望を終盤に切り札としたい、田村雄三をボランチに入れて当たりを強くしたい、永田の攻撃面での特長をより発揮させたい、といった理由に加えて、山形のキーマンである左SB石川竜也に対してプレッシャーをかけたいということもあったはずだ。永田が左に回ってアジエルが右に来たときにも石川に対するアプローチが目立っていたので、これはチームとしての方針だったのだろう。
 山形の選手達に言わせれば、前節の甲府に比べてその圧力が緩かったという。甲府は3トップの右ウイングがプレス役であったのに対して、湘南は4―4―2の右SHにそれをさせたので、距離が遠かったのは確かだ。また、他の選手との連動したプレスにもなっていなかったと思う。その意味で不恰好にも見えたが、一定の効果は認めてもよいのだろう。
 特に永田は、石川から宮沢克行へのタッチライン沿いのパスを遮断する位置取りをして、ボールを内側に誘導していた(アジエルは単に寄せるだけだったので、チームとしての狙いなのかは不明)。これは悪くない守り方だろう。この2人の連携からクロスを上げるのは山形が好きな攻め方だから。
 後半に入り、1―1の状態で湘南は切り札・加藤望を投入した。永田は右SBに移された。最終ラインに高さを加えたかったという監督コメントがどこまで本心かはわからない。それまで臼井幸平が見せていたような攻撃参加を披露することはできなかったし、守備面でハイボールを争ったようにも見えなかった。成否はともかく、山形の左サイドの攻撃にしっかり応対し、臼井のようには攻め上がれないとしても正確なパスで攻撃の起点となることを期待していたのだろう。臼井を下げて永田を入れる意図はそう読み取るしかない。

 この日の永田の起用法は、彼に対する期待と信頼を表している。SHであれSBであれ、攻撃と守備のどちらかにウエートを置くのであれば、他に適任者はいる。攻守両面にわたるバランスの取れた貢献が期待できる選手とみなされているからこそ、このような起用となったのだろう。
 攻守両面にわたる平均点の高さというのは、私レベルの観戦者にとっては理解が難しい。何か突出した特長の方が理解しやすい。私にとって永田の特長は、機を見た攻め上がりと、威力のあるミドルシュートだ。特にミドルシュートは、ボランチのポジションを争う選手の中で際立った武器であるし、湘南にとって不足している要素なので評価が高い。それらの特長はボランチの位置で最も威力を発揮してきた。にもかかわらず本職とは異なるポジションで起用されるというのは、守備の軽さが懸念されるということだろう。
 危険な兆候だ。「比較優位」で出場機会を得るだけでは便利屋になるだけだ。そのうちに特長が見失われ、シロート観戦者にとって凡庸な選手になり、何かの拍子に本人が自信を失えば一気に停滞局面に陥る。ああ、誰かを思い出す…。
 永田はもう一段ステップアップして絶対優位を得る必要がある。一番望ましいのはディフェンス面での成長だろう。坂本紘司の前例があるので期待したい(そのためにはスタミナが課題なのかもしれないが)。あるいはプレスキッカーとして地位を確立するというのも、湘南のチーム事情を考えれば有効な手ではあるが、これは搦め手という観が強いな。

 山形について。
 長身FW長谷川悠の成長が躍進のポイントなのだろう。山形の課題は前線にポイントを作れるかなのだろうが、あれだけハイボールに競れると周りは信頼できるし、お得意の流動的な攻撃も生きる。これで豊田陽平が復帰したらどうなることか。
 DFラインではCBに入った石井秀典に注目していた。「こんな小さい選手がCBとは原・石原の2トップを予想してたのか」などと考えていたのだが、山形のホームページを見ると身長180cmとある。そんなにあるようには見えなかった。もしかして私の目は120%の節穴なのか? 今まで書いてきたこともみんな幻だったのか? 本当は湘南は勝ったのか? 

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
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