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2008年7月 7日 (月)

荒川静香はハードルを上げすぎでは

 毎度毎度、荒川さんを絶賛しなくてもよいのだが、今年も彼女のプロ魂を見せつけられたので仕方ない。そこまでしなくても十分満足できると私などは思うのだが、貪欲にサービスしようとする姿にはひたすら感心する。
(2008年7日6日 フレンズオンアイス2008 新横浜スケートセンター)

 このアイスショーは荒川静香座長公演なので、マイクを持っての挨拶もするし、来場者プレゼント抽選の司会進行もする。そして演技に登場する回数も多い。その演技にしたって、普通にエキシビションナンバーをするだけでなく、シェーリーン・ボーンとの共演をしてみたり、グループでの演目でも要の位置を占める。スケーティングは相変わらず(ジャンプも含め)で、高水準を維持していつ見ても安定感バツグン。どこで練習しているんだ? と思わせる出来映えでプロ意識を感じるのだが、そのうえさらに、彼女は退路を断つ。
 「Fly Me To The Moon」での演技が始まって半ばまで進んだところで、ナレーションをカブせてきた。中野友加里と宮本賢二の会話で「これも良いけど、去年も見たね」「そやね~」とかそんな感じ。それを受けて、重ね着していた衣装を脱いで別の曲で再スタート。この演出にはビックリした。凝っているとか、意表を突かれたとか、そういうことではない。そこまでするか! と。
 荒川さんのような勲章持ちのビッグネームで、しかも2曲こなす人が「去年と同じことはしない」と宣言したことに驚いたのだ。伝家の宝刀を持ち出して同じプログラムを出してきても客は全然文句も言わないだろう。私レベルならば十分に満足し、感心するのだ。にもかかわらず「同じことはしない」とブチ上げるなんて。
 きっとそれが荒川静香(もしくはブレーン)の考えるプロ魂なのだろう。あるいは、常に新鮮味を演出しないとすぐに飽きられてしまうというのがアメリカのアイスショーの常識なのだろうか(思い当たる節はある)。その心意気には客ながら頭が下がる。ただ、どうしても「そこまでハードルを上げなくても良いんじゃない?」と思ってしまう。なんだか観ているこっちが息苦しくなるような錯覚さえあるんだよね。考えすぎなんだろうけど。

 プロ魂ということでいえば、田村岳斗は今年もすばらしかった。客を盛り上げるという点では、随一の存在。ショーマンシップでは日本人スケーターで彼に並ぶ者はいないとさえ思う。ハイペースで飛ばしすぎてヘロヘロになるのも、調子に乗り過ぎて転倒するのも、演技なのかリアルなのか判断がつかないのだけど、生き生きしていて男の子っぽさ満開。1ショーに1人欲しい存在だ。
 その田村が、「フレンズオンアイスで見てほしいポイント」として挙げていた「タニスは美人だと思う」には皆が「知ってるわい!」とツッコミを入れただろうけど、(タニス)ベルビン&アゴストには大満足。アイスダンスの良い演技を見る機会は少ないし、私は意外とアイスダンス好きだし。なお、私の席の下は関係者席で、ベルビンはジャージ姿で座っていたのだが、細くて小さい人なのですよ。なのに氷上では大きく見える。それが一流ってことですね。
 あと、関係者席にはライサチェックが長いこと座っていた。日本人選手たちがグループで「オペラ座の怪人」をしていたときには、高橋大輔のストレートラインステップをじっくり見て拍手していたのだけど、その拍手する手がデカくて厚い! 演技中の写真を見てもそんなに感じないのに。ライサチェックは昨年のエキシビションナンバーの「スリラー」で、やっぱりよかった。が、一番ツボだったのはプログラムの中に載っていたスナップ写真。白Tシャツにレイバンのサングラスが似合いすぎ。

 このアイスショーは、勝負を離れたほんわかムードだし、会場の良さもあるし、コストパフォーマンスにも優れ、満足度の高いものだ。昨年も似たようなことを書いたと思うが、今年は去年よりもさらによくなっていた。私のようなライトファンにピッタリですよ。

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  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
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