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2008年7月29日 (火)

菊池大介の日にアジエル不在を考えた

 今日のこのゲームは菊池大介のものだった。それは間違いない。ただ、アジエル不在の中でどう戦っていくのかという面での心配が大きく、その点での好感材料は見えづらかった。
(2008年7日27日 湘南ベルマーレ4―1ロアッソ熊本 平塚競技場)

 J2最年少ゴール、PKを奪取するペナルティエリアへの飛び込みと、2点に絡んだ菊池だが、それらがなくても十分に及第点を与えられるプレーだった。
 昨年7月のデビュー戦以来、1年ぶりに見た菊池は恐ろしく成長していたように見える。昨年は、ボール扱いが上手いのは窺えたが、そのテクニックを発揮する機会はあまりなかった。途中出場で時間が短かったこともあるが、ボディコンタクトを避けようとしたのか、無難無難なプレーでゲームの流れに乗ることに専念していたように思えた(それができるだけでも大したものではあるが、比較されるのはアジエルや加藤望なのだし)。
 ところが今年は、身体の使い方に成長を感じさせた。相手選手を腰や背中で遮りながらボールをキープし、ドリブルの技巧を生かして瞬間的に抜き去る。
 ボールのない所でも活発に動き、時に裏への飛び出しを狙い、時に下がってボールを受け、サイドだけでなく中央にも進出した。逆サイドからのクロスボールに対してエリア内で胸トラップからシュートにまで持っていったのは、当たり損ねだったとはいえ、好評価だ。

 そんな菊池の活躍は事実だが、リードを奪ってからの活躍については割り引いて考える必要があるかもしれない。
 アジエルを長期間欠くときの湘南は、タテに早い攻撃を意識するようになる。バックラインからFWへの長いパスが増える。中盤でタメを作るアジエルがいないという事情もあるが、現在の湘南は遅攻から得点するのは望み薄だ。盛んにクロスを入れても前線の高さが不足しているので、なかなか難しい。セットプレーについても同様。
 今の湘南で得点の匂いがするのは、突然湧き上がったチャンスだけと言ってもよい。ボールを奪って即前線を走らせる、高い位置でボールを奪って反攻する、など。リードを奪って相手が前がかりになれば上手に追加点を奪えるが、同点の状況、あるいはリードを奪われている状況では攻めあぐむ。
 1点リードされたこの試合での1点目も、まさにその「突然湧き上がったチャンス」だった。左サイドの選手達でパスを回してチャンスを窺うもののうまくいかず、左SBの鈴木伸貴がボールをキープしながら中央へと移動していた。「もう一度組み立て直し」と思われた瞬間にゴール前に入れたクロスによって、DFラインは意表を突かれたのであろう。FW石原直樹がそのギャップに飛び込んでヘディング一発。

 2点目はPA内のスペースに出されたパスに菊池が飛び込み、DFより早くボールを触ったことでPKを得た。笛が吹かれなくても違和感がない(私は不当だと感じるが、審判によっては流されてもおかしくない)。これを加藤望が決めてリードを奪う。
 リードを奪えば湘南のペース。カウンターのチャンスを再三つくり、その中で菊池のゴールも生まれた。割り引いて考えるとは言ったが、このシュート自体は見事なもの。PAやや外からの豪快なミドル。現地で観た時はほとんどノーステップかと思って絶句したのだが、動画を見ると走りながらのシュートだった。とはいえ見事であることには変わりない。
 さらにロスタイムには途中出場のFW三平和司(特別指定強化選手)が、大山俊輔のクロスに混戦の中で身体を当てて泥臭い初得点。彼にはその前に持ち味を発揮する場面があったので、そちらを決めて欲しかったが。

 4点を奪ったものの、どのようにリードを奪うのかは、依然として大きな課題だ。石原の能力(鈴木伸貴のコメントでは練習どおりというが、相手を油断させる練習という意味ではあるまい)やいただき物のPKではなく、チームとしての地力によって拮抗した状態を打開するところが見たかった。つまり、上位チームと対戦したときにどう戦うのかはまだ見えてこない。
 菊池の出来は確かにすばらしく、アジエルのようなプレーも見られたが、菊池にアジエルの代役を求めるのは無理があるし、誰もそうは考えていないだろう。現実的な線では、セットプレーの改善が第一。それと、なにしろDFの復調が必要だろう。で、梅田やジャーンを前線に入れたパワープレーを覚悟して練習する必要があるのかもしれない。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
    高スポの陰の支配者。湘南ベルマーレを愛する先天性ジャパニーズ。

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