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2008年8月11日 (月)

満足度の高い湘南ベルマーレの試合

 アジエルがいなくても見所はある。それを確認できたゲームだった。完勝よりもそのことを喜びたい。
(2008年8日9日 湘南ベルマーレ3―0セレッソ大阪 平塚競技場)

 湘南のFW石原直樹の能力の高さが試合を決めた。ゲーム自体は均衡しており、どちらに転がってもおかしくなかったのだが、強引に流れを引き寄せた。
 1点目は左サイドの加藤望の速いクロスに合わせたものだが、逆サイドで相手DFを振り切ってニアで半歩前に出たピンポイントの位置でのヘディングだし、そのヘディングにしてもファーから飛び込んできてファーに流したもの。相手守備を崩したのではなく、一瞬あいた針の穴を通したようなゴールという印象だ。
 2点目はジャーンと相手GKがクロスに競ったこぼれ球に足を伸ばしたシュート。相手DFがクリアしようとしていたところに一歩早く到達した。よく、観ている側からすると「そこで足を伸ばせ!」と念じるものの現実にはそうはいかない場面があるのだが、そういったシチュエーションでありながら、この瞬間の石原の足はサポーターの夢想の通りに伸びた。

 石原の2ゴールでリードを奪い、優勢に試合を進めた湘南だが、守備面での出来に満足感を得た選手が多かったようだ。確かに、バランスよく守れていた。相手の攻撃に丹念に応対し、傑出した個人技なくして突破できないような組織的な守備ができていた。斉藤俊秀がマンオブザマッチに選ばれたが、実際のところ特定の選手を選びにくい試合だったろう。
 この日の守り方は、2ボランチと2CBの距離感が開かず、適切な距離が保てていたと思う。一度、坂本紘司がプレスをかけに飛び出してかわされたことで危ないシーンになったが、バイタルエリアが空いたのはその1回だけだった。サイドでも数的不利の場面を作られないように両SH、両SBがサボることなく守っていた。強いて言えばセレッソのボランチ、特にキーマンであるジェルマーノがフリーでボールを持つ場面があったのが気になるが、バイタルエリアを空けないことを優先したのだろう。

 ただし、守備の出来についてはセレッソの出来にもよるので、及第点ぐらいと考えてもよいのかもしれない。手放しでは喜べない。
 尾亦の負傷退場以後、セレッソからはサイド攻撃がなくなっただけでなく、全体の運動量も失われていた。ジェルマーノや乾貴士がボールを持つと、他の選手達は様子見になっていた。彼らがドリブル突破をしなければ打開できないような流れだったが、湘南の選手達が集中しており1対1で突破することは出来そうになかった。セレッソの選手達の動きが少ないのでパスワークで突破を図る気配もなく、仕方なくボールを左右に動かすしかなかった。個人技に勝るセレッソの選手達だが、それが災いしたようにも見えた。テクニックのある選手との対峙とはいえ、ドリブルだけをケアするのであれば、案外守りやすかったのかもしれない。
 もう一つ、ここのところの湘南は良い内容の試合が続けられないのも盛り上がれない理由だ。負けていないことは評価できるが、どうも波に乗り切れないイメージになっている。

 ブツブツ言いながらも、湘南にとっては満足度の高い試合であったことは確かだ。勝ったこと、良い内容であったことだけが理由ではない。お客さんに見せられるプレーがあることが高評価の理由だ。
 アジエル抜きで観客を沸かせる場面が減ってしまうのではないかと懸念していたのだが、それを補うプレーがある。石原の個人能力のほかに、菊池大介の切れ味鋭いドリブル突破も一見の価値があろう。マニアックなJリーグファンでなくても楽しめる。
 今なら観客数もさほど多くないので、割合に自由な席で、ゆったりと観戦できる。チケット代もJ2水準でお買い得でっせ。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
    高スポの陰の支配者。湘南ベルマーレを愛する先天性ジャパニーズ。

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