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2008年9月28日 (日)

好調甲府の理由を垣間見た&審判へのヤジを反省

 甲府の好調さは、サーレスとマラニョンの途中加入だけが理由ではない。チーム全体の意識の変化が大きい。挑戦者としての戦い方に回帰したということだ。その分、「(大木)たけし軍団」の面影は薄れているのだが。
(2008年9日27日 湘南ベルマーレ1―0ヴァンフォーレ甲府 平塚競技場)

 開始早々、ハイボールにジャンプした湘南FW石原直樹の足元に甲府DFが入り込んで、石原はバランスを崩して落下した。バスケの選手が腰や背中を痛める典型的なプレーだが、芝の上では、変な着地をしたり無理に手をついたりしなければ大丈夫なのだろうか? 石原は高くジャンプするので特に心配になる。ともあれ、このシーンを見て、このゲームの厳しさと甲府の復調の理由を感じた。
 自らを格上と考えながらハードなボディコンタクトを敢行することは難しい。真の常勝チームはそれを実践するのだろうが、ささやかに成功したチームの陥る罠として、当たりがソフトになることがある。甲府がその罠に陥っていたのかはわからないが、この日のゲームでは明らかにガツガツきていた。また、前回平塚に来たとき(4月)の甲府は、あくまでもショートパスをつなぐ「大木スタイル」だったが、今回はロングボールで前線を走らせるようなプレーが多かった。つまりJ2仕様に仕立て直したという印象を受けたのだ。
 となると、他のJ2チームにとって甲府は厄介な存在だ。ショートパスの上手さは健在のままで、挑戦者の気持ちをもってぶつかってくるのだ。降格チームという敗残者的なイメージではなく、前向きな「元J1のチーム」という趣になっているのだ。
 サーレスとマラニョンの両FWについては、この1試合だけでは判断しづらい。チーム全体の意識変革と彼ら2人の加入がたまたま同じタイミングだった可能性もあるから。ただ、マラニョンのウィング起用がチームにとって相当のプラスになっていることは間違いない。4月の甲府は、サイドで2対2もしくは2対1の局面をつくることで突破を図っていたのだが、マラニョンは1対1で勝負を仕掛ける選手だ。そのため、彼が突破すれば中央もしくは逆サイドで以前より多くの選手が待ち受けることができる。

 湘南はこの日、臼井幸平のポジションを前へ上げ、山口貴弘を右SBに起用した。これが大的中。マラニョンに自サイドでほとんど仕事をさせなかった。サーレスについては中央でジャーン・斉藤が封じ込め、甲府の3トップの攻撃力を半減させていた。
 にもかかわらず甲府の時間帯が長く続いた。湘南が前線でボールをキープできず、嫌な形でボールを失うことが多かったこともその原因であった。湘南の攻撃は、中盤での組み立てが思うようにいかなかったからなのか、快速2トップに長めのボールを入れてキープさせたり、裏を狙わせたりした。ところが、石原直樹と甲府DFの接触がことごとく石原のファウルを吹かれることで、攻撃が機能しなかった。

 石原のゴールで先制したものの、湘南は甲府の圧力に押されっぱなしだった。甲府のフィニッシュの精度に助けられた部分もあるし、湘南DF陣にとっては終盤の甲府の4トップ戦術がかえって対応しやすかったのかもしれない。
 審判との対応も含め「耐えて勝った」と言うのがふさわしい勝ち方で、賞賛してよいのだが、攻撃面での不振は深刻だ。単発のロングボール戦術に傾いた状況に、中央からの攻撃の薄さに、アジエルもトゥットもいないことを痛感した。せめてセットプレーで点を取れれば流れを引き寄せられるのだが。

【審判について】
 石原直樹がPA内で抜け出しかけてのしかかられたときに私は「審判(ジャッジ)して」とヤジったのだが、同行者に聞くと「審判死ね」と聞こえたらしい。私の周囲にいた人で不愉快に感じた方がいらっしゃったらお詫びします。
 反省の意を込めて振り返っておく。
「前半に関してはレフェリーの笛など色々なものに対して熱くなってしまい、集中力を欠いた。それはお互いだったが、うちはプレーするチームなのでどんどん切り替えていけばいいのに、1回1回ファウルどうこうで切り替えがどんどん遅れ、45分が正直もったいなかった」(甲府・安間監督)
「前半はプレーが途切れ途切れになり、フラストレーションが溜まった」(甲府・石原克哉)
ということで、確かに審判がプレーを止めることが多かった。直接FKの数が、湘南20、甲府30、合計50とはかなり多い。そこで、湘南のゲームで直接FKが50を超えるか、一方のチームだけで30以上あった試合を振り返ってみる(延長戦が廃止された2002年以降)。

・2002年第7節甲府戦 湘南23+甲府31=54(引き分け)
・2003年第2節川崎戦 湘南29+川崎29=58(敗戦)
・2003年第24節川崎戦 湘南24+川崎27=51(敗戦)
・2004年第22節仙台戦 湘南21+仙台34=55(勝利)
・2006年第12節横F戦 湘南12+横F30=42(敗戦)
・2007年第9節東V戦 湘南22+東V28=50(勝利)
・2008年第38節甲府戦 湘南20+甲府30=50(勝利)
<参考:ジョージ降臨試合>
・2007年第39節東V戦 湘南29+東V20=49(引き分け)

 なんか常に相手がたくさんの直接FKをもらっているような印象だが、暗黒期の湘南の守備のことを思い返すと、一概に不当とも言えまい(相手は皆上位チームだし)。ただ、J2の歴史を見れば、今回のレフリングが特別に際立って異常ということではないようだ(個々の判定が妥当かどうかは別として)。
 そこで次に、各シーズンの90分当たりの平均FK数(順に、湘南の直接FK+相手に与えた直接FK=FKの合計)を見てみる。

・2002年 17.45+17.75=35.20 
・2003年 18.11+17.16=35.27
・2004年 16.89+16.68=33.57
・2005年 16.43+15.41=31.84
・2006年 18.02+16.42=34.44
・2007年 15.25+14.06=29.31
・2008年 14.71+13.94=28.66

 ここから直観的に語ると、2006年を例外として、J2の審判たちはファウルを吹く回数を減らそうとしていることが伺える。つまり、今日の試合における直接FKの数は、歴史的に見れば特異例というほどではないが、近年の試合では全体に笛の回数が減っているので、違和感を強く感じさせるものだったということだろう。
 …なんというか、個別の判定の是非から離れて考察することには意味がないと考える人も多いと思う。でも、個別に見れば誤審を完全に排除することは出来ないのだから、総数で語ることにもいくらかは意味があるのではないかなと、私は考える。そうやって心中の不満を押さえ込もうとする試み。。。。。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
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