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2009年2月11日 (水)

フェリペ解任でチェルシーはどうなる

 ルイス・フェリペがチェルシーから解任された。アブラモさんからすれば、勝ち点49の4位という現在の成績は、もちろん、満足のいくものではないだろう。しかし、リーグ後半戦に入ってからの突然の監督交代は、あまりにも性急な判断に思われる。すでにマンチェスター・ユナイテッドの独走を許しているなかで、いかに巻き返したところで優勝の可能性は乏しい。チャンピオンズリーグ優勝のチャンスは残されているが、決勝トーナメント開始までの期間は1カ月しかない。昨年のモウリーニョ辞任劇もそうだったが、後先を考えていないかのようなアブラモさんの「審判」には、戸惑いを覚えずにはいられない。

 今さらいうまでもないが、フェリペは2002年W杯の優勝監督であり、万年、未完の大器だったポルトガル代表を強豪の一角に押し上げた人物である。選手の個人技を尊重しながらも、守備面では我慢を強いるそのスタイルは、欧州でも通用するブラジル人監督として、確固たる名声を得た。彼の就任によって、チェルシーは昨年のモウリーニョ辞任劇からのゴタゴタを払拭するものと思われたのだが、蓋を開けてみればわずか約7カ月の短期政権に終わったわけだ。

 確かに、リバプールに敗れて優勝争いから脱落した現状を思えば、アブラモさんの気持ちもわからないでもない。しかし、フェリペにも情状の余地はあるはずだ。ポルトガル代表で一緒だったデコを与えられたとはいうものの、エースのドログバは負傷と不振にあえいでいる。また、フェリペ自らが事あるごとに天才と公言してきたロビーニョの獲得は、すったもんだの末に失敗した。彼が来ないのであればショーン・ライト・フィリップスを売り払う理由はなかったはずで、その彼らは今やマンチェスター・シティで揃ってプレーしている。また、得点王争いをリードしているアネルカにしたところで、強豪相手に成果を挙げているとはいい難い。

 しかし、致命的だったのはライバルチームとの対戦成績だろう。チェルシーにマンU、アーセナル、リバプールを加えた4強体制が続くプレミアリーグにおいて、優勝の鍵はライバルとの対戦をいかに制すかにかかっている。しかし、首位マンUにはホームでは引き分けたものの、アウェーでは3-0の大敗。リバプールにはホームでもアウェーでも敗北したし、負傷者続出で5位に沈むアーセナルにもホームで敗北した。まだアウェーでのアーセナル戦を残すものの、優勝を争うライバル相手にリーグ戦では1つも勝っていない。優勝への絶対条件をまったくクリアできなかったのは、明らかだ。解任の理由としては、十分だろう。

 だが、それにしてもこのタイミングでの解任は無謀に思える。来季から優秀な後任監督を迎えるため、今の段階で「空き」を作っておくという考え方もあるかもしれないが、むしろフェリペ就任の過程こそがそうだったわけで、失敗に失敗を重ねることにはなるまいか。その意味では、解任前に後任監督を確保していてしかるべきだろう。その意味で、新監督を探しながら、当面はアシスタントコーチが指揮を執る――というクラブからの発表は、理解に苦しむものだ。

 巷では早速に次期監督の名前が取り沙汰され始めたが、誰になるにせよ、就任のタイミングは問題になるだろう。すでに名声のある監督にとって、いきなりチャンピオンズリーグの決勝トーナメントに臨むというのは、いかにもリスクの高いチャレンジだ。現在挙がっている名前をみても、来季開幕からというのが無難なところだろう。例えば、この段階でミランがアンチェロッティを手放すことはないだろう。また、元バルサ監督のライカールの就任は、デコとの関係が微妙になるかもしれない。現ロシア代表監督のヒディンクも有力視されているが、それはまたそれでどうだろう。ロシア・サッカー協会が兼任を認めるとのコメントを発したようだが、こちらとしてはアブラモさんの権力のデカさを思い知るばかりである。そもそも、チェルシーのファンは納得するのだろうか。
 例えば、韓国代表時代のヒディンクが、楽天の資金力によって神戸の監督を兼任することになったとして、サポーターは喜んだだろうか。そもそも、今でこそ当たり前になってしまったが、かつてのイングランドでは外国人監督を迎えること自体、物議をかもしていたと思うのだが。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
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