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2009年3月30日 (月)

ソアレスの使い方を模索するベガルタ仙台

 昨シーズンの主力選手の大半が残ったベガルタ仙台にとって、上積み要素として期待されるのがFWマルセロ・ソアレスだ。この日は中島裕希と2トップを構成した。敵ながら興味をもって見ていたのだが、ハーフタイムにあっさりと退いたのには、肩透かしを食らった感がある。
(2009年3日29日 湘南ベルマーレ1―0ベガルタ仙台 平塚競技場)

 チリチリ頭に猫背気味のソアレスの容貌は、往年のラモス瑠偉をちょっと思い起こさせる。そういった外見的イメージは把握したが、プレーの印象は薄い。特徴がつかみにくいタイプだと感じた。ポストプレーで身体を張るというのでもなく、相手のミスをひたすら待つというのでもなく、裏を狙って走りまくるでもなく、超絶ドリブラーというわけでもなく、ボールを受けに下がって回りを使うでもなく、前線からのチェイスに燃えるDFWというわけでもない。
 監督コメントによると「最終ラインの裏にどんどん走ってもらいたかった」ということだが、確かに序盤はそういう意図が伺えた。ただし、そういったプレーは徐々に影を潜め、下がってボールを受けたり、楔のボールにジャーンと競り合うシーンが増えた。その意味では監督の意図とは異なるプレーだったのかもしれないが、単純にスルーパス1本でチャンスを作れる状況ではなかったので、違った形での打開に向かわざるを得なかったのではないか。
 ソアレスと中島のコンビネーションは乏しかったと思う。一度、偶然かもしれないが2人が交差したときには危険だと思ったのだが、そのようなプレーを続けるでもなく、2人の距離は離れたままだったし、連動している印象は薄かった。中島が斜めに走って中央からサイドに流れ、空いたスペースにソアレスが侵入するような狙いがあったのかもしれないが、表現されたものは別のものだった。2人ともそれぞれマッチアップ相手と睨み合いながら裏へのパスを待っていた。

 しかし、繰り返すが、タテパス1本で裏をとることは望み薄だった。正直言って、湘南CB村松大輔に対するスカウティング不足なのではないかと疑っている。裏へのボールを追走するときの村松のスピードを知っていれば、ああいったシンプルなタテパス狙いはありえないと思う。
 それゆえ、2人のコンビネーションに修正を加えてくるかと思っていたのだが、仙台ベンチはハーフタイムでソアレスを交代させてしまった。「前半、ソアレスの裏に抜ける動きのほうがすこし足りなかったという感じ」というコメントとともに。まだ改善の余地があるし、やり方次第では脅威になりうると思われたのだが。前節の監督コメント「使うことで良くなってくるということもブラジル人選手にはあるから、辛抱しながら使っていく」を鑑みると、言行不一致の印象を受ける。

 代わって入った田中康平は「クサビでターンしたりクサビに対してもぐりこんで2列目を飛び出させるような展開」を意図しての投入だというが、それもチグハグな印象。ソアレスの裏への動きが物足りなかったのではなかったの?
 63分には中島裕希に代えて永井篤志を投入。永井は中盤に入り、関口訓充を前線に上げたが、その狙いは私にはよくわからなかった。
 85分頃からはCBのエリゼウを前線に上げたが、しばらくは従前どおりの攻撃イメージで、パワープレーという印象を受けたのは最後の最後だけだった。
 得点不足に悩まされている仙台は、この日の試合中だけでなく、2トップの組合せをいろいろと試している段階のようだ。ここまで5試合で先発2トップの組合せは4通り。中島、ソアレス、田中、平瀬智行、中原貴之をいろいろと組み合わせているが、「これ」という形は見出せていないようで、むしろ選手達は混乱しているのかもしれない。
 ただ、やはり地力を感じさせるチームなので、この混乱から脱してくると昇格争いに絡んでくるだろう。

 湘南については、得点シーンについて。
 唯一の得点シーンはCKから田原豊のヘディングを突き刺したもの。坂本紘司がCKを蹴って今季早くも3点目だ。湘南のコーチたちは、過去にも何度か坂本にプレイスキッカーを任せようとしたが、それはいずれも奏功せず、私はもう諦めていた。なのにこの覚醒ぶり。
 坂本自身の努力もあるのだろうが、ここは明らかに監督力が効いている。単純にファーストオプション(ジャーン)めがけて蹴り、あとはジャーンが勝てるかどうか、というようなキッカーとジャーンに依存したCKではなくなっている。田原豊というセカンドオプションが加わった効果もあるが、それだけでなく、他の選手がスクリーンプレー(バスケ専門用語?)を使ってフリーの選手を作り出そうとしている。
 この日のゴールも、ダイジェスト映像だけを見ると「田原豊をドフリーにする仙台DFの頭がおかしい」と言いたくなるが、画面の外側にそういった策が潜んでいるのだろう。

【キャプテンマーク予想ゲーム】
 開幕から「日替わりキャプテン」の湘南。田村→ジャーン→坂本→寺川→野澤、ときた。次節は臼井幸平と予想。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
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