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2009年4月20日 (月)

ヨレヨレ湘南と岐阜のスカウティング

 J2では監督よりもフィジカルコーチが重要、そう語っていたのは反町康治だが、それを実証するようなヨレヨレのゲームだった。ただし、選手の起用を決める以上、責任を負うべきは監督だ。反町はそれを承知のうえでヨレヨレの選手を起用していると思う。捨て試合ではないとしても、実験的な意味合いは込められていたのだろう。
(2009年4日19日 湘南ベルマーレ2―2FC岐阜 平塚競技場)

 新車を買ったら、エンジンを高回転で回して負荷をかける。今のベルマーレはその状況なのだろう。開幕から9試合、スタメン10人を完全固定し、交代要員もほぼ決まった顔ぶれ。ウィークデーにアウェーでの試合があったという事情もあり、コンディションの悪さが明らかだった。ルーズボールやパスへの反応の遅れが顕著だったし、「あなた任せ」のパスも目についたし、ニュートラルのルーズボールに対してアタックするよりも引いてしまうような選手がいた。
 今のスターティングメンバーが連戦に対してどの程度の耐久度があるのか、それを把握しようと、反町康治監督はあえてコンディションの落ちている選手もそのまま起用しているのだろう。そうとでも考えなければ納得できない。選手のコンディションを最優先にして出場選手を決めるのであれば、今日の起用法はありえない。それほど酷かった。

 とはいえ、湘南のコンディションだけですべてを語ってしまうのは適切ではない。
 岐阜のスカウティングの成果を感じさせる内容だった。サイドチェンジで湘南の選手に揺さぶりをかけ、プレスが緩くなったところを狙って攻撃を仕掛ける。時間と人数をかけずにCFの片山真人めがけてクロスを入れることを基本線としていた。登録上2トップの一角を占める片桐淳至はサイドでの仕掛け役に回ることが多く、SHの選手が前線に飛び出す役目を担っていたのだと見た。
 岐阜の先制点はそのねらいから生まれた。湘南から見て右サイドに位置した片桐にサイドチェンジからのボールが入り、寺川能人に寄せられる前にアーリークロスを入れるようなモーションから、そのまま左足アウトにかけたシュートをネットに突き刺した。片桐の個人技能が発揮されたビューティフルシュートであるが、と同時に、湘南のウィークポイントを突いた攻めだった。アジエルに組織的な守備のタスクを課さない、中盤の寺川・坂本はボールサイドに偏ることも辞さずに守ろうとするのでウィークサイドは手薄になる、ということから、あの位置はどうしても手薄になりがちなのだ。
 反町監督の「今日の2失点は、相手を褒めるべきではなく、自分たちのミステイクでやってしまったということ」というコメントは、その弱点を踏まえつつも、カバーリングをより充実させるとか、あるいはサイドチェンジを許さない、といった対策が不十分であることを語っているのだろう。J1に行くつもりなら、あの弱点は放置できるようなものではないし。

 この後、湘南はメンバーの変更が始まるだろう。J2を知り尽くした反町が、固定メンバーだけで51試合を戦おうとは思っていないはずだ。ただし、田原豊への依存度が大きく、アジエル以上に替えが効かない存在になっているのが気になる。

【キャプテンマーク予想ゲーム】
 開幕から「日替わりキャプテン」の湘南。田村→ジャーン→坂本→寺川→野澤→臼井→阿部→アジエル→村松ときた。次節は田原豊で鉄板でしょう。

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コメント

いつも楽しみに拝読させていただいております。
(実は以前にもコメントさせていただきましたが、ハンドルネームは今回のとは違っていたかも知れません・・。それはさておき・・)
>田原豊への依存度が大きく、アジエル以上に替えが効かない存在になっている-

なるほど、そーいう見方ですか。
たしかにそーかも知れませんねぇ。。

田原も然りですが、(結果はまださほど出ていませんが)阿部、田原の組み合わせは結構絶妙な気がしております。(もちろんアジエルあってでしょうけれど・・)
では、これからも楽しみにしております。

>S_Rさん
コメントありがとうございます。
もちろんアジエルと同じプレーをできる選手はいないのですが、守備を頑張るとか、前線に飛び出すとか、アジエルとは違う持ち味で貢献できる選手はいます。
一方で、前線でボールを収めたりハイボールに競り合うという役目は誰かが担わなければなりません。この役目を田原と同等にこなせる選手はいないだろうと思われるのです。
そういう意味で「田原の代わりはいない」と考えています。

ただ、田原の加入前は別の選手で3トップを構成していたのですから、反町監督は田原のいない3トップにも成算を持っていたのだと思います。それも見てみたいような気もしますね。

阿部は、攻守にものすごく頑張っていると思います。もう少しシュートを決められると理想的なのですが、そうなるとJ1チームが放っておかないでしょうから、悩ましいところです。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
    高スポの陰の支配者。湘南ベルマーレを愛する先天性ジャパニーズ。

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