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2009年6月27日 (土)

気づいたら服部年宏がいた

 無闇に目立ちながら実効性に乏しかった大黒将志と、やたら地味でありながら効能が際立っていた服部年宏の2人がヴェルディのキープレーヤーだった。
(2009年6日24日 東京ヴェルディ2―1湘南ベルマーレ 国立競技場)

 この日決まった3つのゴールは、いずれも技巧を生かしたファインゴールだったのだが、その割に試合全体の印象はパッとしなかった。負けた湘南はもちろんのこと、勝ったヴェルディにしても、今ひとつ物足りない内容だったのではないか。
 そんな中で殊勲者を挙げるとしたら服部年宏だろう。この日が復帰第2戦の服部は、昨シーズンまでとは違って(?)ボランチで起用され、ニクいプレーを見せた。特に後半、セカンドボールを拾いまくっていたのだが、それはもっぱらポジショニングによるものだった。服部がボールの位置、両チームの選手の配置に合わせて微妙に移動すると、そこにこぼれ球がやって来る。この服部のプレーにより湘南の攻撃は出鼻を挫かれ、ペースをつかめないでいた。
 さらに、守備時にはアジエルのドリブルに丹念に応対し、ちょっとしたコントロールミスを見逃さずにカットする。ピンチになると最終ラインに下がって湘南の選手から自由を奪う。特に攻め上がりはしないが、ボール回しの中で良いタイミングでタテパスを通してくる。これまた最近になって戦線復帰を果たした土屋征夫とともに、ヴェルディの守備の安定に資するところが大きく、柴崎晃誠が後顧の憂いなく前進できているのだと思う。

 そんなわけでヴェルディの守備には強豪チームの雰囲気が漂っていたのだが、その一方で攻撃はチグハグな印象だった。
 ヴェルディの攻撃のキーマンは紛れもなく大黒将志だ。とにかく目立っていた。J2レベルの選手ではないという評価は妥当なもので、相手DFにとっては常に脅威であり続けていた。が、その別格ぶりは味方にとっても成り立つもので、その異次元のプレーに味方選手が対応できていないように見えた。
 味方がボールを奪った瞬間、パスが味方選手に渡った瞬間に大黒は素早く動き出す。湘南のDF陣、特に村松大輔が対応してはいたものの、ここにパスが出ると怖いと思えた。しかし、ヴェルディのボール保持者からパスが出る気配はなかった。そもそも大黒の動きを見ていたのかも怪しいぐらいだった。大黒がボールを受けるのは下がったときだけで、そこでボールを持ってもさほど脅威でもないし、大黒のポストプレーで平本一樹が裏へ抜けるっていうのも何かが狂っている印象だ。林陵平がいればまた違ってくるのかもしれないが。

 とかいいながら決勝ゴールを決めたのは大黒だった。
 コーナーキックから土屋がヘディングをし、GKの鼻先で大黒がちょっとボールに触ってゴール。さすが大黒と言わざるを得ないゴールだったが、上に述べたようなチグハグ感は変わらない。「チームが自分を生かしてくれないから自分で仕事を探した」という性質のゴールであり、チームとしての意図や狙いとはあまり関係ない個人技能が前面に出たものだからだ。
 それで良いのなら、湘南のゴールの方が評価できる。
 左SBの鈴木伸貴がコーナー付近から上げたクロスはやや苦し紛れっぽかったが、それをファーサイドで右SB臼井幸平がダイレクトで折り返し、ゴール前の阿部吉朗がボレーで叩き込んだ。

 湘南にとって良かったのはこのゴールシーンぐらいだった。言い過ぎか。
 守備面の問題を挙げてもよいのかもしれないが、それよりも気になるのは攻撃にダイナミックさが欠けてきたことだ。サイドバックのオーバーラップが良い時に比べて減っているのかもしれないが、前線で裏を狙う動きが少ないことのほうが気になる。田原豊への信頼感の表れともいえるが、田原への圧力(物理的な)を軽減するためにも、裏を狙ったプレーを混ぜるべきだろう。アジエルが裏へ走らないのが仕様だとすれば、中村祐也の課題なのかもしれない。また、この日に関しては坂本紘司や寺川能人が前線に飛び出すことが少ないようにも見えた。
 まあ、久しぶりの敗戦だし、ジャーンが出場停止になるし、いろいろリセットするためのいい機会だろう。
 
【キャプテンマーク予想ゲーム】
 3巡目に突入した湘南のキャプテンマークリレー。この日は田村だった。次節はジャーン不在なので鉄板坂本だろう。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
    高スポの陰の支配者。湘南ベルマーレを愛する先天性ジャパニーズ。

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