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2009年6月24日 (水)

阿部吉朗の目覚ましライジングショット

 変態シューターの面目躍如。阿部の一撃が、80分間にわたって霧中でボーっとしていたチームを、サポーターを、強烈に揺り起こした。その後の盛り上がりは阿部のおかげだろう。
(2009年6日21日 湘南ベルマーレ3―2コンサドーレ札幌 平塚競技場)

 前半10分に湘南が先制した。田原豊のポストプレーに走りこんだ中村祐也が右足アウトサイドキックでゴール隅に蹴り込むという、今季の湘南を象徴するような攻撃だった。
 にもかかわらず、その後の湘南は不本意な出来。短いパスを繋ごうとする攻撃は、上手くいくときはよいが、成功しないと溜息を招くものだ。両サイドバックの攻め上がりの回数が少ないように感じられた上、クロスの精度を欠く。そのうえ札幌に逆転されたとあっては、スタンドが意気消沈するのも無理もない。
 札幌の石崎信弘監督は後半開始からFW中山元気を投入し、前線からの闇雲チェックを敢行させた。これが効果覿面。湘南の守備陣はだらしなくもアタフタし、あっという間にPKを献上。同点になった。さらにその9分後には右サイドでフリーになった藤田征也からのアーリークロスに逆サイドから飛び込んだ西大伍がヘディングで合わせて逆転。このゴールは敵ながら見事なものだったのだが、藤田をあそこまでフリーにするのはやっぱり問題だ。
 
 その意味で、中村祐也のさらなる飛躍が求められるところだろう。確かに彼は上手だしゴール前で落ち着いているので、フィニュッシャーとして素晴らしい。しかし、現状だと「ゴールしてナンボ」の選手になっていて、それ以外の局面での貢献度が物足りない。
 湘南の最初のベンチワークが中村祐也から阿部吉朗への交代というのは、別に懲罰でもなんでもないだろうが、それにしても象徴的なものだった。阿部の上下動でピッチの中に波紋がもたらされ、その労苦に報いるために阿部の足元にチャンスが転がり込んだのだろう。
 なにしろあれは、なんということのないロングボールだった。競りに行ったジャーンがボールに触ったわけでもないのに、札幌DFのヘディングでなぜか阿部のところにボールが来た。バウンドしたボールの上がりばなを叩いた「ライジングショット」がゴールを揺らした。
 この後の湘南のイケイケぶりについては省略。目が覚めたら残り10分だし、札幌の選手は疲れ切っていたし、押せ押せになったのは当然のことだ。もちろん、ユース出身の猪狩佑貴が逆転ゴールを決めたのは喜ばしい。

 冷静に考えると、どちらのチームも不甲斐ないともいえる。ミエミエのフォアチェックにバタバタしてしまう湘南。湘南の4トップ大作戦であっさりと押し込まれてミスをしてしまう札幌。イタリア人には見せられないゲームだったろう。でもここは日本だし、ジメジメモヤモヤの霧中の戦いだったので、致し方ない部分もあると思う。…のだけど、今日は国立でヴェルディ戦。またしても雨上がりの湿度の高いコンディションになりそうだ。2試合続けてああいうゲームは見たくない。締まったゲームで勝って欲しいね。
 
【キャプテンマーク予想ゲーム】
 2巡目は田村→坂本→ジャーン→寺川→野澤→臼井→中村→アジエル→村松→鈴木伸貴→田原ときた。次は田村に戻ると見るのが妥当だろうが、あえて永田と予想。
 いやね、寺川に精神的なリフレッシュが必要だと思うので。CKを中途半端に敵ボールにしてしまったのは仕方ないとしても、ファール気味にボールを奪われた際の切れかけた表情が気になった。それに、永田の出来が良かった。同点ゴールの前だったか後だったか定かでないのだけど、最前線に駆け上がってボールホルダーにプレッシャーをかけたシーンなど、足りなかったものをつかみかけている印象なのだ。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
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