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2010年4月29日 (木)

リアリスト反町が動き出したか

 いよいよ反町康治のリアリズムが発動されたということか? 相手のストロングポイントを潰すべく、マンマークを採用した。「全体的なクオリティからいうと高くはない」とかいうコメントは、密やかな自画自賛ととれなくもない。
(2010年4日25日 湘南ベルマーレ1―0ベガルタ仙台 平塚競技場)

 ジャーンの戦線離脱により、湘南のDFラインから高さが失われた。前節の対戦相手であったセレッソは平面的なコンビネーションが持ち味なのでともかく、長身FW中原貴之のヘディングが湘南戦での得点源となっている仙台が相手である。湘南にとっては試練だった。
 で、反町は180cm未満のDFラインをいじらず、本来はアンカーである田村雄三(180cm)を中原に「緩やかなマンマーク」で対応させた。まず、仙台のゴールキックの場面では、明確にマンマークであった。中原はタッチライン沿いに位置取りすることが多く、田村もその近くにいた。また、仙台がボールを奪って攻守が入れ替わった時にも、田村は中原の姿を探してすかさずマークについていた。田村は攻撃時にも中原の位置を常に確認していたようにも思える。
 そうして守備の開始時にはマンマークを意図していたようだが、これは「緩やか」なものだった。たとえば2009年夏の鳥栖戦で島村毅は鳥栖のFWハーフナー・マイクにフルコートで付きまとっていたが、それとは違う。田村と中原が離れている際には他の選手が中原をマークするなど、チーム全体で中原をケアしている様子が窺えた。また、田村は中原へのマークだけをしていたわけではなく、ボールへのチェイシングも行い、チャンスと見ると相手DFラインまで追いかけていた(そしてエリゼウのミスパスを誘発した場面の連動は素晴らしかった)。

 いずれにせよ、守備の開始時には田村が定位置であるバイタルエリアを離れていた。その意味で守備のバランスの悪さは否めなかったのだが、致命傷になることはなかった。もちろん、湘南のMF坂本紘司と、初出場のハングギョンの2人がしっかりカバーしていた。しかし、それ以上に仙台のキーマン梁勇基のコンディション不良が影響したのだろう。プレースキックを蹴らなかったことから不調は明らかだったが、それ以上に、中央でゴール前に走り込む場面が目立たなかった(なかった?)。
 そして、仙台には梁勇基の不調をカバーする意識があまりなかったと思う。この日の仙台は右SHに太田吉彰を先発させていた。右サイドからのクロスを期待されていたのだろう。ところが、なぜか中原が右サイドから動き出すシーンが多かった。自身の得意の形を狙っていたのだろうが、「太田のクロス→中原の頭」が湘南DF陣に脅威とならなかった。梁が好調であればそれでもよいのかもしれないが、この日の布陣を生かせていたとは言い難い。

 湘南からすると、手薄な中盤に新戦力が台頭したことにも意味のあるゲームだった。
 先述のように、中盤のバランスがいつもとは異なる戦い方で、前に出にくい状況だったが、それでも何度かは良い感じでゴール前に上がっていった。ボールタッチは少なかったが、少ない機会では良い選択と良いプレーを見せたと思う。完全にフィットしたとはいえないものの、今後に期待をしてよさそうだ。
 
 ジャーンとアジエルの復帰はW杯後になるだろう。中断前のリーグ戦は残り3試合。ここをどのように戦うかが今季を左右するだろう。
 次節の相手である川崎はACL帰りで中2日で稲本と鄭大世が欠場する。その次の神戸は不調にあえぎ、中断前最後の相手は代表選手を多く抱える強者ガンバである。チームの形を多少崩しても、相手に合わせた戦い方をしやすいタイミングであるし、反町康治は策を練るだろう。その意味で、「チームの目指す形」を重視していた開幕当初のマリノス戦や広島戦とはシチュエーションが違う。
 この日の「マンマーク」はそうした反町現実主義路線のはじまりなのだろう。

【キャプテンマーク予想ゲーム】
 今シーズンも日替わりキャプテン。ジャーン→寺川→坂本→野澤→田村→阿部→臼井→田原ときた。次節は中村祐也かなあ。

※追記:この日のMVPは田村かと思ってたけど、試合が終わってから考えが変わった。「ベルマーレクィーン&マーメードとハイタッチ」企画を考えた人がMVPです。高さがなく見づらいゴール裏席の弱点を逆手に取ったナイスな企画だ。いやあ、キモオタ君はゴール裏に集合! 私も行きたい(試合中にチョロチョロする小学生にはもううんざり)のだけど、シーチケ保有者は動けないんでしょ?

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
    高スポの陰の支配者。湘南ベルマーレを愛する先天性ジャパニーズ。

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