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2010年6月13日 (日)

前近代的ギリシャに攻め手なし~韓国対ギリシャ

 アグレッシブな韓国に対し、まるで攻め手のないギリシャ――。コーナーキックからの先制点がすべてを決めてしまった試合だったといえるだろう。未だ“前近代的な戦術”を貫くギリシャは、ユーロ2006を制したときの几帳面な守備がみられないばかりか、自ら攻撃を仕掛けることもできなかった。韓国にとっては、貴重な勝ち点3を楽に稼げたグッドゲームだったろう。

 2006年のユーロで優勝したギリシャは、ロングボールとセットプレーのみでゴールを狙う時代遅れの戦術を今も貫いてはばからない。専守防衛の戦術は極めて退屈であり、あの時のセットプレーからのゴールのみで勝ち上がっていった姿は、やり場のない怒りとともに今も強く印象に残っている。
 そんな彼らにとって、試合の序盤にコーナーキックから失点したことは致命的だったろう。自分たちより明らかに背が低い韓国選手をなめていたのか、ゴール前で相手センターバックをあっさりとフリーにしてしまった。しかも、頭ではなく脚で決められてしまうのだから、これはもう痛恨のミス以外の何でもない。
 勝利を見込めると踏んでいたアジアの小国に序盤から先制されたとなれば、彼らも取り澄ましてはいられない。失点をした直後に慌てて人数をかけて攻撃に出たが、追いつくまでには至らなかった。
 そもそも、彼らには能動的に攻めるという発想がないため、長身選手へのロングボールを送り込む以外の攻撃パターンを持っていない。だから、攻撃に人数をかけてもパスをつなげるわけでもなく、サイドを抜くこともできない。何せ、両サイドバックにオーバーラップしてクロスを上げる役割を期待しないチームのだから、それも仕方あるまい。結局、ギリシャは最後まで攻め手を欠き、ゴール前に頭数を並べてはアーリークロスを放り込むのが関の山だった。
 一方の韓国からすれば、後半開始まもなくに挙げた2点目は、試合を終わらせる一撃だったといえる。体格でかなわない分、何が起こるかわからないとはいえ、ギリシャの攻撃自体は彼らを脅かすものではなかった。ゴール前のハイボールこそ警戒すべきだったが、中盤では楽にボールが持ててしまう。なぜなら、ロングボールによるカウンター以外の武器がないギリシャは、自陣深くでのボール奪取を狙うため、中盤からタイトなプレッシャーをかけて来ることがない。あの韓国が、ボールをボールを奪ったときにカウンターへ行くべきか、ボールを回して時間を稼ぐべきか躊躇する姿は、笑える光景だった。
 そんなわけで、史上最強と形容される韓国の実力のほどは今ひとつ分からなかった。彼らのアグレッシブさが、同グループのアルゼンチン、ナイジェリアに通用するかどうかは注目だ。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
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