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2010年6月12日 (土)

修正すべきはバランスを欠く中盤~フランス対ウルグアイ

 カウンター狙いのウルグアイに対し、フランスは最後まで攻めあぐねた。シュート数は多かったが、決定機と呼べる場面はほとんどなかったといえる。可能性の低いミドルシュートを打たされたり、いささか無茶なクロスにアネルカが身体能力で競り勝ってヘディングするなど、効果的に攻撃していたとはとても言いがたいゲームだった。中盤がバランスを崩しているのは明らかで、前線で踏ん張っていたアネルカを下げてアンリを投入したドメネク監督の采配も、大いに疑問符がつくところだ。一方でカウンター頼みのウルグアイは、10人になりながら無失点で切り抜け、多くはないがフォルランが決定的なシュートを放ったことで手応えを感じたはず。というわけで後天性フランス人としては、完全なフランス視点で。

 個人的に気になった点は2つ。第一に、リベリーのプレーは相変わらず傲慢にみえる。ユーロの際にも感じた点だが、彼はサイドアタッカーの役割を与えられながら、同時にゲームメーカーとして振る舞う。それは結果的にグルキュフのプレーエリアを侵蝕し、守備面でのリスクを増大させる。2トップではないのだから、常に足元でボールをもらおうとするのではなく、走り込んでボールをもらう動きがリベリーには求められていた。裏を狙わないウイングほど守る側にとって楽なものはないというのに。左サイドを主体に攻めながら無得点に終わったことは、そのへんのバランスの悪さを示すものだろう。
 一方、右サイドに入ったゴブは、アネルカを追い越すプレーを意識していたはずだが、そこにボールが届くことは少なかった。結局、終盤にグルキュフとマルダが交代し、左右が入れ替わってからの方が攻撃は機能していたといえる(もっとも、すぐにウルグアイが10人になってしまったのもあるが)。リベリーにとっては窮屈なのかもしれないが、右サイドで純粋なサイドアタッカーとしてプレーさせた方が、チームには都合が良いはずだ。ゲームメーカーであるグルキュフも生きてくる。ただ、マルダの守備力にも大いに不安があるので、ここは左サイドバックをクリシーに託し、エブラを一つ上げる方が面白いと思うが、いかがだろうか。
 そして、第二の問題は、トゥラランとディアビのボランチのコンビ。攻撃を優先するならディアビの果敢さは大きなメリットだが、逆に守備面の不安は増大する。そもそも彼はドリブラーであり、パスの供給者としては視野が狭くて判断が遅い。中央付近で敵のプレッシングに遭う危険性は極めて高く、いうまでもないがこの地点でボールを奪われると、そのままカウンターを喰らうことになる。それは所属するアーセナルでもしばしばみられるシーンで、その危険性を承知しているからこそ、トゥラランは守備を意識したプレーに終始せざるを得ない。
 本来、この試合のウルグアイのようなやり方をされるのであれば、フランスこそが中央付近でボールを奪わなければならない。それが最も効果的な攻撃のきっかけとなるはずなのだが、残念ながらディアビはそれに適したキャラクターではない。といっても、ラサナ・ディアラがいない以上、アルー・ディアラに期待するしかないわけだが・・・・・・。うーん、マケレレが欲しい。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
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