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2010年6月10日 (木)

怪我した金永基が気になって台無しだった。主審のせいだと思う

 ハイボールに競った後、怪我して立ち上がれないゴールキーパーがうずくまる中での勝ち越しゴール。担架に載せられた彼がピッチを去り、しばらくすると救急車がやってきて彼を連れて行った。もう戦術だの勝敗だのを云々するようなシチュエーションではない。気もそぞろで、落ち着いて試合を見ていられなかった。観客を集めて行う興行として失格だ。主審がちょっとインテリジェンスを働かせればそんなことにはならなかったのだけど。
(2010年6日9日 ヤマザキナビスコカップ予選リーグ 湘南ベルマーレ2―3ヴィッセル神戸 平塚競技場)

 今のところ湘南GK金永基の怪我の程度も原因もわからない。私自身は断言できない。ノーファウルで、いわゆる自爆なのかもしれない。が、それでも、主審はあの勝ち越しゴールを認めるべきではなかったし、神戸側のファウルを吹くべきだった。
 主審の目にファウルは映らなかったのかもしれないが、金永基が立ち上がろうとして崩れ落ちた場面は見えていただろうし(それすらも見えていないというのであれば、「どんだけボールウォッチャーなんだ」と罵声を浴びせないといけない)、ノーゴールにすると決断できたと思うのだ。笛を吹くのが多少遅れて後からゴールを取り消すというのでも別によい。
 ファウルは一切なくゴールは正当なものだったとしても、目の前で選手が倒れてうずくまっているのだ。そして両チームとも予選リーグでの敗退が決まっている最終戦という状況を考えれば、神戸にとっても「仕方ない。これもフットボールだ」と自らに言い聞かせる材料があった。

 ファウルが吹かれたからといって金永基の怪我の代償になるわけではない。しかし、実際になされた仕打ちに比べれば随分マシだ。現に行われた仕打ちとは、審判による次のようなメッセージを表したものだ。すなわち、「笛が吹かれるまでは這ってでもボールに飛びつけよ!」「なんでそんなプレーで怪我するんだ?」と(口調は脚色しています)。
 そう思わせてしまったことで、湘南の選手達も、観客も、試合に集中できなくなってしまったと思う。「サッカーに怪我は付き物だ」という決まり文句では気持ちを整理できなかったのはそのせいだ。選手達はともかく、少なくとも私はそうだ。いつかのルーカスのように意識が失われたわけではないので、ヨンギを心配しつつも「今はゲームに集中しよう」と切り替える余地はあったはずなのだが。

 審判批判は好きではない。ただまあ、今回の件については松尾一氏本人も堪えているのではないかな。あのプレーの後のジャッジはメロメロだったし。
 問題なのは審判の技量だとか頑迷さだとかではない。常套句である「試合が壊れた」ということを言いたいのではなく、「興行が壊れた」ということなのだ。フットボールとしての「正しさ」を根拠にして批判しているのではなく、興行として「適切かどうか」を根拠にして批判している。そしてそれを主審に要求するのは異論があるかもしれない。けれど彼はプロフェッショナルレフリーだから、興行として盛り上がるかどうかも判断材料の1つとしてほしいところだ。その点では今日のジャッジは失格だったと思う。

 そんなわけで後半にブチ切れていた私とは対照的に、湘南の選手達は一時的に集中が切れていたものの、その後は必死に結び直そうとしていた(祐也と茂木の小競り合いは、私の席からは先に茂木が肘を出していたように見えた)。その意味では反町監督のいう「ベストファイトだった」という言葉には同意する。
 そんな彼らに神の祝福のあらんことを。
 反町監督には南アフリカから無事に帰ってくることを祈ります。マジで。

※ナビスコカップの映像って、テレビ放送がないとまったくないの? なにそれ。J1定着組の皆さんはこれを問題にしていないの? 放映権をもっているのに放送せず抱え込んでいるのって批判すべきでしょう。フィギュアスケートファンがテレビ朝日に文句を言うように、フジテレビに文句を言わないとイカンでしょう。

【キャプテンマーク予想ゲーム】
 今シーズンも日替わりキャプテン。ジャーン→寺川→坂本→野澤→(中山)→田村→阿部→臼井→田原→村松→新居→中村→(山口)→(永田)→(小澤)→(ハン)→(三平)ときた。中断後については田村だろうと予想するし、そうあるべきだとも思う。

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コメント

シミュレーションや時間稼ぎで倒れる選手が多くいる現状では審判にとっても仕方がないことだと思います。

また、審判が「興行」として盛り上がるかどうかを判定の基準の一つにしたのでは、プレイする選手にとっては堪ったもんじゃありません。「興行」として考える人間はピッチ外にいるべきであり、ピッチ内にいてはフットボールじゃないでしょう。プロレスじゃないんですから。

そもそも文章を読むと試合が台無しになったのは、「金選手が救急車に乗せられていくような怪我をしたこと」であり、「怪我をしてうずくまっている時に点が入ったこと」ではないですよね。
ということは興行として失敗だとするならば、「救急車で運ばれたこと」を観客がわかるようにしてしまった部分ではないでしょうか。

したがってタイトルが「怪我で台無し → 審判のせい」というのは、ずれ過ぎではないでしょうか。
ちょっとインテリジェンスを働かせればそんなことにはならなかったのですが。

なにより、三鷹牛蔵さんが感情的になりすぎず「仕方ない。これもフットボールだ。」と自分に言い聞かせることが必要なのではないでしょうか。

>通りすがりさん
ええと、こんな記事にわざわざコメントいただき恐縮しています。

まあ件のシーンの映像を見たり、時間が経ったりしたことで、「審判を責めてもしょうがないか」という気分にはなっています。「高望みなんだろうな」と。
それでも、この試合に対する感想は変わらないでいます。

>そもそも文章を読むと試合が台無しになったのは、「金選手が救急車に乗せられていくような怪我をしたこと」であり、「怪我をしてうずくまっている時に点が入ったこと」ではないですよね。

ここの認識が私のものとは違います。
「怪我をしてうずくまっている時に点が入ったこと」で台無しになったというつもりでした。
両チームにとって消化試合であるのに、勝敗を左右する勝ち越し点を、スッキリしない形で認めなくてもよいではないか、ということです。単に負傷するだけならばそれは残念ながらサッカーの一部ですし、「『今はゲームに集中しよう』と切り替える余地はあったはず」でした。

審判はその試合の位置づけによってレフリングの「味付け」を変えています。その「味付け」に何を考慮すべきかというと、色々な考え方があるとは思いますが、私はこの試合にふさわしい配慮があるだろうと思ったわけです。ゴール裏の神戸ファンだって、もっと大手を振って喜びたかったと思うのです(私なら喜ぶよりも目の前で相手GKが倒れていることに気が行ってしまいます)。

この記事が感情的であることは否定しませんが、そもそも、インテリジェンスを働かせていたら、空模様の怪しい水曜日の消化試合のために会社を休んだりはしないわけです。とほほ。

競技規則上、救急車に乗せられるような怪我をしたのであれば、試合を停止するのは主審の任務です。仮に軽症と判断した場合でも、負傷者がGKの場合は例外扱いです。ファウルかどうかとか、興行云々の問題以前に、主審は選手の安全にも責任を負うのですから。したがって、実際に彼が救急車で運ばれてしまった段階で、プレーを停止しなかった主審には落ち度があったことになります。三鷹牛蔵氏の抱いた想いは、そういうところに根っこがあるのだと思いましたが。個人的には、怪我をしたフリをする選手には、審判たちはもっと厳格に対処すべきだと考えます。本当に怪我をした選手たちの安全を確保するために。

>誤審者さん
異なる視点からの指摘をいただき感謝しています。

競技規則のことはちらっと頭をよぎりましたが、この記事では、それはシャットアウトしました。根っこにあったかどうかはともかく、記事中で挙げていないわけですから、「ない」のと同然です。ある意味、買いかぶっていただいていたのかもしれませんが、気恥ずかしいところではあります。

今回のケースを競技規則に照らしてみれば、主審に落ち度があったととらえるのは、たぶん正しいのでしょう。
しかしながら、実際の運用において、あの瞬間に正しく処理するのはかなり難しいのではないかと感じました(映像を見るとますますその思いを強くします)。
なので、「競技規則に照らして」という正義の剣を振りかざすことはしませんでした。
普段お目にかからないような競技規則を取り出さなくても
「ピー。ボールのないところでファウルがあった(キリッ」
みたいな日常的な処理で、うまくコントロールできたんじゃないの? ということです。そういう話なので八つ当たりモードの記事になったわけです。

記事をアップした時点では上記のような考え方でしたが、今は少し反省しています。
「融通」「世間知」みたいな黙示のルールを根拠に批判されたのでは、かなわないだろうなあ、と。

なんか書けば書くほど私の傷口が広がっているような気がしますが、最後に、
>怪我をしたフリをする選手には、審判たちはもっと厳格に対処すべきだと考えます
これには強く同意です。私にとって味方の選手にもそういう行為が疑われるので、なかなか言葉にする機会がないのですが。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
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