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2010年9月 3日 (金)

高橋大輔のマンボより佐藤有香の耳福

 これがワールドチャンプの真髄か。高橋大輔については今さら言わないが、私のようなニワカにとって、今回の佐藤有香の演技は悶絶ものだった。
(2010年8日29日 フレンズオンアイス2010(千秋楽) 新横浜スケートセンター)

 高橋大輔の今季SP「マンボ」は、そりゃまあ良かった。動きにキレがあった。「マンボ」というと、4シーズン前の東京世界選手権で落胆させられたエマニュエル・サンデュに触れざるを得ないのだが、高橋がその轍を踏むことはないだろう。途中で曲調がアップテンポに変わるということもあって、疾走感を失うことはないだろうから。
 もちろん、まだ最終形態ではないはずだ。ジャンプはもちろんのこと、ステップもまだ詰めきっているようには見えない。シーズンが進めば密度の濃淡を感じさせないステップになるのではないかな。そして、なんといっても決めポーズ。まだまだ照れがあるのか、甘い。もっと大きな動きで、ラテンな気分で、見得を切ってほしいね。

 佐藤有香について。観戦歴の短いニワカである私はアマチュア時代の演技は映像でしか見たことがないこともあって、今回最も衝撃を受けた。
 静かなピアノ曲(ドビュッシー「月の光」)ということもあり、スケート靴と氷の触れ合う音が会場内に響く。演技を見ると同時に、その音にも聞き耳を立てる状態。息を詰めて肋間神経痛を起こしながら、演技中に拍手をしてよいものかと考えてしまった。何しろ耳障りなものがないし、妙なタイミングでの音もない。少し大げさに言えばチェロの演奏を聴いているような気分だった。「眼福」ならぬ「耳福」だった。
 今月末と来月にテレビ放送があるというが、テレビではこの感覚は伝わらないのだろうな。現地、しかも新横浜ぐらいのこじんまりとした会場だからこそ体感できるのだろう。
 音を手がかりにして見ていると、その演技の素晴らしさがよりわかるような気がした。決して速くはないのだが、スピードが一定でムラがない。スピードを上げるのも一定で「等加速度運動」だし。そして圧巻だったのは渦巻きを描く動き。一定速度でぐらつきなく大きな円を描いたかと思ったら、そのまま徐々に半径を縮めて渦を巻く。いやはや、コンパルソリー世代云々というよりは、世界チャンプの真骨頂なのだろうな。

 小塚崇彦→田村岳斗→イリヤ・クーリックと続いた流れも良い演目だった。小塚が今季のFPを演じてヘロヘロになったところで(事前に、1日で2回FPを演じるのは体力的に大変だと荒川さんが前振りしていた)、女装した田村が駆け寄ってブチューっとやって小塚崩れ落ちる。田村はそのまま色物下品系で突っ走り、続いてクーリックが王道ロックで圧倒する。クーリックはやっぱいいやね。迫力がある。大柄な男子は日本では決定的に欠けているものだしね。
 日本に欠けているといえば、ペアとアイスダンスもこのショーの楽しみ。2組ともハイクオリティだし。特に今回はベルビン&アゴストが私のツボだった。子供の恋から大人の恋って感じの演技で、初めはベルビンがランドセルみたいなものを背負っていて、アゴストと追いかけっこ(そのときのアゴストの動きがアンガールズっぽくて好き)をしているが、ランドセルを下ろし、いろいろ着込んでいた衣装も徐々に脱いでいって、大人の女性に変身するという演出。その最後の1手が髪を束ねていたゴムをアゴストが抜き取るというものなのだが、その瞬間は、萌えた。おやじのハートに直撃弾だよ。ありゃ。

 荒川静香座長は高値安定で言うことがない。高橋大輔フィーバーで盛り上がった会場を締められるスケーターは、そうはいない。
 あと、座長トークも年々板についてきた。恒例のハーフタイム抽選会のほかにも、ライサチェックの五輪金メダル祝賀や、ヒップホップ系の群舞をプロデュースした高橋大輔へのインタビューもあった。スケートをする時間の割にトーク時間が長かったかもしれないが、悪いことじゃない。トークで客を呼べるようになれば一人前だって、さだまさしが言ってた。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
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