鹿島を起こしてから叩きたかった
ラストプレーで湘南が追いつき、そのまま試合は終了した。90分通してみれば妥当な結果であり、「これで終わらせるのは辛い」(反町)という試合展開にふさわしい成果を得たことは喜ばしい。これがシーズン序盤であれば万々歳なのだけど。
(2010年10日16日 湘南ベルマーレ1―1鹿島アントラーズ 平塚競技場)
試合全体の総括は、鹿島の岩政大樹によるコメントが的確だと思う。
「引き分けが妥当な試合だったと思う。少なくとも、うちが勝って当然と言われるような内容ではなかった。球際などほとんど相手が勝っていたし、優勝したいといううちの気持ちよりも、残留したいという相手の気持ちのほうが強かったと僕は感じた。残念です。失点シーンどうこうではなく、全体としていいゲームができなかった。追加点を取れそうな半面、失点しそうでもあったので、フェアな結果だと思う。(優勝争いについて)心配すべきは首位チームのことではなく、自分たちのチーム状態。もっといいサッカーをしなければ話にならない。走ること、戦うこと、これまで相手よりもうちが上回っていたことが、いまは相手のほうが上回っている気がする。優勝したいなら、一人ひとりが責任を自覚し、自分に厳しくやっていかなければならない。1、2点取ってからうちが逆転されることはここ数年ほとんどないが、今日も得点したあとに守りに入ってしまうのかバックパスも増えたし、やるべきことをやれていないと感じる。このまま1-0で終わるだろうというサッカーを前半からしているようでは、サッカーの神様はそう甘くはない」
(http://www.jsgoal.jp/news/jsgoal/00108422.html)
とはいえ、相手の出来が悪く何とかなりそうな雰囲気のゲームであっても追いつけないことが多かった湘南が、今日この日に限って追いつけたということに意味があるので、湘南の良かった点を考えたい。
一番目立ったのは、FW新居辰基の先発起用。田原豊やヴァウド、あるいは馬場賢治といった選手達の場合、後方からのボールを収めて時間を作ることをめざす。彼らと違って、新居は常に裏を狙っていた。岩政・大岩の鹿島CBコンビを想定した、この日限定の策なのかもしれないが、相手CBとボランチに挟まれるという状況を避けることになり、効果的だったと思う。
中盤においてはハングギョンのドリブルが効果的だった。鹿島の中盤に警戒感を抱かせることが出来ていたと思う。裏を狙う新居と併せ、鹿島の守備ブロックをぐらつかせることになり、セカンドボールを拾えたのはそのせいではないか。
守備面では、ゴールライン上でのクリアに加えてスライディングでのシュートブロックも見せた坂本紘司、ロングボールでのカウンターにきっちり対応した臼井幸平が目立った。興梠との走り合いで完勝していた村松大輔の名前も挙げておこうか。
鹿島の個人技一発やセットプレーが常に脅威であったことは間違いない。そして、鹿島がカウンターを得意にするチームであることも言うまでもない。それらを前提にしつつも、湘南ペースであったと言える。だから1点は取れるだろうと思いながら見ていた。問題はその時間帯だった。
終了間際であれば、鹿島の反撃を封じてそのまま試合を終わらせられるだろう。しかし、勝点3が欲しい湘南にとって1点では足りなかったのだから、もっと早い時間に1点目が欲しかった。できれば前半、遅くともエメルソンの決定的なシュート(78分頃)までには。
残り時間の多い中で追いつくことは、鹿島が必死になることを意味するので、猛攻を受けることになっただろう。それによって結果的に2点目、あるいは3点目を失うことになっていたかもしれない。実際に今季はそうやって勝点ゼロになる試合がいくつかあった。だからドローであっても上出来だとは言える。
でもやっぱり、「目覚めた鹿島」を相手にして勝ち切る姿が見たかったんだよね。
【キャプテンマーク予想ゲーム】
村松で2巡目が終わり、3巡目は寺川→坂本→エメルソン(天皇杯)→阿部ときた。次は都築と予想する。
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