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2010年11月23日 (火)

反町サッカーの転向なのかと戸惑う

 NHK地上波の全国放送においてアグレッシブな試合を見せることができた、それは収穫だった。でもあのサッカーは今季苦しんできた湘南が目指してきたものとは思えない。そして、優勝を決めたグランパスに対する湘南サポや運営の温かい対応なんてのは、フォーカスしてもらいたくないね。
(2010年11日20日 湘南ベルマーレ0―1名古屋グランパス 平塚競技場)

 シュート数は湘南が17対8で上回った。確かに積極的にシュートを撃つ場面が多く、ディフェンスも含め、アグレッシブで好感度の高い試合運びにはなっていた。遠藤航はケネディと渡り合い、古林将太は左サイドを攻め上がった。久々に出場した永田亮太は持ち味である(べき)ミドルシュートを見せた。名古屋の出来はともかくとして、若い選手をはじめとして、チーム全体が積極的だった。全国放送でそのような印象を残せたのは悪くない。
 ただしあのミドルシュート連発は、反町が監督に就任してから2シーズンにチームが志向してきたサッカーとは違う。
 
 最近の湘南は、マイボールをシュートに結び付けられず、キープし切れずに奪われてピンチを招くシーンが多発していた。だからその反動として「奪われる前にシュートを撃て」という姿勢になることはわからなくもない。だが今日のプレーを「改善」と捉えるのはナイーブすぎる。逆方向に振れただけであって、依然として同じ問題が横たわっている。
 つまり、「シュートをなかなか撃たない」ことと「シュートを撃ちすぎる」ことは同じ問題の裏表ということだ。最善のプレーを選択しているのかが検討されなければならない。例として阿部吉朗のプレーを挙げる。前半終盤のカウンターチャンスにおいて、右前方のエメルソンへのパスではなくロングシュートを選んだのは視野が狭かった。対して、後半終盤にペナルティエリア付近(右45度)でシュートコースがありながらパスを選んだのは「らしくない」し、チキンだった。…と私は考えている。

 反町が率いてからの湘南がなかなかシュートを撃たずボールを回そうとするのは、「より確率の高いシュート」に至ろうとするからだ。確率の高くないミドルシュートよりも、ゴール前に侵入してよりイージーなシュートを撃とうとする意志の表れだ。2009年のチーム得点王がゴール前での落着きがウリの中村祐也で、その次が果敢な攻め上がりが持ち味の坂本紘司であったということが、それを示している。「まず中央突破を狙う。それが駄目なときにサイドアタック」という就任当初の反町の宣言も同じことを意味している。
 守備でも同様で、2009年の湘南はDFラインとGKの間のスペースを最優先にケアして、相手の放つミドルシュートをさほど気にせずにいた。したがって相手のシュート数が上回ってもさほど気にせず、決定率のほうにこだわりを見せた。
 そう考えていくとわかる。今日の名古屋の戦い方は、2009年の湘南の戦い方と相似形だ。

 今日の(厳密に言えば前節の清水戦からの)戦い方が来季につながるものかというと、私は否定的だ。一見派手だが発展性が感じられない。シュート力のある選手がいればJ2を勝ち上がれるかもしれないが、再来年に同じ結果が待つだけだろう。
 反町はアリバイ的に「攻めてる」様子を見せようとすることはせず、あくまでも「得点の確率を高める」ことに腐心してきたと思う。そう思えばこそ、シュート数の少なさには不満を述べず、撃ちそうで撃たないパス回しにジリジリしながらも理解してきたつもりだ。なのにここにきてミドル連発というのはどういうことなのだろう。実はいささか戸惑っている。
 原点の確認ということかな。後戻りにはなるけれど、シュートへの意識を取り戻すという狙いか。あとは選手の自信を回復させるということ? あるいは観客へのサービス?

【名古屋の優勝決定について】
 試合後の「ホームクラブであった湘南ベルマーレのファン・サポーターがつくり上げた雰囲気、優勝を讃える姿勢」とか湘南スタッフの対応だとかは、騒ぐようなことではない。スポーツマンシップだのといって美談仕立てにするのは、ちょっと違うと思う。もっと功利的な話だ。
 昨年、我々は水戸のホーム最終戦で昇格を決め、彼らのシーズン終了セレモニーを遅らせた。そのことに対する申し訳なさがある中で逆の立場になったというだけのことだ。そして、来年もまたどこかのチームに同じような申し訳なさを感じることになる可能性が50%ばかりあるのだから、そりゃ滅多な対応はできないでしょ。さらにいえば、5年後だか10年後だかわからないが、瑞穂か豊田でJ1優勝を決めることになるかもしれない。「そのときは覚えておけよ」ということだ。

【キャプテンマーク予想ゲーム】
 3巡目は寺川→坂本→エメルソン(天皇杯)→阿部→臼井→山口→田村→都築→田原ときている。次はハングギョンで固いだろう。わからないのはその次で、永田、村松、坂本あたりが候補か。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
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