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2011年5月 5日 (木)

志高く前のめりに突き進むのが湘南の新目標

 横浜FCに敗れた前節は未見だが、おおよそのイメージがつかめた。開幕戦における第一印象、ここまでの反町のコメント、そして今日の試合内容。心機一転、今季の湘南は「前、前、前」と突き進む力を身につけようとしているのだろう。
(2011年5日4日 水戸ホーリーホック0―0湘南ベルマーレ ケーズデンキスタジアム水戸)

 多くの選手がコメントしているように、前半のうちに先制すべきゲームだった。好天に恵まれた20℃の13時にキックオフされた中3日の試合であるにもかかわらず、選手たちは飛ばしていた。最前線の佐々木竜太が盛んに動いて作り出したスペースに、2列目から坂本紘司はもちろん、アジエルまでも飛び込んで行く。アジエルはチャンスと見れば相手DFラインの裏への飛び出しも敢行し、ゴールライン間際でのプレーも多かった。2年前とは見違える姿だ。
 守備面でも運動量が目立っていたが、昨年までの湘南に見られた運動量とは性格が異なる。昨年までは「ハリーバック」に基づく運動量だった。攻撃時に人数をかけながら、ボールを奪われると迅速に自陣へと戻って守備の態勢を整えた。しかし、今の湘南はボールを奪われると、奪われた選手を筆頭に、複数の選手で次々とボールを奪いに行く。特にハングギョンが「二の矢」的な役割で相手ボールを奪取する場面が目立つのだが、彼だけでなく、必要に応じてDFラインの選手もボールへとアプローチをする。

 リスク管理という面で言えば、水戸の方が分が良かった。4-4の2ラインをカッチリと引いて相手のスペースを消し、攻撃に転じたときは2トップの強さを基盤にしつつ、主にSHの選手が加勢して3人ぐらいで攻め切ることを旨としていた。
 2年前や3年前であれば、湘南もCBの跳ね返し能力を信頼してリスクの少ない戦い方を志向していた。「この炎天下によく飛ばすなあ」と感じさせたのは相手チームの方で、後半になると相手の運動量が減って、そこをしっかりと仕留めていた。
 この方向転換は、ジャーンをはじめとする守備の中心選手がチームを去ったことへのリアクションではない。反町が意図して行っているものだろう。2010年のJ1で得た教訓というか。前で奪って速攻に持ち込むことができなかったことが、J1を戦う弱小チームにとって致命的だったということだ。

 前、前、前、という前のめりで後先を考えないスタイルは、当然ながらリスクが高い。目に見えるのはカウンターを受けるリスクであるが、それだけでなく試合運びの面でのリスクもある。先制してリードを奪えば得意の「網を張ってカウンター」という戦い方に移行できる(岡山相手の開幕戦ではそれがはまった)のだが、先制に失敗するとスローダウンの機会を失うため、後半に失速するリスクが生まれる。
 水戸を相手にしたこの日のゲームでも、後半のそれほど遅くない時間帯に前線の運動量がガクンと減った。疲労感からパス回しの正確さが失われ、選手交代によってテコ入れを図るものの、違う戦い方へとシフトすることもなかった。

 恐らく今後も同じような戦い方が続くのだろう。ハマれば大勝するだろうし、かみ合わなければ辛勝や惜敗になるのだろう。巻佑樹や田原豊が復調してくれば最前線で身体を張るタイプのターゲットマンになるのだろうが、それでも基調は変わるまい。2年前よりも理想が高く、昇格という現実の目標との折り合いをどのようにつけるのかが、注目点になるだろう。今のまま上位に居続ければ内容面でのチャレンジを続けられるので、いろいろと都合がよいね。
 ま、これから前節のビデオを見るので私の見方も変わるかもしれないのだけど。

【キャプテンマーク予想ゲーム】
 今季もまた日替わりキャプテンだ。開幕から、坂本→西部→大井→アジエルときた。次は石神か。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
    高スポの陰の支配者。湘南ベルマーレを愛する先天性ジャパニーズ。

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