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2011年5月19日 (木)

永木亮太とアジエルの共存へ道半ば

 アジエルのラストパスから永木亮太が決勝ゴールを決めた。しかし騙されない。彼ら2人の共存方法はまだ模索中だ。お互いの良さを消し合っている。いや、消されているのは一方的に永木なのかもしれないが。
(2011年5日15日 湘南ベルマーレ1―0サガン鳥栖 平塚競技場)

 特別指定選手だった2010年の途中から中心選手として試合に出場してきた永木亮太は、攻守にわたってポジショニングの巧みさを感じさせる選手だ。ダブルボランチの相方、ハングギョンが球際の強さや守備面での特長を持った選手であることから、攻撃参加を期待される。その期待に反して、今季は今一つ輝けていない印象だ。そればかりか、ここ数試合は「思い切りのない」停滞状況を代表するような位置づけをされている。
 それはやや気の毒な話で、アジエルと一緒にプレーする初めてのシーズンで、今はまだコンビネーションを作り上げている途中だ。しかも両者の特徴はデフォルトのままでは相殺し合うように見える。このゲームでも、ボールを奪った永木の前にスペースがあって持ち上がろうとすると、アジエルがボールをもらいに来て「蓋」のようになっていたシーンがあった。そのシーンが象徴的だが、それ以外にもフリーダムなアジエルの動きに気を使っている、あるいは戸惑っている節がある。
 2010年に在籍していたエメルソンはサイド寄りでプレーすることも多く、永木とバッティングする印象は薄かった。対して、アジエルはピッチの中央を主戦場にする選手だ。永木が攻め上がるスペース、タイミングが少なくなっているように見える。 

 この日は、前半の途中から改善の兆しが見えた。アジエルが下がってボールをもらおうとするのを減らしたように思う。それが、ベンチの指示なのか、試合の流れでナチュラルに生じた変化なのかは不明だが。
 41分の得点シーンは、PA目前で粘ってボールをキープした高山薫が斜め後方のアジエルにボールを出し、真っ直ぐ走り込んだ永木がアジエルからの横パスを受けてそのままシュートに至ったもの。これは良い攻撃だった。
 ただしそれは単発な印象で、永木とアジの関係はまだまだ未成熟だ。アジエルが退いた後、永木がのびのびと頻繁に攻撃参加をしているの見ると、やっぱりアジエルに遠慮しているのかなと感じる。

 まあ、簡単に解決する話ではない。アジエルをサイドに押し込んだって仕方がない(彼自身は、サイドはラテラウ臼井の領域だと考えていそうだし)。開幕戦のように4-2-3-1にして2列目の選手同士でポジションを入れ替えながらゲームを進めるというのも一手だが、2トップを採用しているのは、それよりも前線の迫力を増したいからなのだろう。
 となると、前線と2列目とボランチの、縦のポジションチェンジを導入しようとしているのかもしれない。前節にはトップから下がってきた佐々木竜太がアジエルとの兼ね合いで居づらそうにしていたと思うのだが、佐々木も永木も、あるいは他の選手も、必要に応じて「トップ下」のスペースに入っていくことで、攻撃に幅をもたせようという狙いかと妄想する。
 これは、アジエル本人にとっても良いことだと思う。ピッチ中央でボールを待ち構え、反転して前を向くというのは、相手にとって予測しやすく、ハードチェックに行きやすい。古傷持ちの30歳は、そういう負担を軽減した方がよい。頻度を減らすことで「伝家の宝刀」がより効果的になるということもあるだろう。

 ちなみに、今回の記事はポジティブな気分で書いている。数年前であればアジエルの絶対領域ともいえた「トップ下」のエリアで、永木も、佐々木も、仕事ができる。たまに彼らにもそのエリアを使わせようよ、という話なのだ。チーム力のアップを感じるね。
 さらに付け足すと、最終ラインの遠藤航からウイング・ポジションの臼井幸平へと長いパスが通っている。鳥栖戦だけでなく愛媛戦でも同じようなプレーがあったので、意図的で、計算できるプレーなのだろう。あのプレーを見ると「いいねえ」と声が出てしまう今日この頃だ。

【キャプテンマーク予想ゲーム】
 日替わりキャプテンは開幕から、坂本→西部→大井→アジエル→石神→臼井ときた。次は巻で鉄板でしょう。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
    高スポの陰の支配者。湘南ベルマーレを愛する先天性ジャパニーズ。

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