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2011年7月 2日 (土)

反町の路線修正を担保した松尾直人

 4-2-2-2から、アンカーを置いた4-1-2-3へとフォーメーションを変更したこの日の湘南だが、その理由はもちろん204cmのFWオーロイへの対策である。加えて大量失点中の守備に対するテコ入れでもあるし、季節的な理由もあるだろう。
(2011年6日29日 ジェフユナイテッド千葉2―0湘南ベルマーレ フクダ電子アリーナ)

 湘南のメンバーは、4バックが右から臼井―大井―遠藤―石神といつもの顔ぶれ。アンカーに松尾、その前に永木と坂本が並ぶ。3トップは右からアジエル―田原―菊池だが、実質的には田原の1トップだ。
 注目は、なんといってもアンカーの松尾直人だ。2010年にチームに加わってから怪我続きで初めての出場。1年半以上ゲームから離れベンチにすら入っていなかった選手をいきなり先発させたのは、ハングギョンの出場停止ゆえのスクランブル起用なのだろう。

 その松尾は期待にたがわぬ好プレーを見せた。守備の際には大井健太郎と分担しながらオーロイに張り付いて自由にさせなかった。守備の安定感はもちろん、攻撃時にも鋭いサイドチェンジのパスを出し、アジエルが落としたボールをワンタッチでシュートするなどの見せ場があった。
 彼のクオリティがあるので、同じような「4-1-2-3」であっても、単に2010年や2009年のやり方に回帰しているのではなく、それよりは一段上を意図したものと伺える。アンカーの位置からの組み立てやシュートを加えるということだ。言い方を変えると、2010年のチームをもう1つ上に引き上げるために松尾を獲得したということが再確認できたのであって、改めて、彼の1年間の欠場は痛かったといえる。

 連敗に対する処方箋は、フォーメーションよりも選手の位置取りだろう。すなわち、DFラインをはじめとして全体の位置を下げて、相手にシュートを撃つためのスペースを与えないようにしていた。今季の理想だったであろう「高い位置からのプレス」を放棄した格好であるが、はじめから真夏にそれを敢行する気はなかったはずだ。そのシフトチェンジとオーロイ対策の2つがマッチしたので、この日の路線修正になったのだろう。
 自陣で密度を高めることで千葉のパスワークを封じ、それによって千葉はオーロイへの依存度を上げざるを得ず、そこを松尾と大井が封じることで対処するというゲームプランだったのだろう。

 そのプランがはまっていただけに、先制されたシーンはもったいなかった。バカバカしい失点といってもよいだろう。自陣ゴールライン付近でプレッシャーを受け、中途半端に繋ごうとしたところがうまくいかずにシュートまで持ち込まれた。あそこまでプレッシャーを受けたらクリアでよかったと思う。
 リードされてしまうと、あとは苦しい。千葉はサイズのある後方の選手たちがバランスを保って守ることに意識を置き、前線の選手たちはシンプルに「シュートで終わる」ことに徹した。バテバテのオーロイをHTに下げることもできた。

 湘南の攻撃に迫力がなかったのは、ある程度は仕方がない。守備の際に全体が下がるので、前に人数をかけるのは困難になるのは当然だ。この場合、鍵を握るのは左ウイングの菊池大介で、右がアジエルである以上、守備時に下がって攻撃時に最前線まで上がっていく運動量を期待される。昨年まで阿部吉朗が担っていた役割だ。
 この日の菊池は前線へ攻め上がる量が足りておらず、ベンチからもしきりに指示されていたように見える。次節以降の課題なのであろうが、菊池にこの課題を与えるのはよいと思う。彼はこれまでのところ、自分がどうチームに貢献すべきなのか戸惑っているように見える。ボールを持てば相応のプレーができるが、それ以外の時間帯が課題だ。だから、考えている間に上下に走れ、という指示は現状を打開するきっかけになるかもしれない。

 さて、この日の主審の佐藤氏については、あちこちでコメントされているみたいなので詳述しない。田原が倒されたシーンをPKにするのは彼には無理だろうから、何も言わない。しかし、CKを蹴らせずに前半を終了させたのは、ありゃないわ。イエローカードを出されるようなラフプレーで選手が倒れて悶絶しているのに、「いいから始めろよ」という笛を吹くということは、倒れている選手が主審を欺いているという判断なのだろう。しかしそれは自分で出したイエローカードが間違っていたということになる。その矛盾について無自覚のようだ。

【キャプテンマーク予想ゲーム】
 日替わりキャプテンは開幕から、坂本→西部→大井→アジエル→石神→臼井→巻→永木→ハン→遠藤→高山→菊池→大井ときた。2巡目に入ったのか。そんなら次は西部だろう。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
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