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2011年9月17日 (土)

みんな大好きマンボ祭で眼が足りない

 高橋大輔の昨季SP「マンボ」をみんなで踊るというのが今年の目玉だった。会場中が笑顔になり、それでいてトップスケーターの技量を堪能する出色の演目であった。もう3週間たったから書かなくてもよいかなと思いつつ、やっぱりメモぐらいは書き留めておく。
(2011年8日28日 フレンズオンアイス2011千秋楽 新横浜スケートセンター)

 ショーの前半を、高橋大輔(来季のSP披露)→スルツカヤ→ライサチェク、という豪華メンバーで締め括ったので、後半これ以上の盛り上がりを作れるのか? 大丈夫なのか? と心配してしまった。しかしまったくの杞憂だった。
 後半のスタートがいきなりのマンボ祭。
 荒川静香と高橋大輔が登場して、ゆったりとしたイントロに合わせて対角線上を滑る。途中で鈴木明子と小塚崇彦も現れて4人でスクウェア状のポジションを取って「ウッ」の決めポーズ。登場するスケーターは全員、高橋の衣装に揃えるように赤や紅白の衣装。小塚は高橋の衣装を借りていたみたいで、なおかつアフロのカツラをかぶり、私の位置からは見えなかったがモジャモジャ胸毛を貼り付けていたらしい。
 鈴木と小塚が後を受けてプログラムを続ける。鈴木明子さんのああいうステップはいいね。
 最後のストレートラインステップは、再び登場した高橋とシェイリーン・ボーンの2人が並んで、ユニゾンで決めた。ここはもう最高。もちろん高橋を追いたいのだが、シェイリーンも目を引く。2人を両方ともじっくり見たいけど、オタオタしながら2人を交互に見るしかなかった。眼球がもう1個あればと思った。
 それにしても、シェイリーンの完コピぶりや、踊り好きな雰囲気を全身から発散する「ノリ」は、マンボにぴったりだ。あ、完コピという言い方は適切じゃないのかも。このプログラムの振付をしたのが他ならぬシェイリーンなのだし。そんなわけで2人の競演は、キン肉マンとプリンス・カメハメの師弟タッグを思い出して胸が熱くなった。フィギュアファンに通じない比喩だが。。。。

 今回の目玉の1つはイリーナ・スルツカヤの出演だった。相変わらずの両脚でのビールマンスピンは見事だったんだけど、そういうことよりも彼女が楽しそうに滑っているというのがすべてだ。特に第2部の演技はよかった。なにしろ彼女は5年間にわたって実質女王だったスケーターなのだし。
 ライサチェクはいつだって自分の長所をよくわかっていて、今年は特にスピンに力を入れていたのかな? 長い手足を生かした彼の演技を見ると、毎回「でけー」と呟いてしまう(褒めてる)。その呟きが私にとってはシーズンの始まりを告げる季語になりつつある。
 佐藤有香さんは相変わらず息を潜めて見入ってしまう。本田武史は怪我で前半の演技をパスしたみたいだけど、なんか有香さん風味の滑りになってきているのかな。キャリアの長いファンに言わせれば「復調」ってことなのかもしれないが。
 座長の荒川さんについては、自身の演目もさることながら、プロデューサーとしての存在感に触れるべきなのかもしれない。継続は力なり、ということだろうか。このショーのカラーが年々確立してきていて、手作りでフレンドリーで楽しげな様子が見る者にも伝わってきている。

 ということで今年も満足度が高かったのだが、たまには苦言の一つでも。
 マンボ祭の裏返しであろう、「道」は個人的にはあまり評価しない。高橋大輔がバンクーバー五輪で銅メダルを獲得したときのフリープログラムである「道」を、女装した田村岳斗がヘタウマ風にコピーしたものだ。
 ヘタウマ風、というかコメディタッチというか、それは別にかまわない。ものまね王座決定戦みたいに途中でスター本人(高橋)が登場して本家の貫録を示すのだから、むしろそうあるべきだ。女装も別にかまわない。女装でスターに熱烈キッスをかますのも別によい。あれは毎年の「お約束」になりつつあるのだし。
 問題は、スター高橋が田村を気遣うような振る舞いをしたところだ。あの演目は、道化師役とスター役のギャップをはっきりさせることが大事なのだから、スターは田村の存在に構わずビシッと決めるべきだ。倒れた田村に毛布を掛けてやるぐらいなら辛うじて許容してもよかったが、同衾パフォーマンスはやりすぎ。私はドン引きだった。2人の関係性がグダグダになってしまったし。

 現役競技選手については、この時期にあれこれ言っても仕方ないだろう(そう考えれば、去年のマンボ初お披露目はすごいインパクトだった)。
 ただ、羽生結弦についてはコメントしたくなる。前にも言ったが、スピンがパワフルで客席から見ていて個性を感じる。ああいう、スケール感を感じさせる男子スケーターは日本では希少種だ。もちろんこの褒め言葉の裏側には「粗い」という印象があるのだけど。
 高橋大輔の来季SPについては、終わるなり周囲の席のベテラン観客たちが「難しいことやっちゃって」と言い合っているのが可笑しかった。
 アイスダンスのウィーバー&ポジェは、カナダの2番手カップルですな。この1、2年のアクロバティックな趨勢からするとクラシックなスタイルのような気がするが、私はクラシック好き。コンパルソリーも復活してもらいたいと思っているほど。そんな私はすごく好感を持った。札幌でまた見られるので楽しみ。
 そして、ペアの現役ワールドチャンプ、チン・パン&ジャン・トンによる「愛の夢」は超絶素晴らしかった。腰の重い私が立ち上がったのは、これとマンボ祭だけだった。彼らも札幌で…と思っていたらいつの間にかエントリーから外れている。がっかり。中国人ペアがゼロだなんて。

 というわけで、フィギュアファンの皆さん、次回はNHK杯でお会いしましょう。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
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