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2011年9月21日 (水)

柱谷の迷走に付け込んで連勝

 鈴木隆行は出場停止、ハングギョンはU22韓国代表招集と、両チームともに核となる選手を欠いていた。ミーハー視点ではちょっと残念なゲームだったが、その影響が顕著だったのは水戸だった。
(2011年9日18日 湘南ベルマーレ3―2水戸ホーリーホック 平塚競技場)

 先発メンバーを見ると、水戸は5-3-2、湘南は4-3-3のような表記であったが、実際には両者ともに4-2-2-2だった。
 水戸は4バックが右から保﨑淳、尾本敬、加藤広樹、岡田佑樹と並び(左右逆だっけ?)、2ボランチは塩谷司と西岡謙太が斜めに並んだ(DF登録の塩谷が下がり気味)。右SHに小池純輝、左SHに小澤司が入って、2トップは縦関係で最前線に岡本達也、その下にロメロ・フランクだった。見ようによっては4-2-3-1と言えなくもない。
 最近の水戸は鈴木隆行を固定してFWコンビの相方は日替わりだった。その鈴木に代わって岡本が起用されたのだが、鈴木の代役というプレーではなかった。DFラインの前のエリアで楔のパスを受けていたのはロメロ・フランクであり、岡本はDFラインを牽制して2列目の選手にスペースを作ろうとしていたのだろうか。
 水戸の柱谷監督もコメントしているように「フランクは収まるがもう1人のところでなかなか収まらない」状態だったのだが、前半途中になぜかそのフランクを右サイドに移して、右SHだった小池を中央で岡本と並べるような形にフォーメーションを変えてきた。今一つ意図がわからなかった。フランクはサイドでもボールをキープできていたがチャンスメイクという面では物足りなかった。強いて言えば右SBの保崎のオーバーラップを促す効果があったのか?
 しかし結局、ハーフタイムの選手交代でフランクを下げ、小池をSHの位置に戻し、2トップは岡本と遠藤敬佑のコンビになった。この辺りの用兵は迷走という感じが否めない。サイドに戻った小池はドリブル突破を交えてチャンスを演出したし、フランクのキープ力を無駄遣いした印象だけが残った。

 湘南は、ハングギョンの不在には永木亮太と坂本紘司のボランチコンビで対応し、左SHに高山薫、右SHにアジエル、2トップは田原豊と佐々木竜太だった。至極オーソドックスな狙いが見て取れたし、実際に終始押し気味でゲームを進めた。
 高山薫をサイドで起用するのには賛成だ。彼は1対1で相手に脅威を与えられるし、サイドから中に切れ込んで行って反対側のサイドネットに撃ち込む形を持っているようだ。守備面でもある程度は出来るし、現在のように左SBが山口貴弘ならば、攻撃にウエートを置けるわけだし。
 左SBが自重気味である分、右SBの臼井幸平は積極的にオーバーラップに向かえる。両サイドがバランスよく攻撃に絡み、アジエルは相手バイタルエリアでボールを受けるので、3方向からバランスよく攻めることができていた。そのうえトップで田原がボールを収めるのだから、もう堪らない。

 水戸がバランスを失い、対する湘南はオーソドックスに構えていたのだから、湘南からするとリードするのは時間の問題だった。にもかかわらず先制するまでに48分もかかった。私の目には佐々木竜太が足枷のように見えた。
 以前から再三述べているように、佐々木はなんでもソツなくこなす万能タイプのFWだと思う。しかしこのゲームでは、自分が何をすべきか分かっていないのではないかと疑われた。それほど存在感がなかった。特に前半。
 湘南の守備陣がボールを奪ったとき、ボールホルダーが探すのはアジエルであり、田原豊である。2人ともボールを受けに行く選手であるから、佐々木は相手DFラインの裏を狙って飛び出すのがファーストチョイスであるべきだろう。しかし、田原と一緒に下がってきたり、裏を狙うとしても田原から離れて行くような動きであり、「それじゃあ味方の視界に入らないよ」と言いたくもなる。実際に、田原から離れて行く佐々木を見つけてパスを出せたのも(前半終了間際)、密集の中からDFラインの裏へ佐々木を走らせたのもアジエルだった。
 たぶん、チーム全体のレベルが上がれば上がるほど佐々木は生きてくる。でも今の湘南でその処遇を求められても、と思う。さもなければエースの座を勝ち取るしかないのだが、今のところそれには失敗しているわけだし。リードを奪った後には高山やアジエルから「1点取ってこい」というメッセージのこめられたパスが出ていたのに生かせなかったし。

 勝ったので調子に乗ってもう一つ苦言を。
 水戸の2ボランチは攻撃面で怖さがまったくなかった。フリーでボールを持っていてもパスしかない。J1の選手であればミドルシュートを撃ち込んでくるようなシチュエーションも多々あった。
 湘南の2ボランチはバイタルエリアを消すことにウエートを置いていたのか、相手2ボランチに対するチェックがルーズだった。これが物足りない。それはJ2だから通用する守り方であって、志高く、ボールにプレッシャーをかけてほしかった。

 まあ水戸の体制不備に付け込んだ勝利ではあるが、だからといって貶めるには当たらない。勝つのが何よりの薬だ。
 北九州戦でFKから初ゴール、熊本戦で2年ぶりの直接FKからのゴール、富山戦で今季初の逆転勝利、そしてこの日はCKからの初ゴールがあった。1つずつ、今までできなかったことが出来ている。これらは前向きにとらえてよい。
 怪しいPK判定とか、それで相手が勢いに乗ったとか、それらを避けられるに越したことはないけれど、勝ったのだから今後の反省材料にすればよいだけのことだ。遅まきながら、ようやく昇格戦線の動向に目を向けられる状態になってきた。

※今日の私のツボ
 マンオブザマッチに選ばれた高山薫のインタビューはひっそりと私のツボにはまった。最後にサポーターへのメッセージを、と振られて「この後お酒飲みに行かれる方もいらっしゃると思いますけど、美味しいと思いますんで。僕は明日リカバリーなんですけど」という、本人としては全然狙っていないのだろうけど、微妙におかしな並びが。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
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