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2011年10月 1日 (土)

安間3-3-3-1の謎は解けず

 カターレの安間貴義監督が導入している3-3-3-1は、J2名物の一つらしい。我々が1年間留守にしている間にそうなったらしい。開幕前から結構楽しみにしていたので、平日ではあるが万難を排して馳せ参じた。
(2011年9日28日 湘南ベルマーレ2―0カターレ富山 平塚競技場)

 前半7分に早くも湘南が先制したので、純然たる3-3-3-1は見られないのかなと危惧したが、心配無用だった。富山はそのまま3-3-3-1で試合を進めていた。
 まず感じたのは、スローインがやりにくいということだ。富山のフォーメーションはサイドライン沿いに3人が並び、その背後で背骨に沿って3人が並ぶ。スロワー周辺にいる相手選手が多い。これは味方選手の人数を増やせばよいってものでもないので、投げ入れたボールをうまく処理する能力が問われる。ロングスローがあれば話は変わるのだろうが。
 基本的にはこれが3-3-3と並べることの狙いなのだろう。「田」の字状に選手を配することで選手間の距離を均一にして、その網目を細かくすれば攻撃側に対するプレッシャーになるし、ボールを奪って攻勢に転じた際には網目を広げるのだろう。岡田武史の言っていた「接近・展開・連続」を具現化したものの一つなのだろう。まあ出自からいって、安間監督は大木武の下にいたこともあるのだし。
 この3-3-3-1に直面した相手チームは、大きな展開を意図することになるのだろう。端的にはサイドチェンジであろうが、理想をいえば、相手選手を集めておいて前線に長いパスを通すのが好ましい。いずれも技量が伴わなければ実行不能なので、そこでミスをするのも、このフォーメーションの罠なのだろう。

 幸いにも湘南には技量があった。湘南の先制点は、CBからのフィードを坂本紘司が胸トラップで落としたボールを永木亮太が1タッチで左前方に大きく蹴り出し、快足を飛ばした高山薫がそのまま持ち込んで決めたものだ。坂本なり永木なりがボールを受けたところで取り囲むのが富山の目指す守り方なのだろうが、ダイレクトプレーであっさりかわした。
 富山からすれば、ワンタッチで展開されたりサイドチェンジを決められたりすれば、その時点で「負け」である。ボールホルダーへのプレッシャーこそが3-3-3の生命線であるのだから。守備時にはウィークサイドの選手はサイドチェンジに備えた位置取りをしていたが、それは劣勢だったからであって、本来の狙いからは逸脱した、つまり「形が崩された状況」だったのだろう。
 前半は湘南が押しに押していた。サイドチェンジを織り交ぜながら前線のスペースに大きく蹴る、という意図が明確だった。富山の選手を振り回すことができていた。早々に先制して、CKから追加点も奪ったわけで、ほぼ満点の出来だった。

 後半になるとこれが一変する。湘南は防戦一方になった。
 55分の選手交代で富山のフォーメーションが3-2-3-2になったことがクローズアップされがちだが、それは本質ではなかろう。原因は湘南の省エネ策にある。もうちょっと穏やかな言い方をすると、前半のサッカーを1試合続けるというのは現実的ではないということだ。
 前後左右に長いパスを繰り出すのだから、相手を振り回すだけでなく自らも消耗する。特にウイングプレーヤーの負担が大きい。フレッシュな前半ならまだしも、疲労が蓄積して精度が落ちる後半には、ロングパスが繋がらずに相手ボールになることが増えるだろう。それはまさに相手の思う壷である。
 2点のリードを奪ってリスク回避志向になった湘南は、後半になると田原豊をターゲットにした攻撃に偏重した。サイドチェンジや、前線を走らせるロングボールは激減した。それはそれで合理的な選択なのだろう。最終ラインの所でボールが収まれば田の字フォーメーションを無効化できるし、たとえ収まらなくても、田原の周りに湘南の選手が集まるので失ったボールに対して即座にプレッシャーをかけられる。
 それなりに合理的なこの策がうまくいかず防戦一方になったのは、富山のDFラインの中心にいた福田俊介の強さが理由だ。福田は田原とのマッチアップでほぼ完勝していた。あそこまで抑え込まれては湘南は苦しいのだが、田原を責めるのはちょっと酷だ。あそこまで一本調子では、福田は田原だけを見ていればよい。

 50分ほど3-3-3-1を見たのだが、やっぱりよくわからない。本当であれば、3-3-3-1の使用は攻撃面での特長があるはずだ。守備時に相手ボールへのプレッシャーを強めるというだけであれば、4-4の2ラインをきっちり敷いても良いし、4-1-4-1であってもよいはずだ。あえて3-3-3-1を用いるというのは、特有のメリットがあるはず。この日の試合展開では、私にはそれは見えなかった。
 ・・・とここまで書いてから映像を見たら、富山のフォーメーションを3-2-4-1と紹介している。特に前線の黒部光昭、朝日大輔、大西容平のトライアングルが注目されている。確かに2列目左のソ・ヨンドクは彼ら3人とあまり絡んでいないのだけど、始動時の選手たちの位置取りを見る限り3-3-3-1でよいのだと思うけれど。。。。
 
【平塚の試合前ルーチンについて感想】
 万難を排したおかげで、久しぶりに開門から間もない時間に競技場に着けた。で、試合前の諸々がやけにギクシャクしているように感じたのでメモ。
・前座ゲームは相変わらず小学生にフルコートで11人制をさせている。8人制なんじゃなかったのか?
・「富山の皆さんようこそ」とか言って、ホーム側観客が拍手するのは気持ち悪い。というか、自分がアウェイに行ってあれをやられるのも気持ち悪い。やめろ、とは言わないけど他に優先すべきことがあると思う。
・むしろすべきなのは審判団紹介時の拍手だと思っている。
・まあこれは平塚だけの問題じゃなくてサッカー界の問題なんだけど。バスケの試合とか行ってみればわかる。
・選手紹介時に個別の選手チャントを歌うのは間延びしてカッコ悪い。以前のように、アップ時に歌えばいいのでは?
・なんか今季はタイムスケジュールが試合ごとにバラバラに見える。2009年とかはキッチリ固まっていて、キックオフから逆算して何分前に何をするかが明確だったように思うが、気のせい?
・ボールパーソン、センターサークルシートパーソンの紹介が終わって観客が拍手をしているときに間を置かずにフェアプレイ旗手だのの紹介に進むので、子供たちがいつも戸惑っている。観客拍手→子供たちお辞儀→散開→次の紹介、でいいんじゃね? 毎試合あの戸惑っている子供たちを見るのは不快だ。運営に対して。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
    高スポの陰の支配者。湘南ベルマーレを愛する先天性ジャパニーズ。

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