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2011年11月10日 (木)

3バックを採用した反町の意図は

 今シーズン初めて試合開始時から3バックを採用した反町の狙いは何か。2つの見方がある。
(2011年11日6日 湘南ベルマーレ1―2FC東京 平塚競技場)

 湘南の布陣は3-4-2-1だった。リードを奪われた試合終盤に3バックになることはあったが、開始時から3バックというのは今季初めてだ。
 3バックは右から鎌田翔雅、大井健太郎、山口貴弘。WBは右に臼井幸平、左は石神直哉。2ボランチはいつものハングギョンと永木亮太。その前にアジエルと坂本紘司がいて、1トップは初先発のルーカス。

 短期的な観点でいえば、この布陣はFC東京対策としてなされたものである。
 相手のサイドアタックを牽制するために両WBを高い位置に置いた。特に石川直宏による決定的な仕事を防ぐという意図があったろう。対面する石神はフリーであれば良質なクロスを上げる選手である(ボールを持たせてもコースを防ぐ位置にさえ立っていれば一気に威力が減じるのであるが)。タッチライン際にいる石神にはあまりボールが入らないのだが、そうはいっても彼から目を離すことは許されまい。
 何よりも、東京のボランチ2人は出場停止によって、いつもより位置を下げられた羽生直剛と若い下田光平という不慣れなコンビであった。両チームのボランチどうしのマッチアップは湘南が優勢であり、東京にとっては、ビルドアップして組織的にサイドアタックを仕掛ける機会は少なかった。
 まあ、それでも左右両方からのアタックで1点ずつ奪われたのだけど。

 中期的な観点でいえば、相手との関係よりも、自らの課題を克服するための手段として3バックは考えられたのだと思う。
 今季の湘南は、2010年のJ1での苦闘を踏まえて、高い位置でボールを奪って攻めることを課題にしていた。その課題はシーズン後半になってある程度は克服しているのだが、勝点という面では成果が表れていない。2ボランチを中心にしてボールを奪い、跳ね返されたセカンドボールも拾って連続攻撃を実現してもいるのだが、得点にはなかなか繋がっていない。きっかけがあれば大攻勢に出られるような感触もあり、何かブレイクスルーが求められるところに来ている。
 3バックはそのための試行錯誤の一つだと思う。この試合の布陣は中盤を厚くしてプレスの密度を増す狙いと解釈するのが普通だ。もちろん、そういう意図も含んではいるだろうが、二次的なものだろう。
 4バックであってもプレスは機能していたのだから、さらに中盤を厚くするというのはリターンをそれほど期待できない。それよりも、攻撃時にプレイエリアの幅を持たせることが狙いだと思う。連続攻撃を行っているときでもPAの幅にしか選手がいないことが多いので、サイドにクロッサーを置いて幅を広げ、DFラインにギャップを作りたかったのではないか。そう考えれば、石神がライン際に張り付いていたことにも説明がつく(それが彼の仕様だとは言うまい)。

 試合中に私は、この「中期的な観点」の見方をしていた。ところが試合後に反町が辞意を漏らしたので混乱してしまった。
 中期的なチーム作りではなくて、単にFC東京に対する策だったのか? そういえば、この試合の後で肝心要のハングギョンが韓国U22代表に招集されて、帰ってきたらリーグ戦は1試合しか残っていない。とすればここで風向きが変わっても一過性のものになりかねない。やはり、目前の試合に全力を挙げたスカウティングの成果でしかないのか?

 しかしねえ、今一歩な足踏み・糞づまり状態から抜け出してビッグウエーブに乗る寸前なわけじゃん。その爽快感を味あわせてほしいし、自分も味わえばいいのに。ここまで坂を上ってきて最後の峠が見えているんだから、このまま連れて行って欲しいよね。ここで船頭がいなくなったら、船はどっちに行っちゃうかわからないし。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
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