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2012年2月26日 (日)

今さら2011NHK杯フィギュア観覧記

 せっかく札幌まで行って3日間フルに見たのに真駒内ガイドだけで済ますのはあんまりだと思いながら3か月が経った。もう四大陸選手権も終わったのだが、気力を振り絞って書き散らしたメモをかき集めてみる。
(2011年11月11~13日 2011NHK杯国際フィギュアスケート競技大会 真駒内セキスイハイムアイスアリーナ)

 3日間を通しての感想を一言でいえば、高橋大輔は別次元の素晴らしさだった。凡庸な感想だが仕方ない。
 特にFPの「ブルース・フォー・クルック」はすごい。私ごときでは「すごい」としか言えず、我ながらバカみたいだが。冒頭のクアドで転倒したことを忘れさせる出来映えだった。細かく音を拾ってちょっとした動作にも意味を与えているのでとても濃密。
 あの曲を使ってあの演技ができるのか、と感嘆する。今までにも高橋は「マンボ」や「ヒップホップ白鳥の湖」とか、難しげな非定番曲を使いこなしてきたのだが、それらはSPだったわけで、このプログラムはさらに1段階上なのだろう。彼が使っているから面白くなっているが、並のスケーターがあの曲を使っても、退屈で眠たいプログラムにしかならない。
 トマシュに先に言われてしまったが、高橋大輔は得点をとりながら観客を楽しませることのできる稀有な存在である。単に好成績を残すスケーター、という段階を超えている。いってみればレジェンド級ということで、エキシビションのアンコールで昨季SP「マンボ」のサワリを披露するというところにもそれが表れている。他のスケーターは、その大会で演じたSPやFPの見所を再演するのだが、高橋だけは「伝説のあのナンバーを!」ということなので。
 2日目の最後と、全競技の最後に素晴らしい演技で場内を盛り上げて幕を引いた高橋のおかげで、大会全体の印象が好転した。ちょっと穏やかではない書き方だが、正直なところだ。

 小塚崇彦も大会を盛り上げた功労者だ。なにしろ高橋が素晴らしかったので、SPもFPも高橋の直前に滑った小塚は割を食った格好だ。「小塚は良かった。だけど高橋はもっと良かった」というのが私の印象である。ウェブメディアで書かれていた「リズムに乗り切れず中途半端な演技」という評価は酷すぎるような気がする。私が甘いのかもしれないが。
 もちろん課題はあるし、SPにもFPにも思うところはあるのだが(特にFPのナウシカ)、シーズンはまだ序盤だ。練習中と考えれば及第点だと思うので黙っておく。
 印象に残ったのはフライングスピンに入る前のバタフライで、猛烈に良くなった気がする。フワッとした浮遊感があり、なおかつ両脚の動きに重量感というか質感がある。クーリックに何か教わったの? と聞きたくなるほど。

 浅田真央のFP「愛の夢」も素晴らしかった。先入観なく見たら絶賛以外の何もない。
 問題は彼女が浅田真央だということで、トリプルアクセスであるべきところがダブルだったので満点とは言いにくい。いや、見ている側にとって不満があるというより、本人を慮ってしまうので。実際には、現地では冒頭のダブルアクセルが決まった瞬間に大歓声が上がっていた。「ダブルでもトリプルでも一緒の反応」と言っても良いのだが、まあそこはクリーンな演技を待望していたから、でいいじゃないですか。
 あれだけトリプルアクセスにこだわっていた浅田にダブルを受け入れさせた佐藤コーチの手腕が讃えられるべきなのかもしれない。SPでやらせておいて失敗したタイミングで転進を提案したんだって? さすが百戦錬磨のベテランコーチ。

 この大会で最も楽しみにしていた、ペアのサフチェンコ&ゾルコビーは残念な出来だった。にもかかわらず、存在感は抜群だった。
 初日(SPの日)は、会場の東側のスペースでウォーミングアップをしていたのだが、これが気になって気になって仕方なかった。会場のほとんどの人からは死角だったのだろうが、私の席からは真正面だったので。前半滑走組が演技をしている最中にゾルコビー氏がサフチェンコを頭上に持ち上げてガンガン上げ下げしているのが目に入る。6分間練習を終えた後は同じ場所でゾルコビー氏がジャンプしていたのだが、そのたびに「天使と悪魔」の悪魔衣装の幅広の襟がギラギラと光を反射していた。
 エキシビションも風格たっぷりの素晴らしい演技だった。あれは優勝者用のプログラムなので、3位の選手にはふさわしくない。その意味でもキッチリ勝ってもらいたかった。
 ちなみに、2位の高橋&トラン組はエキシビションナンバーを新調するとのことだが、それは賛成だ。彼らのエキシビションは「鉄板」で大受けするのだけど、メダル常連になりつつある彼らの格と釣り合っていないと思う。

 アイスダンスも世界レベルの競技を見る機会が貴重なので楽しみにしていたのだけど、期待値を上げ過ぎたのかも。
 特にショートダンスは、全カップルが不本意な演技に見えた。今季のレギュレーションに問題があるのかなと感じた。ルンバやサンバが課題というのはともかく、どういうわけか全組がアップテンポ→スローテンポ→アップテンポという2度の転調を入れるので「せわしない」印象が強かった。
 フリーダンスではそういう不満はなし。ただ、優勝したシブタニ兄妹よりもウィーバー&ポジェ組のほうが私の好みだったので、そういうストレスはあった。まあ、今のルール(というか傾向?)だとああいう結果になることはわかっているのだけど。

 外国人選手の演技については全体的に低調で、今さらNHK杯での彼らの演技を云々するのは気が進まない。年末以降の彼らの演技を見てしまうと、グランプリシリーズは発展途上という観が強い。アイスダンスのショートダンスだって、レギュレーションの不備なんかではなく、単に練度の不足だったんだということが2月になればわかる。
 本番は年明けから、というのは実は毎年のことなのだけど、今シーズンは特にその傾向が強いような気がする。震災の影響で世界選手権が1か月後ろにずれた影響があるのかもしれない。
 そんなわけで各選手を論じるのはもう終わりにして、会場で気になった事柄を列挙しておく。

・オープニングセレモニーでは女の子スケーター達が旗を持っての演技。エキシビション冒頭にやったのと同じものだが、テレビ放送されたエキシビションでは転倒した子がいて不本意な出来だったが、オープニングでは綺麗に決まっていた。ガラは暗いからねえ。
・本当はスウェーデンの国旗もあるはずだったのになくなった。シュルタイス兄やんは見たかった。残念。
・開会式ではスケ連会長と北海道知事が挨拶。2人とも長い。会長は表彰式ではカッコイイのに、挨拶は苦手?
・真駒内の製氷機ザンボーニの名前はアイリッシュくんとアイリーンちゃん。アイリーンちゃんの方が新しく「試される大地・北海道」のロゴ入り。
・女子シングルのSPでは、浅田真央の次にキーラ・コルピ。観客がたくさん物を投げ入れて花びらか何かが落ちたみたい。それを拾ったコルピたんが近くのNHK関係者席の男性に手渡した。そのときの彼らの盛り上がりが妬ましかった。
・樋口先生は「豊の部屋」だけのために来札? 3日目だけ見かけた。NHK関係者席の端のほうで太田由希奈さんと談笑しながら男子シングルFPを観覧していた。コンテスティの演技には拍手しながらご満悦のご様子。
・その後ろには山岸舞彩さんの姿も。競技終了後もしばらくの間メモを書き続けていた。仕事熱心なことで。
・それにしても、あの白いコートを着こなせるのは肩さんか銀座のホステスぐらいですよ。
・「どーもくんオン・アイス」の出演者たちは3日間で10以上の公演をこなして大活躍だった。どーもくんは何年か前よりも腕を上げていて、今はスパイラル、高速スピンの使い手。
・どーもくん一座の演目は「Choo Choo TRAIN」「ヘビーローテーション(AKB48)」「Progress(スガシカオ)」「クリスマスイブ(山下達郎。英語バージョン)」のほか「フライングゲット(AKB48)」や嵐の曲(タイトルわからない)も使っていた。
・鉄板プログラムはEXILE風に3体で縦に並んで顔を回すチューチュートレインなのだろうが、私は「Progress」がお気に入り。背を向け合っていた3体が振り向いて邂逅するところから始まる、無駄にドラマチックなプログラムだ。
・来年の会場は「MIYAGI」とな。「SENDAI」じゃないところに不吉さを感じる。たぶん宮城県総合運動公園の中にある「セキスイハイムスーパーアリーナ」なのだろう。席数が多くないのはともかく、アクセスの悪さで定評のある会場だからなあ。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
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