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2012年7月 8日 (日)

岩上祐三の良さがやっとわかった

 第5節で負傷して3か月ぶりの出場となった岩上祐三だが、開幕当初には見えなかった彼の良さが私にもわかった。いや、新発見とかではなく、開幕当初は私が寝ぼけていたという話なのだけど。
(2012年7日1日 湘南ベルマーレ1―1松本山雅FC ShonanBMWスタジアム平塚)

 岩上の素晴らしさは、開幕してすぐにわかってはいた。しかしそれは、プレースキックの精度であったり、凄まじいロングスローであったりという、数字に表れやすい部分だけだった。インプレーにおける彼の素晴らしさを認識するのには時間がかかった。
 とにかく判断が早い。予想外のパスや、相手選手のミスキックや、リフレクションによってボールが来たときに、瞬間的に判断ができる。そして、その判断を現実化するための筋力、振りの速さを備えている。で、その判断の速さが前方に向けられるので相手には脅威だし、失敗しても「惜しい」感が漂ってリスクが少ないと思わせる。この判断スピードは、湘南の他の選手と比べても頭一つ抜けている印象だった。
 このことが開幕当初には見えなかった。シーズンオフから抜け切っていない私の目では見抜けなかったのだが、シーズンが進んで目が慣れてきたので認識できるようになったのだろう。と同時に、雨天だったこともある。つまり、雨の日は技量の差が顕著になるということだ。
 でもまあ、この日の岩上は精度の面では不本意だった。特にプレースキックなんかはコントロールに苦しんでいた。主な原因は雨だろうが、久しぶりの公式戦で試合勘の問題もあったのかもしれない。

 目新しいからって岩上だけに触れるのもなんなので、菊池大介について。
 このところ、菊池の進境が著しい。正確にいえば、私にも彼の成長が見える。この試合でも、トラップでボールを浮かせて相手を交わしたり(シャペウっていうんだっけ? アジエルがよくやっていた)、後方からのパスにトラップだけで相手DFを外してシュートまで持っていったりしていた。それはそれで素晴らしいのだけど、それ以上に目に留まるのはタフになったということ。
 岡山戦について書いたときにサラリと消耗戦要員の菊池とかって言ったのだが、その試合で菊池はフル出場している。ちょっと前なら考えられない。いつの間にかボディコンタクトへの耐久力がついて、逞しくなった。もともと技術のある選手だったが、それをゲームの中で発揮するためにはタフでなければならないということだろう。

 さて、この日の試合内容について。
 松本山雅は天の利を生かした。雨が降り続き、主審が笛を吹かないことが松本には追い風だった。フィジカルゲームは松本の土俵だ。そんな中で、逆に島村毅が身体の強さを生かして先制したのは良かった。しかし1点では足りず、後半アディショナルタイムに松本が追いついた。
 湘南にとってはゲームのクローズの仕方が課題になったゲームではある。岩上、菊池、そしてハングギョンと重馬場で存在感のある選手たちが退いて、替わりに出てきた選手たちが良い印象を残せなかった。また、選手間で「もう1点取る」のか「このまま終わらせる」のか意志の不統一が見えていた。 

 松本について。
 ホーム側観客席で「松本市よりご提供いただきました「えのきたけ」を先着2,000名様にプレゼント」していただきました。さらに、マッチデープログラムの印刷には間に合わなかったものの、その他に来場者プレゼントも提供していただきました(蕎麦だったか?)。
 たまにアウェイ側からこういう提供があるのだけど、そういうときの湘南は牙を抜かれることが多いような気がしないでもない。そしてアウェイチームにお土産を持たせたりする。。。。そういう意味で、松本は報われましたね。今後のアウェイチームもやってみたらどうでしょう? 次回は米沢牛とかどうでしょう?
 あれ、松本山雅のことじゃないや。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
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