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2013年4月15日 (月)

浦和レッズはもっと舐めてくださいよ

 湘南が浦和様に勝とうなどというのは虫のよい話だ。清水や川崎のような上手くいっていないチーム相手にさえ勝ちきれないのだから。しかし現実にはいささか可能性があった。浦和の皆さんが見下して臨んできてくれたおかげだが。
(2013年4日14日 浦和レッドダイヤモンズ2-0湘南ベルマーレ 埼玉スタジアム2002)

 ゲーム序盤の浦和は、攻撃時には5トップだった。湘南が引き気味の5バックだったこともあり、5-5の2ラインのようになっていた。控えめに言っても1-4-5だった。浦和の前線と湘南の5バックはそれぞれ1対1のマッチアップとなっていた。
 そのなかで浦和は、主に右サイドの梅崎司にボールを回して湘南左WB高山薫のところを崩そうとしていた。高山が完全に対応しきったわけではないが、左ストッパーの大野和成がフォローに入ったりしながら、どうにかこうにか守っている状態だった。

 とはいえ、この状態は湘南にとっては悪くない。浦和が傲慢、怠慢なプレーをしてくれたほうがありがたい。
 5人が前線で待っていてボールホルダーが「そのうち」勝つだろうというスタンスは傲慢だろう。舐めてたよね。そりゃ、それぞれのマッチアップを見れば優位であったし、常に湘南サイドでボールを動かして、湘南は1対1で抜かれると一気に大ピンチになりえたけどさあ。
 湘南は、そうやって相手が舐めてパフォーマンスを落としてくれることを祈りたくもなる。これは唇を噛みながら書いている。。。。

 そうやって恥を忍んで苦しい胸の内で浦和の「ハンデ戦」に感謝していたが、さすがに好調チームは違う。特にベンチの指示があったようには見えないが、さっさと改善してきた。
 最初は左サイドの宇賀神友弥だった。裏へ飛び出すそぶりを見せたり、内に絞って槙野智章の攻め上がるスペースを作ったり、精力的に動き出した。
 さらに、柏木陽介と原口元気の2シャドーがポジションを下げてバイタルエリアを使い始めたので「あーあ、マジモードだわ」と思ったら、その直後にいきなりレッズ先制。柏木がゴール前に浮き球スルーパスを入れると、興梠慎三がジャンプしながら爪先で合わせた。素晴らしいゴールでございました。

 浦和のことばかり書いているが、湘南の出来は評価に迷う。現象面だけを見れば、前半は腰が引けていて後半は開き直った、といったところ。
 最初から果敢に行け、と言いたくなるが、しかし果敢に行った後半はカウンターを雨霰と食らったわけで(浦和がバンバン外してくれた。ボーナスステージは続いていた)。あれを1試合続けるなんて無茶だ。
 3年前のことを思い出しても、「玉砕覚悟でガンガン行け」とは言えない。本当に玉砕した時のダメージは次の試合にも残るから。極端から極端に行き来するような劇薬を求めるより、地道に改善しながらしぶとく食い下がっていくしかないのだろうな。

 このゲームで釈然としないのは70分の柏木の負傷(?)だ。
 湘南の選手と接触して左肩を痛めたような素振りをしていたのを見て、DFラインでボールを回していた浦和の選手がボールをタッチラインに蹴り出した。審判が寄ってきて話をして試合を再開した。湘南がスローインからレッズのGKにボールを戻したのだが、なんだこれ?
 柏木がいったんピッチの外に出ればよかったのだ。そのためにゲームを止めたんだろう? あるいは、柏木の症状が大したことがないのなら、湘南がマイボールでそのまま攻めればよかったのだ。そうでなければ、あの一連の流れは、審判がグルになった浦和の時間稼ぎでしかない。あの時間、浦和はリードしていたのだし。
 しかもその3分後に当の柏木がCKを直接ゴールするのだ。あの痛がりようは何だったんだ? と言いたくもなる。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
  • 三鷹牛蔵
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