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2013年5月27日 (月)

西川周作の前途が心配だ

 広島のプランにはまった完敗で、私が言うべきこともないかなと思っていた。だけど、2日後に出てきた「ブーイングから考える。Jサポーターは試合を正しく観れているのか?」という澤山大輔氏の記事がずいぶん情報操作をしているので、釣られてみる。日本代表GK西川周作の不安材料について。
(2013年5日25日 湘南ベルマーレ0―2サンフレッチェ広島 ShonanBMWスタジアム平塚)

 問題になっているのは62分の湘南・古林将太と西川が交錯した場面だ。
 澤山氏の記事では「ボールは西川が一瞬早くキャッチし、古林はジャンプした後エリア内で転がった。西川は珍しく激高、ボールを地面に叩きつけると古林に対し何事かを叫んだ。」
 これはまあよい(引っかかる箇所もあるけど、それは後述)。

 この後で記事は続く。
「このシーンでは、湘南サポーターから西川に盛大なブーイングが飛んだ。しかし、筆者が「それはないんじゃないの?」と思ったのはその後のことだ。湘南サポーターは、それ以降西川がボールを触るたびにブーイングをし続けたのだ。」
「湘南サポーターにとって正しいものであった可能性はある。しかし、経緯から推測するにこのシーンで湘南サポーターがブーイングしたのは、端的に言えば「西川の言動は不当だ」と考えたからだろう。」
 
 そして澤山氏は、なぜ西川が激高したのかを推測して考えられる答えは2つあり、
「1つは「ボールに先に触れるのは明らかに自分だったのに、なぜ足を振り切ってくるのか」だ」
「もう1つは「自分から当たりに来たのに、なぜお前が転がっているのか(ダイビングするな)」だ。映像を見る限り、主審が両者の間に入った後、西川は一旦離れたものの今度は水本裕貴が古林に対し文句を言いに行っている。「当たってもいないのになぜ飛ぶのか(ダイビングするな)」あるいは「自分から当たりに来ておいて、PKをもらうような真似をするな」とも取れる。」
「西川の怒りの理由がいずれ(あるいは両方)であったとしても、その後試合を通じてブーイングを飛ばされるほど西川がアンフェアな言動を行ったとは思いがたい。」
とする。

 ひどい情報操作だ。
 澤山氏は、「古林はジャンプした後エリア内で転がった」と、古林がダイブをしたと言わんばかりの文を書いている。もしくは、そう読ませようと仕向けている。しかし、古林が転倒したのは西川の足で払われたからだ。
「スローを見ると」と映像を確認しながら執筆しているのに、なぜか事実と食い違う記述をしている。

 また、澤山氏によれば「西川の怒りの理由がどちらであれ」「西川はアンフェアな言動を行っていない」ということになるが、それとこれは別物だ。西川がボールを叩きつけて、転がる古林を見下ろすように詰め寄った行動(外面)が、少なくとも私には不快に映った。西川が怒った理由なんか関係ない。彼の内面なんて関係ない。
 そんなに熱心に西川の内面を推測するんだったら、湘南サポの内面も推測してみればよいのに。私は「あんなにカッカするんだったら挑発してみるのも手かもね」と思って見ていた。
 「不当」「アンフェア」だけがブーイングの理由だろうか? これも情報操作のにおいがする。また「西川が激高したシーン」と「それ以降」について、分けて論じていたはずが、途中から不分明になっているのもきな臭い。
 その後のプレーでオフサイドにかかった大槻のシュートを西川がスルーして、ネットの中のボールを放置した遅延っぽい振る舞いもあったのにね。
 そもそも、「その後試合を通じてブーイングを飛ばされ」たというのも事実じゃないしね。最後のほうはなかった。

 あと、この記事では湘南GK阿部伸行と広島FW石原直樹が交錯して阿部が出血した場面にもブーイングがあったとしているが、その内実は「メインスタンドからの野次」と「Twitter上での石原へ非難を浴びせているツイート」である。西川に対して集団的になされたブーイングと同列に論じるのには無理がある。
 しかも、当事者4人のうち石原からだけコメントを取って「西川にせよ石原にせよ、あれほどまでに湘南サポーターから批判されるような行為には及んでいない」とか一緒くたにされてもね。「あれほど」ってなんだよ。

 この件で焦点を当てるにふさわしいのは西川だけなのだが、無能な広島シンパ記者がコメントを取ってこないし、私の印象を述べる。
 たぶん西川はPTSD的な意味で反応したのだと思う。CWCで相手選手と交錯して骨折したのはわずか半年前だ。心のどこかにまだ恐怖心が残っているのだと思う。あの瞬間沸騰ぶりはそう考えると納得できる。
 確かにコバショーは遅れていたんだけど、正直言ってそこまで危険なプレーだったわけではない(澤山氏は「当たる直前に力を抜いたのだとは思うが、力いっぱい振り抜いていれば西川が負傷することは避けられなかっただろう」と仮定法で危険性を強調するが、現に力を抜いたのでしょ)。なのに瞬間的に興奮してしまう。GKとしては不安材料という気がする(あるいは川口系?)。時間が解決してくれると良いのだが。

 あーあ。「突っ込んだら負け」をジワジワと感じてきた。だからせめてブーイング論には付き合わない。

 試合内容に関していうと、広島の掌の上のゲームだった。後半になって湘南のシュートチャンスが増えたけれど、あれも広島のゲームプランの許容範囲内に見える。
 湘南は後半から4バックにし、さらに岩上祐三を右SBに入れて活性化を図ったのだが、それらの策が奏功したというよりは、広島サイドの事情だと思う。
 前半は広島2シャドウ(石原と高萩洋次郎)のプレスバックが効きまくっていた。2点リードしたのでプレスバックはやめて前線に残るようになり、長いパスをインターセプトして湘南が攻め込めるようになった半面、3人が残っているので逆襲の危険度も増した。

 このゲームを見る限り、今の広島は高萩のチームだ。彼はフリーポジションを許されていて、フラフラと絶妙な位置どりを続けていた。ボールを受けてからの技術・アイデアも際立っているしプレスバックも上手いし、攻守とも彼に悩まされた。
 ただ、ハイボールの競り合いの前に相手選手に腰を当てるのは悪い癖。湘南の小さな選手相手にもあれをやっていたので、風貌と相まって悪辣な印象だった。森保監督の「レフリー、強いだけ」という声が放送では聞こえていたが、ちょっと無理があるでしょう。

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高スポ執筆者

  • 荒木又三郎
    高スポ創刊者にして主筆。ACミランを愛する後天性フランス人。高スポ編集雑記に本音をぶちまける。
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